状況 :正面を向き、左足を一歩前にだし、爪先をたてて、軽くひざを折る ギターを構え、視線はちょっと上。ピックを弦の所に持っていき ちょっと、ためる。腕ごと大きく回しながら、ピックで弦をはじく 音は、はじいた生の音だけで、アンプはつながっていない ゆっくりと、弦をはじいた腕で輪を描くようにして右手を下ろす 視線は、ずっと同じ所をにらみつけてるような感じ PA :はい、かっこい〜です 状況 :どうでもよさそうな口調のPA。根岸、笑顔で 根岸 :オケオケー、オケオケー PA :じゃ、マイク下げま〜す 根岸 :おぅ、ああああぁぁぁぁ.... 状況 :インカムのボリュームを下げていくPAだんだん、スピーカーからの 音が小さくなり、生の声になる 根岸 :あああ、オケオケー、オーケオーケー 状況 :笑顔で、PAに向かって手を振りながら合図を送る根岸 PA :じゃ、なにかあわせてみて下さい 根岸 :え゛ぇ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!オケオケー 状況 :変わり身が激しい根岸。後ろを向いてみんなに 根岸 :よ〜し、それじゃあ、俺達のサウンドを聴かせてやろうじゃねえか いくぜい!ワン!トゥー!ワントゥースリーフォー 状況 :太川がギターを弾き始める。根岸、ギターを弾くまね 根岸、口パクで シャワーを浴びて〜 ウォウウォ〜 汚れを落す〜 (BOO/WYの NO NEW YORK のパロディー) 状況 :左手でタオルを持つ感じで、右腕をこする根岸 PA :はいオッケーです 根岸 :オッケーオッケー PA :それでは、本番よろしくお願いいたします 状況 :うっとうしそうに言うPA 根岸 :え゛ぇ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!オケオケー しくよろ、しくよろ、しくよろ、しくよろ。お前ら、しくよろだ よろしく、よろしく、しくよろ、しくよろ 状況 :幕が閉じていき 状況 :テーブルの方に照明が灯る。無言で座っているミキとマユミ チカ、舞台上手からプラスチックのストロー付きのボトルを抱えて 入ってくる チカ :ちょっと、諸君、ぼうっとしないで働いてよぉ。あと20分で開場よ ねぇ、なんかさ、物販のバイトども、ロビーでうだうだしてるから 蹴りの一つでもいれて、指示与えてやって ミキ :はいはい 状況 :めんどくさそうに立ち上がるミキ マユミ:あたしやる! 状況 :テーブルを両手で叩きながら立ち上がるマユミ マユミ:蹴りは、あたし 状況 :マユミ、ウキウキしながら、舞台上手に駆け出してゆく ミキ :いってらっしゃ〜い 状況 :座りながら、抑揚のない口調で言うミキ チカ :どう、調子良さそうだった? 状況 :笑顔で尋ねるチカ ミキ :...うん。......ねぇ、...怒らないで聞いてね チカ :うん 状況 :立ち上がって、チカに背を向けるミキ ミキ :......やっぱりいいや チカ :なぁによ、気持ち悪いなぁ。もう、君って 状況 :チカ、笑顔でボトルを抱えたまま、ミキの方へ跳んでいく チカ :なんで 状況 :ホップ チカ :そう 状況 :ステップ チカ :なの 状況 :ジャンプ チカ :よぉ? 状況 :胸で体当たり。ミキ、ぐらつく チカ :なによぉ?ミキ、チカの方を振り向き、顔をのぞき込むようにして ミキ :...あのさぁ、...根岸さん、いなくてもいいんじゃない?... 状況 :言いにくそうに言うミキ。きょとんとするチカ チカ :...何言ってんの? ミキ :あの人、何もやってないよ、このバンドで チカ :ちょっと、ジンバンバ星の言葉で喋られても、よくわからないんだけど 状況 :少し、ムッとした感じのチカ ミキ :これじゃ、他のメンバー達がかわいそうじゃない? 状況 :こぶしを握って、厳しい口調で言うミキ チカ :あのねぇ!