雑記28:小ネタ集<2>(1998.12.15)


<電話帳>
とある田舎の町で電話帳を捲っている時のことだ。

田舎と言うのは大方そうであるが、この町もある特定の名字の人が大勢いる。かといってみんながみんな親戚関係というわけではないようで、どうしてこう同じ名字ばかりになるのか不思議である。

で、同じ名字が多いということは仮にフルネームを漢字まで覚えていても当然のように全く同じ字の同姓同名が何人も名を連ねているからどれがお目当ての相手か分からない。

しかも、住所まで同じときているのでこれまた始末が悪い。もちろん番地までは同じではないが、フルネームと住所の番地まで覚えているような間柄なら電話番号ぐらい覚えているので、「確か○○町だったな」なんていう程度では電話番号を特定できないのだ。

そんな理由からか、電話帳には名前の後ろに( )付きで職業を併記している人がいる。
大体は”理容”とか”クリーニング”とか”会計士”とか”石材店”なんかのように個人で開業している人がその業種を書いているのだが、何気なくパラパラ捲っているとこんなのがあった。
銭形平次(警察官

 (もちろん仮名です。)
電話ボックスで受話器も握ってないのに一人で笑っているなんてちょっと危ない人と思われたかもしれないけど、なんか笑ってしまった。
今度自分の電話番号を掲載する時には
ken(現役サラリーマン
とでもしておこうと思うのであった。


<風邪薬>
風邪をひいて死にそうな時に彼女が薬を買ってきてくれた。

よく見るとそれは小児用の液状風邪薬だった。なんでも薬局のオヤジが「これを一ビン一気に飲んで寝れば治る。」と言ってたから買ったそうだ。

しかし、いくら小児用とは言えそんなに大量に飲んで大丈夫かどうか心配だったのでとりあえず箱に書いてある”用量”のところを読んでみた。
用法・用量
 3ヶ月以上6ヶ月未満:2.0ml
 ・・・・・・・・
 3歳以上7歳未満:4.0ml
そう、この薬は7歳未満までを対象とした小児用であり、7歳で4ml服用する薬が48ml入ったビンだったので31歳の私なら7歳の子供の12回分ぐらい飲んでも平気だろうと思い一気に飲むことにした。

しかし、まだちょっと気になる。というのも、以前テレビで「小児用の飲み薬を大人が一気飲みするのは実は非常に良くないことだ。」なんてことを言っているのを見たことがあるからだ。

それで、大人が飲むと良くないよということがどこかに書いてあるかなと思って今度は”注意書き”のところを読んでみた。
注意
 1.本薬を服用したときは自動車の運転をしないで下さい。
 2.・・・・・・・・・・・以下略
やっぱりこれは大人が飲んでいるということだと確信して安心して一気のみした。
だって、7歳ではこの薬を服用しなくても車の運転なんてしてはいけないんだからねぇ。


<パソコンショップにて>
とあるパソコンショップでお客のオジサンとレジの若い店員とが言い合っていた。

オジサンはレジに”MS−OFFICE””MS−WORD””MS−EXCEL”の3本のソフトを持ち込んで「これだけくれ。」と言っており、店員は「MS−OFFICEだけで良いんじゃないですかと説明しているという状況だ。

なかなか親切な店員だ。だまって3本買わせればそれだけ売り上げが増えるのに、わざわざ1本でいいなんて教えているのだから。

しかしオジサンは一向にこの親切な店員の言うことを聞こうとしない。それどころか「いつも会社で使ってるから3つとも要るんだとのたまっている。

どうするのかなと思ってしばらく2人のやり取りを見ていたら、オジサンが店員の腕を掴んでレジの前に展示してあるパソコンのところまで引っ張っていった。

私はそっと後ろからついていってそのパソコンを覗いた。オジサンはさすがに会社で使っているだけあって、無言でWORDとEXCELを起動し、サイズを調整してデスクトップ上に並べてみせた。
私はオジサンが何をするのか、何を言うのか楽しみに待った。
客:「ほれ、これがWORD、で、こっちがEXCELだ。」
店:「そうですね。」
客:「いいか、で、これがOFFICEだ。」
店:「・・・・・・」
客:「俺はこの3つとも要るんだよOFFICEだけじゃどうしようもないだろ!
そのオジサンが「これがOFFICEだと言っているのはデスクトップの横に出ているOFFICEショートカットバーだった。

店員はあきれていたが、それでもまだこのオジサンに丁寧に説明していた。たいしたものである。
私が店員だったら間違いなくこの時点で「あっ、本当ですね。では3本で○○円でございます。」と丁寧な対応をしながら心の中で「バーカ」と言いながら舌を出しているに違いない。



おしまい。