スキーヤーズサミットもいよいよ後半。デモのレッスンです。パーティーもあって、運が良ければ板がもらえます。どれがいいかな??

3月23日(火)

 今日からいよいよデモンストレーターによるレッスンです。半日単位で4人のデモが交代で教えてくれます。まず最初は。元スロベニアのナショナルチーム所属で、現在は安比高原で活動しているとのこと。外人さんだったので、コミュニケーションがうまくいくのか心配でしたが、日本語がとても上手だったので安心しました。

 レッスンの内容はカービング、しかもエクストリームをやってみようということで、ほとんどノーストックで行いました。最初はひざを倒し込む練習。両手でひざの内側を持って(ひざの間に拳が入るようにして、ひざとひざの間に拳2個分の隙間を作るようにする)、手で思い切りひざを内側に倒しながらターンします。ひざの間に拳を入れるのはそうすることによってちょうど良いスタンスの幅ができるのと、ひざの倒す角度が左右同じにできるから。ただあまりひざを急に倒しすぎるとスキーがずれるので気をつけました。

 それから2人一組で、もう1人の人に引っ張ってもらってターンしてみて、遠心力を感じる練習をしました。結構力が釣り合わないとうまくいかないので難しいです。

 後半はいよいよエクストリームの練習です。注意することは、手をつくときは後ろではなく前につくこと。そうなると外足は加重するというよりは外に投げ出すような感じになって、内足に主に加重するようになります。本来だと両手にグラインダーを使って滑ると簡単だし安全ということでしたが、残念ながら無いので普通にやりました。

 この時間はELANのステルスという板(183センチ)を履きました。エクストリームというと150センチとか短い板を連想しますが、普通の長さの板でもやればできそうです。やはりそれだけカービングスキーの技術が進歩しているのだなと思いました。

 ではインプレッションです。

ELAN STEARTH

 普通カービングスキーというのはノーマルスキーのトップとテールを広くしたようになっていますが、このスキーは逆で、トップとテールはノーマルスキー並で、センターが非常に細いです(正確な数値は忘れましたが確か40ミリ台)。このままではビンディングが装着できないので、写真ではわからないと思いますが、上の方が広くなっているゴム製プレートがついています。幅に対する高さの比が普通のスキーに比べて高いので、ひざを倒しやすいのがこのスキーの最大のメリットです。逆にいうと弱点もそこにあって、やはり細いせいかスピードを出すとスキーが不安定になりました。意外なのは細いので小回り向きかなと思ったら逆で、大回りの方がしやすかったです。

 午後は若月新一デモのレッスン。VOLKLの板(P40 PRUTINUM)は最初の日に借りてあまり良くなかったので、他の板(VECTORIS)にしました。その板を使ってカービングのレッスンになりましたが、角付けをしても荷重(特に外足)が少ないとスキーがずれてしまいがちとのことでした。カービングの場合どうしても内足の緊張を意識しすぎてしまいがちですが、外足の足首の曲げと荷重を忘れないようにしました。

 それから「カービングスキーでずらすにはどうしたらいいか」と言う話もしてくれました。簡単にいうとターン後半で外向傾を強く保っていればスキーはずれていってくれるとのことです。こういうスキーだとあまりずれないと思いがちで(実際そういうものもあるでしょうが)、わざと押し出してしまったりしがちで、かえってエッジが引っかかったりしますが、意外と単純なことなんだなと思いました。

 前半はパラダイスリフト脇の緩斜面で練習して、後半はチャレンジコースへ行きました。ここは国際技術選の1種目目に行われた整地・フリーで使われた斜面ですが、初めて自分で滑ってみるとすごい急斜面でした。おまけに雪が重くなっていて所々にたまっていたりしたので結構難しかったです。

パラダイスリフトからのいい眺め

 最後はユートピアリフト脇を小回りで滑ってレッスン終了。ここはフラットな中急斜面で、とばすと結構気持ちがよいですが、やはり雪が所々にたまっていたので大変だったです。

