四万十川 2003.3.21〜23
3.2日目 雨の朝
翌朝、6時のサイレンの音で目を覚ます。今朝は雨だ。テントを打つ雨音がなんとも重苦しい。傘を手にテントから這い出し、沈下橋を渡る。バス停脇の売店で朝ごはんを買う。巻き寿司とふかし饅頭、おいしそうだったので買い過ぎてしまった。川原に戻り、沈下橋の下で食事を取る。しばらくして、桂とコタカハさんが目を覚ましてきた。「昼前には止むそうだから、それから出発しよう」と、のんびりモード。服がだんだん湿ってきて、冷たい風が身にしみてきた。たまりかねた私は、二人と入れ替わるように、ふたたびテントに戻り寝直しをした。
目を覚ますと11時。雨は依然降り続いており、止みそうにない。これ以上待つとあとが苦しくなる。あれこれ思案した挙句、「出発の準備をしよう。上陸するときは、きっと晴れているから荷物は乾かせる」と、二人に声をかけた。雨中のテント撤収が始まった。荷物が片付き出発の最終準備をしていると、空がにわかに明るくなり雨が小さくなっってきた。「陽が差してきましたよ!」コタカハさんの声が弾む。時刻は1時半。さあ出発だ!
4.いよいよ出発 口屋内 → 深木
口屋内の沈下橋をくぐり、平塚さんのやっているシマムタ共遊国の下を過ぎる。今日は追い風だ。滑るようにカヌーが進む。先ほどまでの雨がうそのように、青空が広がりとても爽やかだ。川の透明度も昨日より上がっている。「最高だね!」誰からとなく声があがる。
鵜の江を過ぎると景色が開け、前を見ても振り返っても、見事な景色が続く。遊覧船が上がってきた。「こんにちは!」手を振りながら挨拶を交わす。次の船、中で写真をとっていた女性が我々に気づき夢中になって手を振っている。何だかスターにでもなった気がして、ニヤニヤしながら手を振り返した。晴れ渡る青空の下、川が輝き美しさを増した。
川登大橋に差し掛かる。前回はここでツーリングを終了したので、ここから先は全く初めて。流れはこれまで以上に緩やかになった感じだが、追い風が続いており、カヌーは順調に流れる。間もなく現れた瀬で桂が立ち往生する。エディに取り込まれてしまったのだ。相変わらずFRP艇の操縦に苦労している。
深木の沈下橋を過ぎたところで、左手に広がるバラスに上陸。今日はここでキャンプだ。時刻は4時半、大急ぎで濡れた荷物を広げ乾かす。夕日は山の端に近づいてきた。
5.いよいよ最終日 中村へ
いよ いよ最終日、今日は朝から晴れだ。8時半に出発。私が朝寝坊したため、出発が予定時間より30分遅れていた。遅れを取り戻すべく一生懸命漕いだ。すぐに佐田の沈下橋を通過。長い直線を漕ぎぬけ右に曲がると、中村大橋が視界に入った。「何だ、もうすぐやん。こんなに一生懸命漕ぐんじゃなかった」と桂が不満を口にする。「まあ、よいではないか。あと少し、四万十川を満喫しよう」と笑い飛ばした。
10時に上陸。上陸地点には平塚さんに迎えに来てもらい、中村駅まで運んでいただいた。平塚さん、本当にありがとうございました。