剱岳 立山 縦走記 2日目 剱岳
8月12日 2日目の行程は、剱岳往復。
そう、今回の山行は縦走といっても実際は同じ所に2泊する、いわゆるベースキャンプ式。
厳密には本来の意味の縦走とはやや違う気もする。
しかし、山頂ピストンだけなら、荷物は思いっきりデポできるので、
私はデイパックのみ、長男は荷物なしまで削減できる。
これは大きい!


朝焼けの剱
キャンプ場の朝は早い。
みんな暗い内から活動していた。
そりゃ、山は早い時間の方が何かといいからね。
私たちは余裕の行程でゆっくりめに行動開始。
8時頃、ようやく出発!
めずらしく、記念撮影。


8時40分、一服剱
ここまでくると、視界が開けて
黒部川下流方向が遠望できる。
9時30分、前剱
ザレた岩稜をひたすら登る。
この辺までは普通。
しかし、ここからは・・・


写真奥の方へ進みます。
こういった、写真で見ると怖そうな所、続出!
もちろん、落ちたら命はありません。
足場板1枚の所を渡ったり、
切れ落ちた崖の上を歩いたり・・・
雨や強風だったらマジ怖いと思う。
でも、考えてみればここに限った話ではなく、
どこの山でも稜線上は似たようなものだよね。
みんなが気を付けるような所では
比較的事故は起きにくいのでは?
事故はなんでもない所で起きることが多い。
これが「カニのタテバイ」
岩に打ち込まれた鎖とボルトを
頼りに登るわけです、はい。
しかし、ハシゴなら楽そうだけど、
何でハシゴかけてくれないんだろ?
   

11時ちょうど、登頂!
百名山9つめ!!
白馬、槍など、北アの山はみんな見えた。
この社は先月
新築されたばかりだそうです。
標高2999mってことは、
頭は3000mか?
15分ほど景色を堪能して下山開始
   

で、これが「カニのヨコバイ」
確かにはじめの一歩がよく見えないが、
はっきり言って、この程度の怖さの所は、
この山にはいっぱいあるので、
もう慣れちゃった(?)
小柄な人はリーチがないのでやや大変かも。

1時半に剣山荘に到着、ここからテント場までは30分ほど。
生ビールとジュースで乾杯!!
剣山荘は新築で綺麗、昼ご飯も出してくれる。
すぐテントに戻っても暇だし、時間調整もかねて
テレビでオリンピック観戦しつつ、漫画等を読んで時間をつぶした。

剱岳自体は、噂に違わぬ、征服感のある山だった。
難易度自体は、風もなく、晴れてさえいれば、
ある程度の山経験のある人なら問題ないと思う。
一つ一つ、難所を越えていくのも、また、快感。
考えてみれば、失礼ながら中高年の方でも、普通に登頂できるのだから
登山の経験もそれなりに積んできて、もはや体格的にも
一般の女性とそれほど変わらない長男が登れない訳がない。

それにしても、ムカついたのがどこかのツアーのガイド。
ヨコバイ手前で渋滞となり、待ちが結構あったのだが、
4人ほど連れて登山道であるタテバイからの下山に回ったのである。
登山者がいないかチェックはしていたようだが、現実には下で待たされた人がいた。
その後、再び渋滞となり、順番を待っていたら、再びそのガイドが
4人を連れたまま無理矢理横から列を追い越し、狭い場所に分け入ってきた。
そこで我慢できなくなり、「下で待ってろ、無理にくるな」という旨を話したら
逆ギレして、「ここはテラスだ」「感情的になるな」と言い張る始末。
どっちか感情的だったかは渋滞待ちの人たちには一目瞭然だったと思うが。
あんな1畳くらいのスペースを「テラス」?
クライミング中ならともかく、一般の登山道で、列に割り込んで言う科白かね?
専門用語を並べ立てれば納得するとでも思ってるのか?
ここでコイツとこれ以上話しても、有益なことは何一つないと思い、黙って聞いていた。
列に並んでいた人連合vsツアーガイドの口論になりかけたところ、
周りの人たちの大人ぶりにはとても救われた。
「もうすぐ広場だからそこで話そう」
「山は楽しく」「ハイホ!」
そして列は動きだし、私は広場で待つことはせず、さっさと先へ進んだ。
確かに、前のパーティーは、鎖にいちいちハーネスを付けて安全をとっていたので
ものすごく遅かった。それはそうだけど、だからといって、
どんなに技術があるからといって登山道から登山者を待たせて下山するとは!
4人もロープに繋いで、わずかでも正規コースを外れて追い越しをかけるとは・・・
あまつさえ、他の登山者と口論なんてもっての外!
あきれて物が言えないツアーガイドだ。
ガイドとしてというか、人として軽蔑に値する。
僅かな時間さえ待つことができないとは、なんという余裕のなさ。
山は譲り合いの場所ではないのか?
ガイドされた人たちがかわいそうだ。
山ではリーダーの決定は絶対である。従うしかない。
そんなに遅いのが我慢ならないなら、全く違うコースから下山すればいい。
非常にがっかりした出来事だった。

3日目につづく

                      2008年8月28日作成



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