雑記30:勧誘電話(1998.12.23)
先日、仕事中に通信講座の勧誘電話がかかってきた。
「もしもし、ken様ですね?私○○○センターの***と申します。本日、ken様にお電話差し上げたのは
うんたらかんたら ほにゃららごちゃごちゃ ぺちゃくちゃごにょごにょ オッペケペー・・・・・
ということで、私どもの通信教育をご利用いただければ2級土木施工管理技師の資格取得まで確実にサポート差し上げます。いかがでございましょうか?できましたらご自宅の方へ資料をお送りいたしますのでご自宅のご住所をお教えいただけないでしょうか?」
これで
約5分。よくもまあ舌も噛まずにペラペラこんなに長い文句を言えるものだ。
”うんたらかんたら・・・”の部分では
「ken様の職場の方にも多数ご契約いただいております・・・」
「学校の同級生の方からのご推薦もいただいておりまして・・・」
「現在、特別推薦枠でご契約いただいていないのはken様ともうお一人ぐらいでして・・・」
「ken様のご実績なら確実に合格できるかと・・・」
「御社の社長様からのご推薦で・・・」
などと言いたい放題のことを並べ立てていた。きっと
”こういうことを言いなさい”というマニュアルがあるのだろう。
私の名前と職場の電話番号、職種をどうやって調べたのかは知らないが、橋の設計技師である私に
”2級土木施工管理技師”の資格取得を勧誘してきたのだからまあ上出来であろう。
でも
まだまだ甘いのである。調べるならもっと徹底して調べないと5分間も
余計な事をベラベラ喋ればボロが出てしまうのだ。
例えば
「ken様の職場の・・・」について言えば現在私の職場には事務所の所長と工事課長と私の
3人しかいないのでどう考えても
”多数のご契約”なんていただいているはず無い。
「学校の同級生・・・」についても
「どこの学校?」と聞き返したら答えられなかったし、
「ken様の実績・・・」も
「じゃあ今までどんな仕事したか言ってみて。」と聞いても答えられなかった。
「御社の社長・・・」については
「社長って誰?」って聞いたところ、待ってましたとばかり
「□□□社長でございます。」と
2代も前の社長(今は名誉会長)の名前を口走っていた。
「特別推薦枠で・・・」なんかは、
「そんなに契約してもらってるなら残り1人や2人ぐらいどうでもいいじゃん。」って言ったら
「いえ、これは私どもの成績とかではなくken様の将来のためのご推薦なので・・・」と訳の分からん事を言っていた。
しかし、そんなことよりもっと
重大な事実に気付いていないというか事前の調査が足りないのだ。
彼が私に薦めている講座は
”2級土木施工管理技師”の資格取得の通信教育であるのだが、私は既に
6年も前に
”1級土木施工管理技師”の資格を取得しているのである。
何を言っても勧誘の手を緩めようとしなかった勧誘マンであるが、
適当にあしらってからかうのに飽きてきたので1級を持っている事を伝えると、力無く
「あ、そうだったんですか.....」と電話を切った。
こんな感じで、私は結構
勧誘の電話を使って暇つぶしをする。よくある勧誘電話のパターンと、それに対する私の応対をいくつか紹介しよう。
全ての勧誘を断っているということは言うまでもない。
*****
<1分だけお時間を下さいパターン>
もっとも頻繁にかかってくるパターンである。電話を取るといきなり
「私、○○○の×××というものです。本日はken様にお伝えしたい事がございまして、手短にお伝えさせていただきますから1分間だけ時間を下さい。」
というやつだ。1分間というところが3分とか5分とかいうのもあるが、
最も多いのは1分間である。
中には
「ほんの少しだけお時間をください。」というパターンもあるが、そんな時は
「ほんの少しってどれぐらい?」と聞くと大抵
「1分ぐらいでございます。」という答えが返ってくる。
そんな電話に対する私の答えはいつも
「はい。1分ですね。わかりました。ではどうぞ。」と言ってス
トップウォッチのスタートボタンを押すのだ(私はこういう時のために仕事場の机にストップウォッチを置いているという変な奴である)。
で、相手が一生懸命あーだこーだ喋っている間中ストップウォッチを眺め、残り10秒で
「はい、あと10秒。」と忠告してあげるのだ。すると大抵
「えっ?なんですか?」という反応をするので、
「そんなことに貴重な時間を使っているともったいないよ。」と親切に教えてあげるのだ。