ドリームズ・カム・ホームはケンタロウさんのバンドなのよ 状況 :けんかごしのチカ ミキ :だって、なにもやってないじゃない! チカ :何が、なにもやってないのよ!ギター弾いて、歌、歌ってんじゃないの! ミキ :...チカぁ チカ :なによ! ミキ :あなた、真剣にそう思ってんの? 状況 :諭すように言うミキ チカ :...何が? 状況 :ミキ、チカの肩に右手を置き ミキ :そう思ってんの、あなただけよ チカ :え? 状況 :ミキ、後ろを向いて舞台上手へと歩いていく チカ :ちょっと待ちなさいよ、どういう事よ!? ミキ :開場時間でしょ 状況 :振り向きもせず、出てゆくミキ チカ :ねえ、どういう事よ!? 状況 :ミキを追って、駆け出すチカ === 家庭訪問 === 134min30sec 状況 :場面は、1994年。舞台上手にでかいつぼ。ふたの上にでかい石が 乗っている。舞台左奥からスーツ姿のトシオが鞄を持って歩いてくる 玄関を開けようとするが、鍵がかかっていて開かない。いぶかしげに ポケットから鍵をとりだし、ガラガラガラと玄関を開ける トシオ:ただいま、かあさん 状況 :ガラガラガラと閉めて、靴を脱ぎながら トシオ:かあさぁん 状況 :つぼを目にして、あわてて鞄を置いて駆け寄りながら トシオ:あれほど行くなって言ったのに! 状況 :つぼの上を見て トシオ:なんだ、この石...どうやって?... 状況 :つぼが少し、揺れる トシオ:ん?かあさん?...かあさん!今出して上げますからね! 状況 :ふたの上の石を両手でつかむトシオ。顔をくしゃくしゃにしながら 重そうに持ち上げる。舞台奥から、チカの担任が、肩をいからせて のしのしと歩いてくる。担任、いかつい表情でピンポ〜ン!と ベルを鳴らす。トシオ、石を持ったまま、絞り出すような声で トシオ:はい... 担任 :坂井さん! 状況 :担任、ガラガラとドアを開け 担任 :3人の男... 状況 :トシオを見て絶句する担任 担任 :何やってんだ、貴様! 状況 :あわてて靴を履いたまま、トシオの所に駆け寄り、ニタニタしながら 担任 :誰閉じこめた?殺したのか?バラバラか? 状況 :トシオ、石を持ったまま苦しそうに体ごと振り返り、石を担任に放り投げ つぼの方に向き直る。担任、両手で受け取り、その重さに、腰をおとす トシオ:かあさん! 状況 :ふたを両手で持ち上げて、調査員Bが顔を出し、トシオを睨み付ける 調査員:だれが、かあさんですかぁ。ほんと、警察呼びますよぉ! 状況 :舞台奥から、買い物かごを腕にかけたリカが歩いてくる 玄関から入ってきて、ガラガラガラガラガラとドアを閉め 靴を脱ぎながら、あっけらかんと リカ :あ、帰ってきたんだぁ トシオ:なんだ 担任 :坂井..さん... 状況 :石を抱えたまま、声を絞り出す担任。ふたを持ち上げたまま睨む 調査員 リカ :あ、出しちゃったんだぁ。4,5日ほっとけば死んだのに 状況 :残念そうに言うリカ。テーブルの向こう側の椅子に座る 調査員:こら!くそババァ!われ、なにさらしてくれとんじゃい、こらぁ!!! リカ :タイムマシンだなんて言って、ただのつぼ売りつけるからでしょ 調査員:お前が使うからやろがい!!!!! 状況 :ふたを持ち上げたまま、激怒する調査員。担任、石を抱えたまま 担任 :坂井さん...3人の...男の...ご両親に... トシオ:置けばいいのに 状況 :担任にむかって、当然そうにぼそっと言うトシオ。