Star Trek the Next Generation 6th season


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ロミュラン帝国亡命作戦
Face of the Enemy

第6シーズン 第140話
宇宙暦:46519.1

船内の一室で目を覚ましたトロイは、鏡を見て愕然とする。そしてロミュランの地下組織のメンバーからロミュラン人士官のふりをするよう強要された。

ロミュラン帝国亡命作戦-あらすじ-


トロイがロミュラン船の艦長に! しかし、彼女はどんな事態が起こっているのか把握できないでいた。

このエピソードの背景に関しては「潜入!ロミュラン帝国」を参照のこと。 監督:Gabrielle Beamont
Cast
ネベック: Scott MacDonald
トレス: Carolyn Seymour
デセブ: Barry Lynch
貨物船の艦長: Dennis Cockrum
マクナイト少尉: Pameka Winslow



ロミュラン帝国亡命作戦


ロミュラン帝国の紋章が壁にかかった真っ暗な部屋。ベッドに寝ていた女性士官がうめきながら起き上がり、コンピューターに照明をつけるように命じた。だが、なにもおこらず、彼女はよろよろと立ち上がり、あたりを見廻した。そして鏡の前に立ち、照明をつけると、自分の顔を見て思わず声を上げる。彼女はディアナ・トロイ。なぜか整形手術を受け、ロミュラン人の顔つきになっていた。

突然、ロミュラン人が部屋に入ってきた。彼の話によると、ここはウォーバード「カザラ号」の一室だった。彼の名前はネデックで、ディアナがエンタープライズのカウンセラーであることを知っていた。彼女はロミュラン人たちにある目的で誘拐されてきたのだった。ネデックは彼女に今後、ロミュラン帝国の情報機関タルシアーに所属するラカル少佐として行動しろと命じる。もし、彼女がこの指示にそむいた場合、彼女は連邦士官である事がばれてしまい、直ちに殺されてしまうだろう。ネッデックの心を読むまでもなく、ディアナにはそれがわかった。そして二人は部屋から出ていった。

ウォーバードは惑星の軌道上に乗り、貨物の積み込みを開始しようとしていた。ディアナ(ラカル)はこの艦の女司令官トラスと対面した。彼女はタルシアーに対して良い印象を抱いていないらしい。ディアナに対しても疑いの目を向ける。ディアナはおくする事にもなく、今後はタルシアの指示に従い、質問も許さないとトラスに告げ、艦をケイレブ星系に向けるよう命じた。トラスは「あんな廃虚に?」といぶかしむが、ディアナの剣幕にしぶしぶ、艦を発進させた。

その頃、エンタープライズは第75宇宙基地に到着、デセブ少尉という男が乗船してきた。彼は二十年前に連邦を裏切り、そしてまた寝返ってきた男だ。彼は乗船して来るなり、ピカードとの面会を求めた。

デセブと対面したピカードは懐かしい名前を聞いた。彼はスポック大使からの伝言を持ってきたのだ。その内容は「今から12 時間後にケイレブ星系で貨物船から荷物を受け取り、連邦へ持ち帰れ」というものだったが、ピカードはにわかにデセブの言葉を信じる事が出来ないでいた。デセブはかってロミュラン人たちが確固とした信念をもつ種族だと信じて亡命したが、それが誤りである事に気がついたとピカードに語る。ピカードは、艦の進路をケイレブ星系に向けるようライカーに命じた。

ウォーバード。ディアナとネデックが人目を避けるように貨物室に入ってきた。貨物のふたが開けられた。中にはいていたのは冷凍状態の男だった。彼はロミュラン上院議会のムレット、他に彼の部下たちもほかの貨物の中に入っている。彼らはスポックの地下組織に協力していた。なぜ自分が選ばれたのかとディアナが尋ねるとネデックは「万が一の為だ」とだけ答えた。

ラウンジではトレスたち士官が集まり、食事を取っていた。ネデックに指示され、少し遅れてディアナも仲間に加わった。予想されていたとおりトレスはディアナに根掘り葉掘り質問を浴びせてくるが、ディアナはひるむ様子もなく受け答えをしている。トレスは自分の父親がタルシアーに殺されたと語る。その時、ブリッジからの連絡が入り、ディアナたちは食事を中断、ブリッジに向かった。

ディアナたちがブリッジにつくと、ちょうど例の貨物船とランデブーしようとしている所だった。オーバレン船籍の貨物船の艦長がビューワーに映し出された。彼は「ラカルとの契約どおり貨物を目的地まで運ぶ」と話すが、テレパスのディアナは彼が嘘をついていると直感、ネデックに小声でそのことを伝えた。するとネデックはいきなり貨物船を攻撃、爆破してしまう。そして驚く乗員たちに「ラカル少佐の命令だ」と説明する。ディアナ(=ラカル少佐)はただ立ちすくんでいた。

トレスは「この艦はあくまでも自分の指揮下にある。勝手な行動はとるな」と怒り出す。ディアナは開き直ったのか「自分の行動はすべてタルシアーが責任をもつ」と断言、これ以上のトラブルを避けるために、と遮蔽装置を作動させた。そしてこの宙域で待機するように、と言い残しブリッジから出ていった。

