Star Trek the Next Generation 6th season


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運命のわかれ道
Tapestry

第6シーズン 第141話
宇宙暦:unknown

不意の攻撃を受け瀕死の重傷を負ってしまったピカード。気が付くと、どうらや「あの世」に来てしまったらしい。そしてピカードはQから自分の運命を変えるチャンスを与えられる。

運命の分かれ道-あらすじ-


ピカードは、Qから与えられた試練を通じて、過去を悔やむことは間違いであり、決して自分の力だけでこれまでやってきたのではないということを悟る。

含蓄に富む、お薦めのエピソード。

BLOOPER
「悲しみのアカデミー卒業式」でピカードは2327年にアカデミーを卒業したという話が出てくる。また、今回のエピソードでは、ピカードがナウシカ人に心臓を刺されたのは30年前の出来事だったとQが言うシーンがある。ということは、ピカードが心臓を刺されたのは、彼がアカデミーを卒業してから11年後ということになってしまう!

監督:Les Landau
Cast
コーリー・ズゥエラ: Ned Vaughn
マルタ・ヴェタニティーズ: J.C. Brandy
Q:John de Lancie
ナウシカ人:Clint Carmichael
モーリス・ピカード:Clive Church
ジャン=リュック・ピカード少尉:Marcus Nash



運命の分かれ道


医療室にライカーたちが転送されてきた。ウォーフの腕には胸を撃たれたピカードが抱かれてい る。彼の心臓はすでに停止し、ビバリーの努力も空しく、脳もその機能を停止しようとしていた。
気が付くとピカードは真っ白な世界にいた。向うに手を差し伸べているが、顔はよくわからない。ピカードが近づいていき、手をつかもうとすると急にその人物の姿がはっきりとする。Qだ。「死後の世界へようこそ」。

Qは神妙な顔をして「私は神だ」と言うが、ピカードは信じようとしない。Qが「それなら証拠を見せてやろう」というとピカードの父親が現れ、ピカードを責める。「過去に悔やむ事はないか」と聞かれたピカードは「悔やむとすれば、死んでもお前と顔を突き合わせ奈照ればならない事だ」と言い返す。Qは「死んだのは私のせいではなく、これのせいだ」と答え、手に小さな機械を、ピカードの人工心臓を出現させた。Qはピカードがナウシカ人に刺された時の様子を再現した。若き日のピカードは三人のナウシカ人相手に戦い、笑いながら倒れていった。ピカードは刺されてやっと自分の愚かしさを悟ったとQに話す。「若い頃は公開の連続だったが、もし、やり直す事ができるのなら同じ間違いはしない」という言葉を聞いたQはパチンと指をならす。次の瞬間、ピカードはまったく別の場所にいた。ピカードは若い女性に平手打ちされ、思わず頬に手をやる。

若い女性はそのまま部屋から出ていってしまい、部屋の奥の方から拍手が聞こえてくた。その主はピカードの士官学校時代の同級生コーリー・ズゥエラとマルタ・ヴェタニティーズ。ピカードをジョニーと呼ぶ彼らは、ピカードの様子をいぶかしみながらも、カジノへ出掛けてしまった。二人が出ていった後、ピカードが感慨にふけっていると、光とともに連邦士官の制服を着たQが現れた。「気をつけ」と怒鳴られ、反射的に姿勢をただすピカードだったが、Qだと気が付くと「なんのまねだ」と尋ねる。Qは「これは現実だ。23歳にもどったんだよ」と答える。ピカードの姿は自分以外の者には若者に見えるらしい。Qはピカードにもう一度人生をやり直すチャンスを与えようとしていた。ここはエアハート宇宙基地、ピカードは士官学校を卒業したばかりで、あと二日後にはナウシカ人との決闘がおこるはずだった。

ピカードはペニーという女性と会うため、カジノに赴いた。情熱的な彼女とは対照的にピカードは冷静だ。その態度が彼女を怒らせてしまい、ペニーはピカードに水をかけ、出ていってしまう。バーテンの格好をしたQにからかわれる。カウンターから離れた所ではコーリーがドム・ジョットというゲームをしていた。ピカードはゲーム台の側に行き、ゲームを眺める。ゲームに勝ったコーリーがピカードたちのところに戻ってきた。コーリーが「簡単なことだよ」と話しているとナウシカ人が近づいてきた。そしてゲームの対戦を申し込む。これが事件のはじまりだった。

コーリーは挑戦をうけてしまう。ピカードは彼を止めようとするが、聞き入れずにゲームを始めてしまう。仕方なくピカードはQと一緒にゲームを眺める。かってピカードが経験したどおりにゲームは進み、コーリーは負けてしまう。

