雑記24:先生しっかりしてよ(1998.11.29)


これは私が中学の時の話である。

私の学校は全員何がしかの部活動に参加しなければならなかった。で、私は小学生のころからずっとやっていたので野球部に入部した。

生意気に私の学校の野球部は入部テストがあったのだが、幸い小学生のころから地元のリーグに所属していたので入部することができたのだ。当時入部テストを受けたのが100人近くいて、合格したのは17人だったと記憶している。

そんなわけで、野球部の子は須らくがっちりした体をしており見るからにスポーツバカという感じだった。そう、どう見ても運動以外能が無いように見えたのだ。もちろん私も例外ではなかった(過去形。今はその面影はどこって感じの中年太り気味(^^;)


そんな野球部のある土曜日の練習の時だった。土曜日は授業が半日で終わるので、みんな弁当を食べて午後1:30ごろから練習を開始する。その日はだった。

雨の日の練習というのは筋力トレーニングが主だ。筋力トレーニングといっても所詮中学校の野球部、トレーニングルームなどあるはずも無いので学校の廊下や階段を使ってのダッシュや階段上り下り、腕立て伏せ、腹筋運動、背筋運動、スクワット、壁にもたれて逆立ちしての腕立て(帽子のつばが床に付くまで腕を曲げてからもとに戻す。結構大変)などだ。

ところが、どういう訳かその日は普段は滅多に練習に顔を出さない顧問の先生がやってきて
「苦労して手に入れたビデオテープがあるから今日の練習は”ビデオ鑑賞”だ。」
と言い出し、我々野球部全員をAVルーム(なんてのがあったんです。もちろんオーディオ・ビジュアルのAV。)へと連れていったのだ。


AVルームに皆が集合すると先生はビデオのセッティングを始めた。
当時はビデオと言っても現在のような家庭用ビデオデッキなどは無く(あったかもしれないがよっぽどの金持ちしか所有できなかったハズ)、しかも田舎の一中学校ごときに最新式のビデオデッキなどあるはずも無かったので、かなり大型の業務用っぽいビデオデッキモニター画面(テレビではなくモニター)に接続することから始めなければならなかった。

先生は「一度やったことがあるから任せろ」と大見得を切ったのだが、20分ぐらいビデオデッキ&モニターの最強タッグと格闘した後にとうとうギブアップしてしまった。

しかし、せっかくどこかから入手したビデオテープが手元にあるのだ。これを自慢げに我々野球部の連中に見せたい気持ちはまだ十分に有る。

そこで先生は我々野球部連中だけが集まっている(野球部の練習だから当然だが)AVルームでこう叫んだ。
「この中にAVクラブの子、誰かいるか〜
???当然我々野球部連中は驚いた。だって野球部なんだからAVクラブの奴がいるわけ無いのである。そこで当時の中心選手だった私(キャプテンじゃないけど)が先生に向かって
「そんな奴いないよ〜。だって全員野球部なんだからさー。」
と言うと、先生はさらに追い討ちをかけるように一言
「なんだ、いないのか。大抵いつもは一人ぐらいはいるもんだけどな。でも全員野球部とは珍しいな。」


この先生の口癖が「的確に状況を判断しろっ今自分が置かれている状況をっだったことは有名な話しである。


それにしても”AVクラブ”なんていうのがあったなんて.....。
自分の子供に
「僕(わたし)、AVクラブに入ったの。」
なんて言われたら今の親はどう思うのだろうか
「お母さんにバレないようにお父さんにも廻しなさい。」
なんて反応したりして....。


おしまい。