2.カナディアン4人乗り

10時過ぎに、カヌーのレンタルを予約していたシマムタ共遊国に赴き、カナディアンを一艇借りる。国王の平塚さんは、野田知佑さんの本にもたびたび登場される方だ。

「少しでも長いツーリングを」と、少々上気した私であったが、「小さいお子さんがいますから、無理なさらない方がいいですよ」と、冷静に5キロのコースを薦められた。実際、下の子はこれが限度だった。また、「上の子が1人艇に乗りたがっている」と申し出ると、「子供用カヌーは(世の中に)存在しません」ときっぱり。プロの言葉は重い。


シマムタ共遊国にて(リンクを参照下さい)

スタート地点まで、平塚さんの車で移動し、いよいよ川へ。妻と私が交代で、カナディアンのパドリングについて手ほどきを受けた後、いよいよ家族4人でカヌーに乗り込む。いざ出発だ!

私にとっても、カナディアンは初めて。いつものファルトボートと比べると、目の位置がずいぶん高い。その分重心も高くなっており、バランスが思いの外とりづらい。幅の広いカナディアンが沈することなど絶対ないと思っていたので、「ちょっと、やばいよ!」との思いが胸を駆ける。妻がストロークするとカヌーは揺れ、おまけに2人の子供は左右にごそごそ動く。一気に不安が高まる。

カナディアンを2人で漕ぐとき、真っ直ぐ前に進むには、前後2人が左右それぞれをフォアストローク。曲がる場合には、一方がフォアで一方がリバースストロークをしなければならない。後方の者が前方に指示を出すということだが、なかなか体が覚えてくれず、的確な指示が出せない。「フォア、フォア、リバースじゃないフォア!」といった具合。たびたび、意図しない方向へ舳先が向いてしまい、「父さんしっかりして!」と、罵声も混じる。

スタートして間もなく、進んできた流れは、本流と合流し、瀬が現れる。普段なら、この程度は瀬と認識することもないだろうが、初めてのカナディアン、初めての家族カヌーという重圧がのしかかる。前方の妻から、「えぇー。こんなとこ行くの!?」と恐怖にこわばった声があがる。

子供たちには、絶対動かないように言い聞かせ、意を決して流れに突入。すいすいと、本の数秒でクリア。終わってみればあっけなかったが、正直なところ、私もびびってました。

直後から、長い瀞場が続く。左右に広大なバラス(小石が積もった河原)が拡がる。ここからは、のんびり休み休み、遊びながら進む。子供2人にパドルを握らせ、父子でその辺をぐるぐる回ったりした。その際私は、特別に用意していただいたダブルパドルで漕ぎまくる。

 

昼食後、今日のゴール、口屋内沈下橋手前の瀬に挑む。最初の瀬よりも流れが速く波も高い。だが、ここにたどり着くまでに、「なんだかこつがつかめたような気がする」という妻は、既に頼もしい存在であり、さしたる恐怖を感じることもなく、無事通過。

そのまま、沈下橋のたもとに漕ぎ寄せた。興奮さめやらぬ父と娘は、たまらず川に身体を浸す。快晴の5月の陽気の下、まだ冷たい水の刺激が何とも気持ちよい。


思わず泳いじゃいました!

 


春を満喫! 四万十川


雨のち晴れ 四万十川2006

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