四万十川 2000.5.5〜5.7
1.カヌー前夜 口屋内でキャンプ
決して罪滅ぼしではありません。家族でいっしょにカヌーをすることが、永年の念願でした。そうです、これまでのカヌーツーリングの数々は、全てこの日のための予行演習だったのです。妻よ子よ、さあいっしょに漕ぎ出そう!
そぉれぇー、出発だぁ!
念願の家族カヌー。選んだフィールドはカヌーイストのメッカ、みんなで安心して川下りのできる四万十川。私にとって四万十川は2度目であり、十分家族をリードできるはず。
だが、父の威信はいきなり揺らいだ。快晴のゴールデンウィークということもあって、道路は車であふれ、なかなか目的地に着かない。「競りをやってるはず」と立ち寄った須崎の魚市場には誰一人いない。それもそのはず、時刻は既に正午。
途中佐田の沈下橋に立ち寄ったりもしたが、本日のキャンプ地である口屋内沈下橋にたどり着いたのは、予定より4時間遅れの夕方5時。もうみんなへとへとである。
佐田の沈下橋より上流を臨むいつもの家族旅行なら、「あー、疲れたぁ」といって、畳の部屋に大の字になって転がるのだが、河原でそんなこと出来るはずがない。黙々と、いすを出し、テーブルを出し、テント張にかかる。その傍ら、妻は、野菜をきざんだりお皿を用意したりで、たちまちバーベキューの支度が整う。
上の娘はもう小2で、こんな時しっかり手伝ってくれて、実際役に立つ。子供の成長にとうさん大感激。
川下から強い風が吹き上げてくるので、テントがとばされないように、幾重にもロープを張り巡らし補強。みんなに自慢したくなるような仕上がりとなった。
楽しいバーベキューで、お腹を満たしたあと、テントの中少し遊んだりもしたが、移動の疲れもあり、みんなすぐにバタンキュー。
辺りも寝静まった夜更けに、一人テントから抜け出し空を見あげると、うっすらと天の川が見える。再びテントに横たわり目を閉じれば、「ホーホーッ」と、かすかに梟の声がきこえる。子供達に見せてやりたい、聞かせてやりたいと思うが、こんな時間に起こされては、やはり迷惑だろう。
辺りが明るくなり、活発に歌う鳥たちに促され目を覚ます。午前五時だ。今朝は予想以上に冷えた。すぐにコーヒーを入れ、体を温める。
沈下橋に立ち、左右に張り巡らされたテントを数えてびっくり。何と47張りもある。水場、トイレがあるとはいえ、ただの河原によくぞこんなに集まったものだ。カヌーイストだけでなく、バイクの旅人も大勢いた。ちなみに、翌朝はテント数も激減してはいたが、それでも17張りはやっぱり凄い。