一方、エンタープライズはデセブ少尉が指定した宙域に到着、だが貨物船は見当たらない。「だまされたのではないか?」という雰囲気がブリッジに広がり、ピカードはデセブを作戦室に呼んだ。デセブはスポック自身から直接伝言を聞いたのではなく、反体制組織のある男から話を聞いたと告白する。そして問題の貨物船はアンタレス級の艦船のはずだから、捜索すればその痕跡が見つかるはずだと提案した。

ウォーバード。貨物室でディアナがいらいらしながら歩き回っていると、厳しい表情のネデックがやってきた。「計画は変更だ。ディアナのアクセスコードを使い、ドレイケンIV号星の連邦基地に接近する」と彼は言う。ディアナにはとても成功するとは思えなかったが、彼に従うしかなかった。
ディアナはラウンジにいるトレスのもとへ行き、ドレイケンIV号星に向かうよう命じた。トレスは冷静に「タキオンネットが張られていたら無事に潜入することなどできないだろう」と抗議する。それに対しディアナは「ネットのアクセスコードを入手した」と答えるが、彼女はなおも懐疑的な態度を崩さない。ディアナは机を叩き、「臆病者にロミュランの制服を着る資格はない」と怒鳴る。トレスは「一般市民が戦争を望んでいるのではない。あなたのような者が戦争をはじめるのだ」と言うと、部屋から出ていった。

ウォーバードがドレイケンIV号星に向かおうとした時、センサーに一隻の連邦艦が補足された。エンタープライズだった。エンタープライズのほうではまったくウォーバードの存在に気がついていない。これを見たトレスはようやく先程破壊された貨物船が連邦のスパイだという説明を信じたようだ。ディアナはこの宙域に留まるよう命じるが、トレスは無視、ウォーバードはドレイケンIV号星に向かった。
一方、エンタープライズはアンタレス級の艦船らしき破片を発見し、それがウォーバードのディスラプターによるものであると気付く。

ディアナは自室でなんとかエンタープライズに合図を送れないものかと考えていた。ネデックがそんな無謀な事は出来ないというと彼女は怒り出し、「エンタープライズがウォーバードを追跡できるようにしてくれ」と命じた。ネデックによれば遮蔽装置の放射能レベルを操作すればそれは可能かもしれないが一種の賭けのようなものだという。それを聞いたディアナはもう十分危険に首を突っ込んでいるのだから、といって実行に移させた。エンタープライズのセンサーに捕らえられた磁気の乱れはかすかで短時間のものだったが、ディアナたちの狙いどおりウォーバードの存在に気付き、追跡を開始した。

ウォーバード側もエンタープライズが自分たちの存在を察知した事に気付いていた。トレスはそれを確かめようとエンタープライズの下方に潜り込み、攻撃を加えるよう命じる。
ピカードたちはウォーバードが衝突しそうなコースで向かって来る事を知ると回避行動に出た。それを見たトレスは攻撃開始を命じるが、ディアナがすかさずその命令を取り消した。二人は激しく言い争うが、ディアナは「トレスには指揮能力はない」と言い放つ。そしてネデックに銃を突き付けられたトレスはしぶしぶ艦長の座を降りた。ディアナは「交渉で相手を油断させ、一気に片をつける」と宣言した。

エンタープライズの前に遮蔽装置を解いたウォーバードが現れた。ピカードたちはビューワーに映し出されたディアナの姿をみて息をのむ。彼女は「今回の事態を収拾するため、エンタープライズへ行き話し合いたい」と持ち掛ける。彼女が助けを求めている事を察したピカードはそれに同意した。通信が終わると、ピカードは彼女の信号をロックするよう命じ、防御スクリーンを降ろさせた。
エンタープライズの防御体制が解けた事を知ったウォーバードでは、ディアナがディスラプターの発射を命じた。だが、ディスラプターはエンタープライズを直撃したもののダメージを与えられない。と同時にエンタープライズのブリッジには三人のロミュラン人が転送されてきた。

異常に気が付いたウォーバード側は直ちにチェックを行い、発射されたのは転送ビームで貨物がエンタープライズに送られた事を知る。ネデックはトレスにフェーザーを向けるが、それよりも早く別の士官に撃ち殺され、消滅してしまった。トレスは勝ち誇ったようにディアナを一瞥し、パイロットに遮蔽装置を作動させ、この宙域から立ち去るよう命じる。だが、ウォーバードの動きを察したピカードはディアナの転送を命じ、彼女の回収に成功した。

医務室。ディアナは元の顔に整形された。「ロミュランの議員ムレットが君に感謝している」とピカードから伝えられたディアナは「自分を犠牲にしたネデックに感謝すべきだ」と答える。ピカードが「君たち二人のおかげで連邦とロミュランを繋ぐ新たな道が開けた」と言っても、彼女は暗い表情のまま口を開かなかった。




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