担任、トシオの 顔を見て、ゆっくりと腰を落としながら、石を床に置き立ち上がる 低音の渋い声で 担任 :3人の男の親御さんに リカ :すいませんけど、3年待って下さい 担任 :3年? リカ :必ず謝りに行きます 状況 :担任、あわてた口調で 担任 :3年って...3年も! リカ :すぐです、3年なんて トシオ:かあさん... === コンサート === 136min10sec 状況 :照明が落ちるとともに、大音響でTOKIOのイントロが流れる 舞台後方の幕が開き、ドリームズ・カム・ホームが演奏している 根岸、イントロが終わる直前に、ギターを置き、口パクを始める > TOKIO < 空を飛ぶ 鳥が飛ぶ 雲を突き抜け がんばろう 状況 :根岸、「がんばろう」で右こぶしを振り上げる 火を吹いて がんばろう 状況 :根岸、「がんばろう」で右こぶしを振り上げる スーパーシティーが 舞い上がる 状況 :根岸、中央から、左の舞台に飛び降りる TOKIO TOKIOが 二人を ぶっとばせ 状況 :根岸、握りこぶしでパンチ TOKIO TOKIOが ぶっつぶせ 状況 :根岸、下に飛び降りる。中央の舞台の階段を駆け登り、中間で座る チカが舞台上手から入ってきて、立ったまま根岸を見ている 海に浮かんだ 不思議な気持ちさ 状況 :根岸、胸に手を当てる 火傷しちゃったね 状況 :根岸、右手を前に出し、ぷらぷらさせる 見つめていると ららららーら ららら らららら 涙落とした 状況 :根岸、顔の前で手を動かして、涙が落ちる感じを表現する TOKIO TOKIOが 二人を ウォウ ウォウ ウォウ 状況 :根岸、こぶしを突き出す×3 TOKIO TOKIOが イェイ イェイ イェイ 状況 :根岸、蹴りを繰り出す。舞台上に戻り、幕が閉じていく 根岸、幕が閉まる直前まで、開場に手を振ったり、投げキッス === 楽屋 === 138min00sec 状況 :上手から、ミキが入ってきて、背中を向けているチカに ミキ :ね、わかったでしょう? 状況 :チカ、振り返る ミキ :あの人ただ暴れてるだけよ 状況 :ミキ、イヤミな口調で ミキ :あの人がいなきゃ、このバンドも、もう少しなんとかなるのに チカ :...「元祖RYDEEN」は80万枚売れたのよ。「君に胸ピュン」だって もうすぐ40万枚 ミキ :売れる、売れないじゃないわよ チカ :どうして?売れなきゃ意味ないじゃない 状況 :ミキ、見下したような感じで、腰に手を当てて ミキ :最低 チカ :......何がよぉ!!!!! 状況 :怒るチカ ミキ :そういうあなたみたいなコマーシャリズムのあれが!... 状況 :言葉が見つからないミキ、両手を握って、振り下ろしながら ミキ :あれなのよ!!!!! チカ :なんだそりゃ!!!!!難しいこと言えないくせに 言おうとすんじゃないわよぉ!!!!! 状況 :激怒しているチカ。そこに、上手から笑顔でマユミが駆け込んでくる マユミ:車いつでも出られるよぉ 状況 :二人の顔を交互に見るマユミ チカ :...うん、サンキュー.. マユミ:どうしたの? 状況 :無言のチカとミキ 根岸 :まったくよう!お前、中野谷、今度やったら、てめ、絶対ぶっ殺すぞ! 必ずぶっ殺すからな! 状況 :舞台下手から、メンバーが歩いてくる。根岸、後ろ向きで、中野谷を 指さしながら、激怒しながら歩いている 上原 :お疲れさまでした チカ :お疲れさまぁ 状況 :気を取り直して、笑顔で応えるチカ マユミ:お疲れさま 太川 :お疲れさまでした ミキ :お疲れ 状況 :不機嫌なままのミキ。根岸、怒ったまま、テーブルの奥の方に座り ボトルのストローをくわえる マユミ:あの、即出(そくで)でお願いします チカ :ごめんね、出待ちすごいから 香山 :お疲れのところごめんなさ〜い。 状況 :舞台上手から、ニコニコしながら右手を上げて香山が入ってくる 根岸、香山を見て、目をひんむいて 根岸 :誰だよ、こんなやつ入れたの!? 状況 :マユミ、香山をにらむような目つきで マユミ:警備員いるのに 香山 :2万で通してくれたわ 香山 :根岸君だけでいいの。ちょっと話を聞かせてちょうだい 根岸 :いやだ。急いでんだよぉ 状況 :ふてくされたように言う根岸。