もちろん残りが10秒なので私の
親切な忠告の間に制限時間が来てしまうのであるが、そんな時は
「あーあ、1分たっちゃった。これからはもっと手短に用件を伝えられるように練習して下さいね。はい、通信教育料5000円です。」
などと言ってあげると
ムッとして電話を切ってくれるのだ。そして
二度とかかってこなくなる。なかなか有効な手であるので同じ所から何度も電話がかかってきて迷惑している人は一度試してみてはいかがであろうか。
<私どもの上の方から言われましてパターン>
これはそんな訳の分からんことを平気で言える電話マンの気がしれないのだが、電話に出るといきなり
「私、○○○の×××というものです。本日、私どもの上の方からken様にお伝えするようようにと言われましたのでこのままお聞き下さるようお願いします。」
というやつだ。お前のとこの上司が何を言おうが知ったこっちゃ無い。なんでどこの
ウマの骨どもがやってるとも分からん
ヘボ会社の
クソ上司の言う事を聞かなきゃならんのか。全く
不愉快な電話である。こういった電話の時はすぐに
「私どもの上の方からはこういったくだらん電話には耳を貸すなと言われておりますので。二度とけてくるんじゃねーぞ、タコッ!」
と答えるようにしている。
<絶対儲かりますのでパターン>
これは先物取引とかの勧誘でよくあるやつであるで、金(かねじゃなくて、きん)関係なんかが最もポピュラーだ。
「この度、私どもがken様にお勧めするこの情報は必ず大きな儲けになります。このチャンスを逃すときっと後悔しますよ。」
ってな具合だ。まあ、大体今の銀行の金利がどうだとか株価がどうだとか今後の日本経済がどうだなんて
御託を並べてから
「我々の商品はそんなことなく確実に大きく儲けられる。」なんてことを言うのだ。
そんな電話の時は決まってこうなる。
私: | 「それって絶対儲かるの?」 |
電: | 「はい、それはもう確実です。今まで私どものお話をお聞きになられたお客様でお断りになられたお客様はいないぐらいですから。」 |
私: | 「でも、そんなに儲かるんだったらもうどっかの誰かがやってるだろうから手後れだよね?」 |
電: | 「いえ、この情報はまだ誰も知りませんからまだ間に合います。」 |
私: | 「じゃあ少し考えさせてよ。明日また電話くれる?」 |
電: | 「いや、明日では恐らく間に合わないでしょうから是非今このお電話で申し込みの方をお願いします。」 |
私: | 「はは〜ん、私がこの電話を切ってから自分で手配するのが心配なんですね?でもここに電話してくる前に断った人がもう手を打ってるかもしれないじゃないの。」 |
電: | 「いえ、その心配は要りません。今回はken様にだけ特別にご案内申し上げておりますので。」 |
私: | 「え?私にだけ?なんで全くの見ず知らずの人にそこまで親切に出来るんですか?やっぱりなにか魂胆があるんでしょう?」 |
電: | 「いえ、とんでもございません。実は私どもの調査部門にて調査した結果、今後とも信頼してお付き合いできるお客様としてken様にだけお知らせしている次第でございます。」 |
私: | 「へ〜、そんなこと調査できる部門があるんだ。だったらこの儲け話もかなり調査した信頼のおける情報ってことですね。」 |
電: | 「はい、もちろんでございます。」 |
私: | 「だったら電話なんてかけてないで自分達でやればいいじゃん。」 |
電: | 「いや〜、みなさんそうおっしゃられるんですが、私どもがそういった情報を元に取り引きすることは禁じられてるからできないんですよ。」 |
私: | 「え?みなさんそうおっしゃられる?さっきこの情報は私にだけお知らせしてるって言ったじゃないの。なんなの、みなさんって?」 |
電: | 「え?いや、あの、以前にもこういったお話を持ち掛けた時にお断りになったお客様が大抵そういってたってことでして.......」 |
私: | 「え?断った客?最初に断った客なんていないって言わなかった?なんかあなたの話しって嘘ばっかりじゃないの。そんなの信用できないね。」 |
電: | 「・・・・・・」ガチャ(電話を切る音) |
こんな感じで、これまた
二度とかかってこないのである。
*****
勧誘電話の兄ちゃんたち、私のところにかけてくるんだったら
もっと話術を身につけてからにしなさい。まあ、暇つぶししたいって言うんならいつでも付き合うけどね。
おしまい。