雑記09:海外旅行のこと<後編>(1998.09.26)
マナーの悪い○国人のおかげで十分な睡眠もとれず、明るくなってきたのでとりあえず起きることにした私だった。
しばらくして、朝食(?)の時間がやってきた。
奇麗なスチュワーデスが機内食の入ったワゴンを押してやってきた(そういえば今まで全然スチュワーデスを見かけなかったなぁ)。後ろの方から順に機内食を配っていて、ついに私の席までやってきたのだ。
「■×▲◎◇$#■×%▽○△?」
私に向かって何か言った。しかし
何を言ってるのか分からない。もちろん
英語じゃない。どうやら私を○国人と思っているらしい。
「What?」
私は聞き返した。すると
「■×▲◎◇$#■×%▽○△?」と同じ(かどうかも分からんけど)こと繰り返す。
しょうがないので、私が
「I'm Japanese」と言いながら
赤いパスポートを見せると
「◎◇$×%▽×▲!」
と、何か叫んで走り去ってしまった。いったいどういうことなのかさっぱり分からない。私のせいかどうか知らないが、
私の周りの馬鹿どももおあずけ状態だ。なんかちょっと良い気分。
それから待つこと数分、別のスチュワーデスがやってきた。そして周りの馬鹿どもと一言二言言葉を交わした後、なぜか分からないが
私にだけ機内食をくれないで、周りに配り始めたではないか
!さっきまでのちょっと良い気分が一気に吹き飛んだ。
わけがわからず辺りをキョロキョロ見回していると、やっと先ほどのスチュワーデスが戻ってきた。
で、またまた
訳の分からん言葉で私に問い掛ける。身振りなどから推測して、どうやら食事のメニューを選べと言っているようだ。そこで私は、
「I'm Japanese.So,I could't understand what you said.Would you say again in English?」(あってるのか?)
と
中学生英語を駆使して言った。そしたらそのスチュワーデス、
「▲◎◇%▽× or ×▲◎◇$×?」
私が
心の中で「なめとんのか〜われ〜っ!」と叫んだのは言うまでもない。
まあ、確かにその国独特の料理で、料理名がその国の言葉になってるのはしょうがない。しかし、
言葉が分からんと言ってるんだから、日本語でとまでは言わないが少なくとも
英語で簡単な説明ぐらいしてくれてもよさそうなものだ。
しょうがなく
「分からんから見せてくれ」というようなことを中学英語で伝えたら、な、な、なんとそのスチュワーデス、
隣近所で食べてる客のトレイを黙って掴み取り私の目の前に突きつけた。
「なんじゃこいつ?」と思ったが、腹も空いていたことだし、どうせ周りで食ってる奴等も
マナーなんて言葉知らないんだろうから良いかと思って、
「This one please.」と
”焼き肉定食”みたいな方を指した。ちなみにもう一つの方は
始めて見る食べ物で、強引に言うなら
”ワンタン定食”というところか。
私が言い終わるか終わらないかのうちにそのスチュワーデス、ワゴンの中(ほとんど何も無かったけど)をごそごそし始めた。そしてクルッとこっちに向き直って
ワンタン定食を差し出しながら、
「悪りぃ〜な兄ぃ〜ちゃん、もうこっちしか残ってねぇ〜よ」(というように感じた)
.....。私はしばらく固まった後に、
「だったら初めから聞くんじゃねぇ〜っ、このタコ〜っ!」
と、
心の中で叫んだのだった。
スチュワーデスの
悪態はこれだけではない。食後にコーヒーやらジュースやらワインやらを配り始めた時にそれは起こった。
私の隣に座っている夫婦の奥さんは
コーヒーを飲んでいた。私のすぐ隣の旦那の方は
オレンジジュース。で、私は
ワインを飲んでいた。
ちょうど私が1杯目を飲み終えて、
もう一杯欲しいなと思っているところにタイミングよくスチュワーデスがワインを持って通りかかった。
私はすかさず呼び止め、ワインをもう一杯頼もうと思ってグラスを持ち上げ、
「これをもう一杯」という感じでグラスをスチュワーデスの方にかざした。
するとそのスチュワーデス、おもむろに
私のかざしたグラスに持っていたワインを注ぎ始めたのだ。私はびっくりしたが、もっとびっくりした人がいた。それは隣に座ってジュース、コーヒーを飲んでいた夫婦である。いきなり
目の前にスチュワーデスの腕が延びてきたのだ。
そして
事件は起こった。奥さんの飲んでいた
コーヒーカップと、スチュワーデスの延ばした腕に握られていた
ワインボトルが接触したのだ。
当然、隣の奥さんのコーヒーはこぼれた。スカートの上に茶色い液体が溜まり湯気が立ち上っている。
これは一大事だ!下手したら
火傷するかもしれない。旦那は何かわめきながらあたふたしている。もちろん奥さんもオロオロしている。
さあ、スチュワーデスの姉ちゃんよ、腕の見せ所だ!
ところが、当のスチュワーデスはなぜか
落ち着き払っている。
「さすがプロ、こんな状況の対処は心得てるんだな」と
初めて感心したのも束の間、なんとそのスチュワーデス、エプロンのポケットから大きなティッシュのような紙ナプキンを数枚取り出して、一言二言その奥さんに声をかけながら
投げつけるようにそれを渡した
だけだったのだ。
ロスに着いた後、私が
方々手を回して帰りの航空会社を変えようとしたのは言うまでもない。
が、変えられなかった.....。
ちなみに私の妹も似たような体験をしている。どこの航空会社だったかは
言うまでもない。
P.S.
○×航空の名誉のために言っておくが、その後の追跡調査で、私と妹の体験はレアケースであることが判明。
よって、これを読んだあなたでも安心してご利用いただけます。
ちなみに私の父は二人の子供がこんな体験をしたにもかかわらず果敢に○×航空を利用(しかも複数回)して、特に他の航空会社と変わりないことを身をもって証明している。