任天堂 2004/09/16
GBA版ポケモン本編の最終作。2年近く前に発売された「ルビー・サファイア」の拡張版。
両者で表裏一体になっていたストーリーがリミックスされた他、多数の追加変更点がある。
とはいえ基本部分は変わらないので、レビューでは「ルビー・サファイア」のレビューと重なる部分は省略する。
大まかな解説としては、「ファイアレッド・リーフグリーンで追加された要素を取り入れたルビー・サファイア」。
ボックス周りの操作や通信関連などが大幅に強化された。
(例によって通信関係の詳細は別ページで述べる)
その他にも、プレイヤーに有利な追加システムが多数追加された。
例えば特性によってタマゴが孵りやすくなったり、アイテムを持ったポケモンが出現しやすくなる等。
…このように「プレイヤーを有利にする」という仕掛けはさじ加減が非常に難しい。
極端な話、ポケモンもステータスもアイテムも自由にエディットできるような機能を付ければ、
それは(現行のポケモンシリーズと比べ)プレイヤーにとってこの上なく有利なものとなるが、
ゲームとして面白いかどうかと問われるとかなり疑問。
エメラルドは絶妙なさじ加減で、しかも雰囲気を損ねることなく良好なバランスを実現していると思う。
最も目を引く追加要素は、何と言っても「バトルフロンティア」。
ルビー・サファイアのバトルタワーを中心に、7つの施設からなるバトルの最前線。
異なるルールに最適化されたポケモンを試行錯誤しながら育てて、
さらに実際に目標まで勝ち抜くまでの難易度は非常に高い。
実際に完全にクリア(ゲーム側で設定された目標を全達成)した人はどれくらいいるのだろうか
勝てないうちは運の要素が強く感じさせられるが、慣れてくると決してそうでは無いことがわかる。
演出面では、全てのポケモンが戦闘時などにアニメーションするようになった。
ただしドットのパターンはGBC版「クリスタル」より少なく、それを変形で誤魔化しているという印象。
いざとなればコンフィグで切ることもできるので、好き嫌いを問わずあまり気にならない要素となるのだが。
ストーリーを一新したために、マグマ団とアクア団が共に単なる悪役になってしまい、
シナリオの質は若干下がったような気がしなくもない。
また、通信無しだとほぼホウエン地方のポケモンしか手に入らないにも関わらず、
通信前提の全国図鑑が解禁され、結果として空白だらけになってしまうのも美しくないと言えば美しくない。
単品で完成されたルビー・サファイアと比べると、通信プレイの拠点としての特化したバージョン。
システム面では間違いなくポケモンシリーズの一つの完成系。DS版と比較しても全く見劣りしない。
GBAを持っているのならやらないと損だと思う。
最終更新日:2010/10/20
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