ピカード、コーリーたちが部屋に入ってきた。いかさまをやられたコーリーは熱くなっている。ピカードは彼をなんとかなだめようとするが、コーリーは部屋を出ていってしまう。マルタはピカードを見て「あなたらしくない」と微笑む。「ずっと一緒にいられたらいいのに、その、三人でね」と彼女は言い、なんとなくいい雰囲気になりかかるが、花束を抱えたQが部屋にやってくる。マルタは「女好きは相変わらずね」と言い残し、出ていった。「彼女は良い友人だ」と言うピカードだが、Qは「それ以上のことを望んでいたんだろう」とそそのかす。そしてコーリーがカジノのゲーム台を細工していると聞かされたピカードは、あわててカジノに向かった。

カジノではやはりコーリーが細工をしていた。ピカードはなんとか止めるように説得しようとするが、コーリーは聞き入れなかった。ピカードは「もし細工をするのなら密告するぞ」と警告すると、彼は「好きにしろ、ピカード少尉」とむっとして答えた。

ピカードはマルタの部屋へ行った。コーリーはきっと解ってくれるはずだと話すピカードたち。「ピカードが以前とは違って見える」というマルタ。やがて二人は唇を重ねる。
ピカードはそのままマルタの部屋で朝を迎えた。「おはよう、ダーリン」という声に目を覚ましたピカードが、声の方へ寝返りをうつと、となりに寝ていたのはQだった。ピカードが「運命は変わってしまった」としみじみいうと、Qは「わかっているじゃないか」と答え、消えた。

ピカードはカジノへ向かった。朝食をとっていたマルタを見つけ、同じテーブルにつくピカード。だがマルタから「友情が壊れてしまうような気がする」と涙ぐむ。「明日になれば皆バラバラね」といい、彼女は席を立った。ピカードが考え込んでいると、カウンターに座ってセロリをかじっていたQが「女にひっぱたかれ、親友を二人失った。あとは心臓を守くらいかな」とあざけるように声をかけた。

夜になり、ピカードたちがカジノに集まっているが皆沈んだ表情で、まったく盛り上がらない。そこへナウシカ人が入ってきた。ドム・ジョットに誘われるが、ピカードは断る。コーリーの方は「臆病者」と挑発され、今にもナウシカ人に殴り掛かりそうな勢いだ。ピカードが彼らの中に割ってはいるが、ナウシカ人はなおも挑発を続ける。コーリーはついに切れてしまい、ナウシカ人に飛び掛かっていくが、ピカードはとっさにコーリーに体当たりする。ナウシカ人は笑いながら去っていった。ピカードはコーリーに謝るが、コーリーは「お前は俺の知っているジョニーじゃない。もう親友とは思わないぞ」と言い捨て出て行く。そしてマルタもピカードの元から去っていった。近くで様子を見ていたQは「これで思い通りになったな」とピカードに告げた。

ピカードはエンタープライズのブリッジにいた。だが赤ではなく、科学系の士官である事を示す青い制服を着ており、階級も中尉だ。ピカードは医療室のビバリーのもとに向かった。だが、席に座っていたのはビバリーではなく、Q。すべてはピカードの選択の積み重ねだという。危険を避けてきた代償は平凡な人生だったのだ。

テンフォワードに来たピカードはライカーとディアナのテーブルに近付いていった。彼は二人に自分の評価を尋ねる。「まじめで、きっちりしている」との答えを聞いたピカードは「もっとリーダーシップを発揮できる仕事をしたい」と申し出る。ディアナたちの答えはノー、その理由は「今までもチャンスがあったのに自分からアピールする事はなかった」というものだった。ピカードはもとに戻してくれと姿の見えないQに頼むが、返事はない。機関部から呼び出されたピカードはターボ・リフトに乗り込み、再び姿の見えないQに頼む。リフトが止まり、一歩踏み出すと、そこはあの真っ白な世界だった。

「なんの責任も刺激のない人生はまっぴらだ、私の人生ではない」とQに訴えるピカード。Qはピカードの(新たな)人生がどんなにくだらないものだったか説く。ピカードは「もう一度チャンスをくれ、死ぬ事になってもかまわない」とQに訴える。

次の瞬間、ピカードはあのカジノでナウシカ人たちの前に立っていた。今度は勇敢に戦いを挑むピカード、そして心臓を後ろから刺されてしまった。自分の胸から突き出たナイフを見ながら笑い出し、ピカードは床に崩れ落ちた。

医療室。ベッドの上に寝かされたピカードが笑い出す。ベッドの周りにはライカーやビバリーたちが心配そうな面持ちでピカードを見つめていた。「もうだいじょうぶよ、ジャン=リュック」とビバリーはやさしく声をかけた。
観察ラウンジ。ピカードとライカーが今回の体験について話し合っている。「Qは自分の若い頃の経験を取り除いてしまえば人生というタペストリーが崩れ去ってしまうということ教えてくれた。それにしてもなぜQはもう一度チャンスをくれたのだろうか」とピカードは話す。そしてライカー相手に士官学校時代の冒険談を語るのだった。




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