 最後にスキーのインプレッションを。(写真は撮り忘れてしまいました。ゴメンナサイ)

VOLKL VECTORIS

 初日にP40を試乗したときは「何じゃこりゃ??」と言う感じのVOLKLでしたが、このスキーは中級者向けにできているようで、柔らかくて乗りやすいです。スピードを出すと多少ばたばたしますがトップがかなり広いせいもあってそれほど気にならないですね。前編にも書きましたが、今回試乗したVOLKLの板は全体的にエッジが鋭すぎみたいなのであまり細かいことはわかりませんがこのスキーを試乗した限りでは初日に乗ったP40も含めて板自体の性能はかなり高いと思います。

運命の一瞬

 夜は6時30分からパーティーです。パーティ会場では各メーカーが板やブーツを展示してありました。面白いなと思ったのはRISSIGNIOLのRS。長さはなんと160センチ。子供用かと思いました。でもとりあえずは食べ物。真ん中のテーブルにありましたがちょっとで遅れたら全部無くなってしまいました。とりあえず次の食べ物が来るのを待ちながら、板を見たり、近くにいたリッチー・ベルガー選手の話(今回同じ部屋だった人が話していた)を聞いていました。と言ってもわかったのは「FLEX」という1単語だけ。よくわからんのであとで何を話していた聞いてみると、HEADの板でいいのはどれか聞いていたらしい。

 最後にいよいよ抽選会です。各メーカから1台づつ板をプレゼントしてくれるとのこと。今回ゼッケンの代わりにリフト券ホルダーに自分の名前と「何班(AからOまで)の何番(1から8まで)」と書かれたカードが配布されています。ちなみに私はCの7番。3番目にHEADの板の抽選がありましたが、チャンスはそのときに訪れました。まず最初に「」とコールされました。「おお、これはもしかして」と思って次のコールを固唾をのんで見守ると「」とのこと。何で1番違いなんだよおおおおお!!!と思いましたがそんなこといっても仕方ありません。でもそのあと7番がたくさん出ていただけに残念。いいなあ。当たった人は。


3月24日(水)
 今日はいよいよ最終日。午前中は楽しみにしていた渡辺一樹デモのレッスンです。他のデモのレッスンはカービングについてでしたが、今回だけスキッディングでした。

 まず最初にポジションのチェック。高いポジションから徐々にクロウチングぐらいの低さまで低くしてポジションのチェック。ここで注意する事はお尻が落ちているからと行って必ずしも後傾であるとは限らないこと。クロウチングの状態は特にそうですが、ポジションが低くなればなるほどお尻を落とさないとポジションを低くできませんが、スキーの真ん中に乗れる状態であれば後傾とは言わないんですね。

 次に1本滑ってバランスをチェック。この時指摘されたのがすねでブーツのタンをおそうとしすぎないこと。カービングの場合は別ですが、普通に滑る場合はそれほど足首の曲げは必要ないです。あまり曲げすぎるけ体重のほとんどがタンにかかるようだと体重がつま先よりになりすぎてスムーズなターンコントロールができないからだという説明でした。

 足首の状態を確認したら、脚部をどうやって使うかの確認です。スキーをずらしてターン弧をコントロールする場合、いわゆる「ひねり」の動きが必要となります。これはスキーのトップを雪面に食い込ませながら体に対して前方向にスキーを回そうとする動きです(うまく説明できないが、この絵のような感じ)。これに対してカービングの場合はスキーを体に対して横に持っていこうとします。これをハの字の状態で、ただスキーを押し出して曲がってみて、そのあとひねりながら押し出して曲がってみて確認しました。やってみるとわかりますが、やはりスキーをひねりながら曲がった方が深いターン弧が描けます。

 次に今度はパラレルの大回りで、ターンの中で足の裏をつま先からかかとまでを使う練習です。まずつま先立ちでテールを振る感じで回ってみます。次に切り替えからターン前半はつま先の方、それから徐々にターン後半はかかとの方に乗る感じで曲がってみるという感じで足裏の感覚をつかみました。

