デンマークへ行くには一番便利なスカンジナビア航空は、この日満席。同行のKさんは辛そうだったが、私は仕事柄か11時間座っていることもさして苦痛ではない。持っていった本が面白かったせいもあって、目の前の液晶画面に映るシベリアの大地など見ているうちに、初めての北欧に着いた。 空港からコペンハーゲン中央駅へは電車で10分少々。ホームを間違えたりもしたが、普通にカウンターで切符を買い無事たどり着く。実は翌日からこの切符に悩まされるのだが、それはこちら『デンマークの歩き方・乗物編』をご覧あれ。Farumまでの電車はさほどわかりにくくはない。問題は駅にタクシーが居るかどうか。ホテルまで歩ける距離とは言いながら、大荷物を抱えての夜道(6時前だったが、東京よりも早く日は暮れる)は心許なく、贅沢とは思いつつタクシーに乗ることにした。 そんなところまで行ったことがないのか、運転手のおにーさんはしきりとカーナビを操作する。一応ホテルの地図を見せてもわかっているのかいないのか。高速のインターを降りてただの住宅街のような所を走っていく。こんな場所に競技場があるのか?と不安になり、メーターが286kr.(日本円で5千円ちょっと)を示す頃、一見するとスポーツセンターの受付にしか見えないレセプションの前に、車は着いた。 フロントで「このホテルに行きたいのだけど」と聞き「ここよ」と返される、という大ボケをかましたあと、ひとまず部屋へ入った。よく見るとモダンなデザインは私の好み。そう、デンマークはデザイン王国なのだ。競技場と一体になったこのホテルは、スポーツコンプレックスの中心になっている。散歩に出てみると、すでに冬の装をした木々に囲まれあたりはシンと静まりかえっていたが、温水プールには水泳を楽しむ人々が見られる。この施設を川口選手も使っているんだなと、ちょっと嬉しくなった。 飛行機を降りる間際に軽食が出たので、それほど空腹ではない。他に選択肢もないため、ホテルのカフェで簡単なものを食べて夕食とした。あまり従業員がが多くないため、フロントの人が行ったり来たりしながら応対をしてくれる。この店にはこの後コペンハーゲンにホテルを移してからも、幾度かお世話になった。 部屋に戻ってパソコンの接続に取りかかったが、これが繋がらない。設定を変えてもモデムが電話をかける音自体が聞こえないのだ。この日のために買い換えたというのに─。幸いテレビにインターネットの機能が付いていることを発見し、唯一覚えている自分のサイトのアドレスを入れそこからリンクでいろいろ見てみたが、いかんせん日本語が読めない。字が読めるノアシェランのオフィシャルは、意味がわからないし。仕方なく掲示板へのローマ字の書き込みでお茶を濁した。 いつもそうだが、サッカーの現場に出かけるとかえって情報不足に陥る。なにより、一番情報の早い川口選手本人のオフィシャルサイトを読めないのが辛い。一体彼がゴールマウスに立っている姿を見られるのかどうかわからないまま、デンマーク第1日目は更けていった。 |
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