Album Review 1


Qlairが残してくれた4枚のアルバムについての所感です。
まずは,デビューアルバムです。

Les filles 表ジャケット
Les filles
[女の子たち]


(1991.11.21,Epic/Sony Records)
[ESCB1264]

(1991.12.1,通常盤発売)
[ESCB1268]


記念すべき1stアルバム。
オープニングは,デビュー曲たる「瞳いっぱいの夏」からです。
2曲目の「真夜中のオルゴール」に至って一気に,
やんちゃな女の子たちが夜になれば夢に見ているような
幻想の世界が広がっていきます。




1.瞳いっぱいの夏
(作詞:西尾佐栄子/作曲:木戸やすひろ/編曲:西平 彰)
Guitar:今 剛 Keyboard & Programming:西平 彰
Chorus:木戸やすひろ、広谷順子、本田淳子

1stアルバム,なんたって最初はデビュー曲です。
アルバムジャケットの,なんとも言えないおとぎのムードが,
この曲を聴いてるうちにぐ〜っと高められていくかのようです。


2.真夜中のオルゴール
(作詞:西尾佐栄子/作曲:いしいめぐみ/編曲:門倉 聡)
Guitar & Ukulele:小倉博和 Keyboard:門倉 聡
Programming:菅原弘明
Chorus:広谷順子、木村真紀

みんなが眠る真夜中に,ひそかにオルゴールの音が鳴り響き,
オモチャを真似て,「あなた」へと想いを届けようとしています。
ここでオモチャが踊ってるのではないことにご注意。

月を隠した夜の中,幻想的なイメージが広がります…。


3.笑顔の花束
(作詞:西尾佐栄子/作曲:谷本 新/編曲:西平 彰)
Guitar:今 剛 Keyboard & Programming:西平 彰
Chorus:新倉義実、下成佐登子、和田加代子

いきなりですが,なんか間奏のメロディラインが島田奈美っぽい…。
曲中は転調の箇所からアップテンポになったりして,
キャッチーなナンバーで,いい感じ。
澄んだコーラスがとってもきれいです。


4.スノーブーツのWish
(作詞:西尾佐栄子/作曲:安部恭弘/編曲:西平 彰)
Guitar:角田 順
Sax:本田雅人(from T-SQUARE by the courtesy of Sony Records)
Keyboard & Programming:西平 彰
Chorus:安部恭弘、木戸やすひろ、広谷順子
Chorus Arranged by 安部恭弘

これはクリスマスもの。やはりNoelでの印象が強いですね。
「それは大きすぎて○○に入らな〜い」
ことあるごとに心のなかで歌ってしまってる私。

女の子の,クリスマスに寄せるやさしい願いを歌ってます。


5.見えない涙
(作詞:西尾佐栄子/作曲:いしいめぐみ/編曲:門倉 聡)
Guitar:小倉博和 Keyboard:門倉 聡
Programming:水出 浩
Chorus:木戸やすひろ、広谷順子、本田淳子

Good bye Cybele の ラストで使われてるせいか,
「物語のエンディング」なイメージが強い一曲です。

ちょっと「眩しくて」と似た世界です…。せつない気分


6.お願い 神さま
(作詞:芹沢 類/作曲:広谷順子/編曲:門倉 聡)
Guitar:小倉博和 Keyboard:門倉 聡
Programming:水出 浩
Chorus:木戸やすひろ、広谷順子、本田淳子
Chorus Arranged by 広谷順子

もう,言うことなしに王道を走ってますね。
片想いのせつなさを明るいトーンで綴っています。

「自然に話したい」ですよね〜。そこから全てが始まります。
ああ〜,万能感にとらわれていたかのようなあの頃に,時よ戻れ!


7.約束
(作詞:西尾佐栄子/作曲:山口美央子/編曲:門倉 聡)
Guitar:小倉博和 Keyboard:門倉 聡
Programming:木本靖夫
Chorus:木戸やすひろ、広谷順子、本田淳子

聞くところでは,コンサートの締めは,この曲だったそうな。
(アンコールはまた別,ですよね)

確かに,95年5月の,さっちゃんのラストライブでの
最後の一曲もこの曲でした。
(つまり,Qlairのメンバーが,Qlairの心で歌った最後の
Qlairナンバーです)

あるはずの明日はもう無くて,先がないからこその
今日の輝きなのに,知ってるのにそのことは言わないで,
秘密を共有して明日に想いを馳せる…。
そんなせつなさが好きです。

でも,「友達」なんだよね…。
これをQlair世界の限界ととるか,規定されるがゆえの
楽しみととるかは,もちろん聴かれるみなさんの自由です。
(でも,次作「CITRON」の”タヒチアンラブ”では,
南国リゾート気分で,うやむやながらも少し踏み込んでます)


8.冒険のSunnyday
(作詞:西尾佐栄子/作曲:渡辺信平/編曲:西平 彰)
Guitar:佐橋佳幸 Keyboard & Programming:西平 彰
Chorus:木戸やすひろ、広谷順子、本田淳子

乾いた,とても乾いた晩夏の午後,といったイメージ。
やはり Good bye Cybele での印象が強いかな?

実際に日曜の昼下がりにでも,部屋で寝っころがりながら
この曲を聴いてたら,どこへも行かないで,窓から見える
空を眺めていたくなっちゃいます,私。

漂うのは,もの淋しさと,心地よいけだるさ。


9.素直な疑問符
(作詞:渡辺なつみ/作曲:木戸やすひろ/編曲:西平 彰)
Guitar:今 剛 Keyboard & Programming:西平 彰
Chorus:木戸やすひろ、広谷順子、本田淳子

最初のピアノがいいですねぇ。前曲の気分を一掃,またもキャッチーな
楽しいメロディ。風景が鮮やかに,目に浮かびます。この曲に合わせて
ステップ踏む3人の姿を,ぜひじかに見たかったです。
今からじゃムリ?ま,そうですね…。


10.雨の帰り道
(作詞:西尾佐栄子/作曲:いしいめぐみ/編曲:門倉 聡)
Guitar:小倉博和 Keyboard:門倉 聡
Programming:菅原弘明
Chorus:広谷順子、木村真紀

寄り添うふたりの,いつまでも続く帰り道。
これまた王道であります!大好きでたまらない世界です。

”ずっと”,”きっと”のコーラスが効果的に
響いています。コーラスユニットの真骨頂ですね。

”離さないでね”,なんて言われたらぎゅっと抱きしめずにはいられません。


Les filles より

Producer:篠崎恵子
Mixed Engineer:松岡義昭


作詞・作曲・編曲,アルバムでの演奏者クレジットを
お寄せ頂いたJOY RIDEさんの注記より:
「 演奏者の表記、所属レコード会社等は発売当時のものです。
また、シンセサイザー・オペレーターとプログラミング、コーラスとバック
グラウンド・ヴォーカル等、呼称は違っても実質的に同じ意味のものは、
統一した表記にさせていただきました。
あと、演奏者名等は他アーティストの作品などを参考に漢字表記を
拾い出しております。」

ありがとうございます。

('98.9.30/'99.11.18)