雑記10:体を張った仕事人達(1998.09.30)


最近”たかちんの、「やっぱ名古屋だぎゃー!」””THE方言”のコーナーに投稿することにハマってしまっている。
その”たかちんの、「やっぱ名古屋だぎゃー!」””日記”
ししゃも=カペリン
銀ムツ=メロ
という書き込みがあった。どういうことと思った方は”たかちんの、「やっぱ名古屋だぎゃー!」”を覗くか、図書館へ行くかして欲しい。

さて、私は以前この手の話しを何かで読んだことがあるが、その時の記憶を紐解いてみると漁獲高の減少に対処すべく日夜新しい魚探しをしている人達がいるとのことだ。
それを読んだ時、私の頭の中には次のような光景が浮かんだ。


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そこは関係者以外立ち入り禁止とかかれた怪しげな研究所風の建物だった。真っ白い廊下が真っ直ぐ伸びている両側に点々と等間隔に設けられたドアが並んでいる。それぞれのドアには見たことも聞いたことも無いような名前が書かれたプレートが付いている。

その廊下の一番手前の一際大きな部屋に白衣を着た悲痛な面持ちの人々が集まっている。会議テーブルの上にはたくさんのグロテスクな魚とその刺し身が奇麗に並べてあり、それぞれ1つの魚につき1つの椅子と番号札が用意されている。どうやらそこに集う悲痛な面持ちの人々(被験者と呼ぼう)の人数とグロい魚との数は等しいようだ。

と、そこへ1人の責任者らしき人物が現れた。手にはなにやら大きな箱を持っている。彼は徐に箱をシェイクして中から紙片を取り出すと被験者一人一人に手渡し始めた。
「皆さん、それぞれの番号札の席について下さい。」
被験者達は無言で席についた。
「それでは試食を開始します。」
責任者らしき人物の声だけが沈痛な空気の中に響いた。被験者達はしばらくためらったものの、勇気を振り絞り無言で目の前のグロテスクな固まりを口に運んだ


次の日、再び同じ会議室に昨日の被験者達が集められた。そして例の責任者の指示で前日の番号札の席についた。
「4番、7番、8番、12番、15番、16番、25番はダメか....」
責任者は空席となっている番号を読み上げながら呟くように言った。そして同じことを次の日、その次の日と3日間続けた。
3日目に席についている被験者は2人だけだった。
「結局この2種類だけか、食べられるのは....じゃあ、第二段階へ進むか。」
そう、彼らは体を張って食べられる魚を探求していたのだ。
そして真っ白い廊下にあるドアのネームプレートに”カペリン””メロ”という2つの新たな名前が加わったのだった。

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新しい食品を開発するというのは体を張った命懸けの仕事のようだ。ちなみにとあるプリン開発部門での最終テストの状況を簡単に紹介しておこう。


そこは関係者以外立ち入り禁止の極秘部門のなかでも最も奥まった位置にある会議室だった。
そこには開発の最終段階に入った新製品のプリンが並べてある。そして例のごとくプリン1つに1脚の椅子が用意されている。
集められた被験者達天に祈るように順番に籤を引いて行く。

やがて全員が籤を引き終わり席についた。前の方に座っている被験者たちはにこやかに座っているが、中ほどから後ろにかけてはほとんど泣きそうな顔をしている
「さあ皆さん、試食を開始してくれたまえ」
責任者の合図とともに被験者達はプリンの上ブタを剥ぎ取る。そこにはこう書かれていた。
”製造より○○日経過
そう、これは賞味期限確認試験だったのだ。当然前の方の席から順に1日経過、2日経過、3日経過・・・・・・となっているのは言うまでもない


私は自分が食品開発関連の仕事に就いていなくてよかったと思うのであった。


P.S. 当然ですがこの話しは私の頭の中でだけノンフィクションですが、一般的にはフィクションです。