チカ、香山の方に歩きながら チカ :御希望でしたらでしたら取材日取りますから 状況 :根岸、チカを押しとどめて 根岸 :いーの 状況 :舞台下手に置いてある電話が鳴り出す チカ :なによこんな時に、ミキちゃん出て 香山 :今お願い 状況 :鳴り続ける電話。ミキ、つったったまま、うつむいている チカ :まったくう。マユミちゃんとりあえず他のメンバー出しちゃって マユミ:はい。いきまーす。行きましょ 状況 :マユミ、みんなにおいでおいでをしながら、先頭に立って上手へ出てゆく みんなも、マユミのあとについて、出てゆく 鳴り続ける電話。ミキは動こうとしない しかたなく、電話の方に向かうチカ 根岸 :んじゃ俺も行くから 状況 :立ち上がって、出ていこうとする根岸 香山 :待って。YMOが解散したわ 状況 :香山の方を振り向く根岸とチカ 根岸 :...へー 香山 :かわいそうに細野さん血管切れて入院よ 状況 :香山、右の首筋を指さしながら 怒りすぎてこの辺が血管ブチブチって 根岸 :へへぇ 状況 :笑う根岸。受話器を取るチカ チカ :ミキちゃん、電話 ミキ :だれ? チカ :知らない 状況 :電話の方へ向かうミキ、チカから受話器を受け取る ミキ :もしもし 状況 :チカ、テーブルの方に歩いていく 根岸 :それでどうしたんだよ 香山 :あなたのやってること、盗作とは言わないかもしれない。法律上はね! 状況 :チカ、怒りながら チカ :なんですか!根岸は疲れてるんです。今度にして 状況 :チカを無視して、根岸の方を向いたまま 香山 :君に胸ピュン、細野さんの新作だったのに血管切れて病院で年越しよ ミキ :だれ!?切るわよ! 状況 :怒った口調のミキ。舞台後方の幕が開く。受話器を持った牛添が 足を肩幅よりちょっと広く広げて、右手を上げて立っている 牛添 :私は神の国から来た〜!あなたは呪われている あなたが邪悪な心を捨てない限り 状況 :牛添、指を3本たてて 牛添 :3日以内に死ぬ、死ぬ、死ぬー! 状況 :ミキ、うつむいたまま物も言わず、たたきつけるように受話器を置く 牛添、ビクッとして受話器を見る。驚いて顔を向けるチカ チカ :どうしたの、またいたずら電話? 状況 :ミキ、怒ったような口調で ミキ :...帰っていい? チカ :いいけど... 状況 :テーブルの横に置いてある荷物を取り、上着を腕にかけて ミキ :お先。よいお年を 状況 :舞台上手に向かって走っていくミキ 根岸 :ああ チカ :お疲れさま! 状況 :牛添、受話器を見つめて 牛添 :苦しめ、榊原ミキ 状況 :牛添、上手に走り去る。チカ、テーブルの左の椅子に座る 香山 :さ、落ちついた。どういうことか話してちょうだい 「RYDEEN」と「胸ピュン」をどうやってあの人たちの頭の中から 持ってきたのか 状況 :根岸、顔をしかめながら 根岸 :なんだ、あんた言ってることわかんねぇよ 香山 :本来ならばあの2曲はYMOが発表するべき曲だった、てことよ 根岸 :何だよ、本来ならって 香山 :本当だったら今そこに座ってるのは細野さんか高橋さんか坂本さん だってこと 状況 :根岸、香山の席を指さして、口をとがらせながら 根岸 :......じゃあ、そこに座ってんのは? 香山 :ここは... 状況 :香山、自信なさそうに 香山 :そこに座ってない残りの2人のうちのどっちか 根岸 :...じゃあ、そこにいるあんたはいったいどこにいんだよ? 香山 :あたしは?...家とか..買いものとか... 状況 :じっと口をつぐんでいたチカ。決心したように チカ :わかりました。言っちゃいます 状況 :香山、チカの方を向き、顔をのぞき込んで 香山 :えらいわ チカ :...どうせ信じてもらえないでしょうけど 香山 :そんなことないわ チカ :私、15年後の未来からやってきたんです 香山 :ふざけないで 状況 :全く取りあわない香山。