雑記03:CATVの不思議(1998.09.07)


これは、私がある田舎町に仕事の都合で行っていた時のことである。

その時に住んでいた家にはテレビアンテナが無かった。というのもこの街はテレビの入りが非常に悪く、テレビアンテナが有った時期(初めはあったんです)のテレビの見方は、”見たい番組を見る”のではなく”見える番組を見る”というものだった。

したがって、某朝○系のニュー○ステー○ョンが始まると(夜の10時ごろは朝○系が映る)

「早い時間にスポーツコーナーやってくれ〜っ!」(10:40ぐらいから映りが悪くなることが多かった)

と心の中で叫んだものだ。

で、そんなTVライフに嫌気が差して(って、そんな大袈裟な)ケーブルテレビ=CATVにしたのだ。
いや〜、さすが有線。奇麗に映るものである。そういえば、大阪に住んでいたころ、近くに阪神高速道路が延伸してきた影響でテレビの映りが悪くなった時も有線の威力を体感している。
この時の阪神高速道路公団の対応はすばらしいもので、何も言わないのに勝手にケーブルTVにしてくれた。もちろんロハである。

話を元に戻そう。CATVにしてからは、もうニュー○ステー○ョンのスポーツコーナーの時間を気にする必要が無いという、とても贅沢なTVライフを満喫していた。
それだけではない。ちょいとチャンネルを変えれば、日○レ系だろうとフ○゛系だろうと好きなチャンネルを選択できるのだ。

「そんなん、あたりまえじゃん」と思っているそこの君、日本では結構な割合でなんらかの制限を受けつつTVライフを送っている人々が居るんだよ。
”笑って○○とも!””○゛ームイン朝”が同じチャンネルってとこもあるんだから(本当か?)。

また脱線した。さて、そのCATVだが、料金は月々800円である。
一日当たりに換算すると26.7円、1時間当たりでは1.1円である(注:30日/月で計算)。
1時間に1円ちょっとで幸せなTVライフを手に入れることができるのである。結構リーズナブルだ。
しかも、あと数円/1時間追加すれば映画やスポーツや○ッチな番組がいつでも見られるようになるのである。

でも、私はこの数円/1時間のエキストラは払わないことにした。だって、既に幸せなTVライフをゲットして満足していたのだから。

しかし、人間の欲というのは恐ろしいものである。もちろん私も人間だ。例外ではない。だんだん映画やスポーツや○ッチな番組が見られないなんて、なんという不幸な境遇なのであろうと思うようになってきたのである。

「なんとかなんないかなぁ」とテレビを見るたびに思うようになった(金払えばいいじゃん!)。
居るわけ無いと思いつつも”神様、お願いっ”と人知れず祈る毎日が続いた。

そうこうして、一月ほど経った時だった。いや〜居る所には居るものである。神様。私はそれまで神様なんかいるわけ無いと思っていた(って、さっきも書いたけど)。
だって、もし神様が居るなら”なんであんなに良い人があんなことに...”ということなど起こることは無いだろうし、その逆の”なんであんな奴が...”なんてことも無いはずだから。

でも居たのだ。そして、哀れな私に天の声をお聞かせ下さったのだ。
では、私が受けた神様からの啓示のお話をしよう。


私はある日、ひょんなきっかけ(”ひょん”てなんだろう?)で同じCATVに加入していて、しかも数円/1時間のスペシャルエキストラを払って幸せの絶頂にあるお宅のテレビを拝見することとなった。
しばらく幸せなTVライフを疑似体験させてもらっている途中、何気にテレビの横にあるガラス戸棚に目をやった。

するとそこには黒い箱があった。液晶表示部分には2桁の数字が表示されており、なにやらカラフルなLEDがピコピコ動いている。
”何だろう”と思って聞いてみた。

「ビデオ」

と一言返ってきた。

”ビデオ?ビデオデッキのことか?そんなことはいだろう。だいたい、どこからビデオテープをいれるんだよ。いいかげんなこと言うんじゃねぇ。”

と、普段の私なら確実に心の中で反論している。場合によっては口に出す
ところが、ここで天の声があったのだ。(←ここんとこが、神の啓示を受けたってやつね)

『ビデオなら持ってるじゃない。帰ったら繋げてみれば?』

早速行動である。家に帰った私は”CATV→ビデオデッキ→テレビ”という配線工事(って程じゃないけど)に取り掛かった。
懸命な読者なら、「ビデオデッキ持ってるなら元々”アンテナ→ビデオデッキ→テレビ”になってるんじゃないの?」と思われただろう。
私もこの街に来るまではそうしていたのだが、CATV導入前の電波の入りが悪かった時期に、テレビの方がビデオデッキより数年分(十年近い)新しかったため、

「新しい方がチューナーが良いかもしれんなぁ」

と思って”アンテナ→テレビ→ビデオ”と繋いでいたのだ。

世紀の配線プロジェクトは”あっ”という間に終わり、ビデオの電源、テレビの電源と入れてビデオデッキのチューナーを通してCATVを映してみた。
するとどうだろう!リモコンのチャンネルボタン(15個ある)に割り当てられない程いろんなチャンネルが映るではないか!う〜ん、幸せって感じである。
800円/月のノーマル契約なのに、スーパーウルトラスペシャルエキストラを払っているかのように全チャンネルが映るのだ。
不思議なこともあるものだ。


ここでちょっと注意しておこう。”どこの街ですか?”とか”どこのCATVですか?”とか”ビデオデッキのメーカーと型番は?”などという質問はしないように。
これは”神の啓示”を受けた人のみの恩恵なのである(ホントはCATV会社に対策を取られたくないだけ)。


しかし、どうしてボロビデオデッキでCATVの”貧乏人遮断フィルタ”を通過できるのだろう?
デジタル処理とかなんとかかんとかが関係してて、古いビデオじゃ最近の”デジタル語”なんてわかんないだろうから

「お金の払えない貧乏なあなたはここを通っちゃいけません(written by デジタル語)」

って立て札してあっても読めないんだろうなぁ。
ってなことあるのかな?ないだろうなぁ。デジタル語のわかる奴なんてそんなに居ないだろうし.....マクロビジョン方式とか.....関係ないか。あっ、独り言です。


は〜ぁあ。謎は深まるばかりだなぁ。