 それから小回り。まず緩斜面でやってみて、急斜面に行きました。急斜面でスピードをコントロールするにはスキーを回し込むことが必要です。それにはターン後半でできるだけかかとの方に乗ることが必要ですが、私は足首が曲がりすぎてかかとの方に乗れていないと言われました。荷重で回せるのはターンの4分の3くらいまでで、そこから回し込むにはかかとに乗り込む事が必要とのことです。

 文章にすると非常にわかりづらくなっていますが、実際のレッスンは非常にわかりやすくて、とても参考になりやすかったです。この時以前試乗したATOMICの板を試乗した(インプレッションはこちら)のですが、前回は乗りにくいと思いましたが、とても扱いやすかったです。カービングのレッスンが多くて、それはそれで役立つのですが、私の場合そればかりやっていると小回りがどんどん下手になっていくので、今回のように再確認することも必要だと思います。このレッスンをキャンセルすればナスキーカップ(後述)に出られるので迷いましたがレッスンを受けて良かったです。

 さて午後はとうとう最後のレッスンになってしまいました。今回の講師は伊藤敦デモです。今日は昼過ぎには10度以上はあるだろうと言うくらい気温が上がり、午後は雪質がかなり悪くなったので、必然的にテーマが「悪雪での滑り方」になりました。こつは「楽に滑る」ことと「無理をしない」ことです。無理にスキーを回そうとかしないで、やや低めのポジション(この方が角付けしやすい)で切り返してスキーを角付けしたら徐々に加重していく。急に加重したりするとバランスを崩しておっかないです。特に悪雪だと、前に重心が行きすぎるとスキーが減速してしまい、とても危ないです。

 途中からは今日行われた「ナスキーカップ」のコースが開放されたので、滑ってみました。これは国際技術選の最終種目のファンレースと同じもので、斜面も同じところを使いました。違うのは旗門の数が少し多いのと、2つほどバンクがついている点です。私もチャレンジしてみましたが、スキーがうまく回せないのでタイムは伸びませんでした。ちなみにタイムは山田卓也デモが21秒、私の班で一番早かった人が22秒ちょっとでした。

 ここで午後に試乗したスキーのインプレッション。
 FISHER V.R.S SUPER

 フィッシャーは98/99モデルに試乗したことがありますがあまりよいとは思わなかったので期待していませんでした。試乗したスキーは176センチと短かったこともありますが全体のイメージとしてはとても扱いやすい印象でした。角付けもしやすく、スキーもたわみやすかったので、大回りも小回りもOK。小回りの評価の方が高いのはターン弧を小さくしやすいためです。弱点は見あたりませんが、強いてあげれば高速安定性が少し低いかな。ATOMICと比較すると、とても安定するが許容範囲が狭いのがATOMICで、許容範囲が広いけどスキーがぶれやすいのがフィッシャーと言う感じ。あとは滑る人の脚力や滑り方次第と行ったところですね。

 最後に今回参加した講師の方のデモンストレーションのあと解散となりました。雪はちょっと悪いけど(それでも23日は春スキーとは思えないコンディションだった)、天気はいいし、空いているし正直なところ「帰りたくない」と言ったところですが、そうもいかないので4時頃あがって帰りました。今回の宿の人は親切で、最終日も帰るまで部屋を使わせてくれました。おかげでのんびりできたので、帰りの運転もそれほどつらくなく、寄居PAまでは休憩もせず2時間でついてしまい、全く渋滞しなかったこともありますが結局家に帰ったのは9時頃でした。

 今回はいろいろな人に教えてもらい、とても参考になりました。さすがにデモンストレーターと呼ばれる人たちはそれぞれ確固たる理論を確立していて、それが人によっても違いますがそれぞれ理由がはっきりしているのでわかりやすかったです。それとたくさんの板を試乗させてもらいましたが、それぞれが特徴があっておもしろかった。今回試乗した中で「買っちゃおうかなー」と思ったのはSALOMONのSUPER EXE 9 3SATOMICのBETA DEMO CARBONですね(買う金あるのか?)。いやあ、とても楽しかった。

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