チカからプイッと顔をそらす 香山、ニヤニヤしながら 香山 :大体はわかってるのよ。裏付けがあとひとつってだけよ チカ :なにがどうわかってるんですか? 状況 :香山、右手の人差し指で自分の頭をさして 香山 :だから、脳でしょ。細野さんの脳よ チカ :...脳がなんですか? 香山 :脳から 状況 :香山、右手の人差し指を、耳のあたりから円弧を描くようにして テーブルまで運びながら 香山 :こーう持ってきてんのよ、そうでしょ? 状況 :チカ、あきれたような感じで チカ :全然違います 香山 :...人間には、右脳と左脳があるの 状況 :自信満々に言う香山。香山の顔を見つめる根岸とチカ 香山、だんだん表情から自信が失われていく 根岸 :...うん、あるよ チカ :あるわよ 根岸 :だから? 香山 :だから... 根岸 :どうやって持ってくるの?胸ピュンとかライディーンとか 状況 :根岸、指でテーブルをさしながら香山を問いつめる 香山 :だから... 状況 :香山、思いついたように 香山 :科学の力よ。テクノロジー。ちっちゃい小人とかを送って 根岸 :小人! 状況 :根岸、香山を指さして笑い出す 香山 :小人っていっても、そういう...もっと...機械の小人... 状況 :焦っていいわけをする香山。だんだん、言葉に力がなくなっていく 香山、突然立ち上がり、ムッとした口調で 香山 :また来るわ 状況 :舞台上手へと、逃げるように歩いていく香山。根岸、香山を見ながら 根岸 :なんだよあれ? 状況 :根岸、テーブルの方に向きなおり、だるそうに 根岸 :ったく、あぁ、余計疲れちったよぉ 状況 :根岸、かみしめるように 根岸 :だけど、今日で今年も仕事納めかぁ。ふっ 状況 :鼻で笑う根岸。チカの方に少し身を乗り出して 根岸 :激動の年だったよなぁ 状況 :根岸、少しうつむいて 根岸 :激動の79年...激動の昭和史!...げきどぉ... 状況 :自分の世界に入って、ニヤニヤしている根岸。突然、チカの方を向いて 根岸 :あぁ、天皇陛下ってさぁ、一体いつまで生きるのかねぇ チカ :あと10年 状況 :間髪入れずに答えるチカ。根岸、きょとんとして 根岸 :...あ、そう チカ :ねぇ 根岸 :あ? チカ :太川君のことまた殴ったでしょ 根岸 :あ、あれぇ、そうかなぁ... 状況 :笑ってごまかそうとする根岸 チカ :もうそういうことはしないって言ったじゃない 根岸 :いや、あいつがミスするからだよ。俺が間違えたらさ、すかさず俺に 合わせろって言ってんのに。...ったくあいつどうしようもねえなぁ 状況 :チカに同意を求める根岸。無言のチカ。沈黙に耐えかねたように 根岸 :さてと...帰るかなぁ 状況 :根岸、笑顔でチカに 根岸 :乗ってくか?久しぶりに俺んち来るか? チカ :...いい 状況 :ちょっとうつむきかげんのまま、首を振るチカ 根岸 :あ、そか... 状況 :根岸、突然明るい口調で 根岸 :ツービートとB&Bの編集したビデオあるぞ。 俺が、こう、リズミカルに編集した奴 「コマネチ!」って言ったらすぐ「もみじまんじゅう!」ってなって 「よしなさい!」ってなるんだ 状況 :「コマネチ」「もみじまんじゅう」「よしなさい」を実演しながら 熱弁する根岸。暖かい笑顔で見ているチカ チカ :あたし、まだイベンターさんに挨拶とかあるから...先帰って下さい 根岸 :お、うん、そか... 状況 :根岸、立ち上がり、右手を上げて 根岸 :うん、じゃ、お疲れ チカ :お疲れさまでした 状況 :舞台上手へと歩いていく根岸。思い出したように立ち止まり 振り返って 根岸 :あっ...あれ、そろそろ準備しような...お前ら3人で歌うやつ チカ :そうですね 根岸 :お、じゃ <「1979」へ/前へ戻る/次へ>