良福寺 (印場元町北山) MENU

舟形高43cm 三面八臂 坐像 持物(輪宝・鉞斧)

 

    立派な祠
印場駅の北,良福寺の北東の高台に,木立に囲まれるようにして立派な木の祠があります。わきには「馬頭観音」と書かれた幟(のぼり)も掲げられ,これまで紹介してきた他の馬頭観音が,どちらかといえばひっそりと佇むようにしていたのとは対照的です。

基壇には「大正九年七月 浅見逸太郎 塚本梅吉 小嶋昌太郎 矢木信太郎 浅見豊男 塚本浅七」と刻まれています。大正九年は1920年。地域の人々が共同でたてたものなのでしょう。場所柄,やはり馬稼ぎに関わりのある人達なのでしょうか。ずっと祠に入っていたせいか風化もなく,この馬頭観音は,ひときわ凛々しい顔立ちを今に伝えています。また,宝冠の馬頭は朱色に彩色されています。

    区画整理で移動
この馬頭観音は,もとは渋川神社の東,印場元町北島で昔の瀬戸街道に面していたものですが,区画整理のために今の場所に移転しました。渋川神社の境内には,かつてはきれいな水が涌き出る井戸があり,馬稼ぎの人々が馬に水を飲ませ,休息する場所になっていたそうです。

下の地図でが現在ある良福寺,が以前にあった場所を示しています。今回の取材は「どうせ以前の場所の近くにあるだろう」とたかをくくって出かけたため,当然見つかりません。しかし,北島地内では通りがかりのお年寄が,良福寺でも掃除中の女性が手を休めて,それぞれ親切に教えてくださったおかげで,無事に取材できました。お二人に感謝!