ジャルパック・HIS・ルックJTB どれを選びますか

海外旅行には 旅行会社(ジャルパックやJTB等)が主催するパッケージツアー(AVAやルックJTB等)を
利用すると 何かと便利です。 家族3人で平成15年6月に8日間  ナイアガラフォールズとニューヨークを
旅行することになり 各社のパンフレットを集め どこのパッケージ旅行が value for money(料金と内容を
考慮し価値がある)か 色々な角度から調べてみました。

このページでは 私が独自に調べ分かったことを開示すると共に 低料金のパッケージ旅行を成り立たせ
ている 国際航空券の仕組みや料金体系についても考察します。

1.ナイアガラ&ニューヨークのパッケージツアー(8日間)

行き先を ナイアガラの滝とニューヨークに先ず決め スケジュールを以下の如く設定しました。

           6月7日(土): 成田発             ナイアガラフォールズ泊
             8日(日): ナイアガラの滝観光     ナイアガラフォールズ泊 
             9日(月): ニューヨーク着                    NY泊 
            10日(火): NY市内観光
            11日(水): NYヤンキーズの野球観戦
            12日(木): ブロードウェイ・ミュージカル「マンマ・ミ-ア」鑑賞
            13日(金): NY発
            14日(土): 成田着

ニューヨークは 私が未だ独身だった1967年10月から翌年9月迄の1年間 某自動車会社(T社)の
出向員として居た所なので 思い出も多く 家族を一度案内したいと思っていました。 
世界貿易センター屋上からの展望を楽しんだのは 豪州におけるGMとの合弁事業打合せで出張した
1990年で first & last view  となりました。 NYに行くのは 従い 私のノスタルジア旅行に過ぎないの
ですが 日本でも大人気のミュージカル「マンマ・ミーア」を本場のブロードウェイで見たいという家族の希望
を適えることにもなりました。

訪問時期をいつにするか 夏休み中を先ず考えましたが パッケージツアー料金が割高で混雑する夏休み
期間は避け 松井秀樹選手を応援する為にNYヤンキーズスタジアムでゲームのある6月にしました。
パック旅行代金は 時期や曜日によって大きく変わります。 1年を通して 正月・GW・お盆の期間は高く
GW明けの5月 6月 10月などは比較的料金が安くなり その差が倍以上開くこともあります。
今回企画したツアーに対し 同じ内容で 各旅行会社の料金は 4月〜9月の半年で約16万円もの差が
ありました。 成田出発日を旅行代金の一番高い8月9日(土)を避け 6月7日(土)にしたことで
旅行代金を約12万4千円(一人当たり)セーブできました。

2. 国際航空券の仕組みと料金体系

海外への航空券は 普通運賃の航空券 ペックス航空券 格安航空券の3種類があり それぞれルール
と条件が異なります。 普通運賃は IATAという機関で決められ 旅行会社で買っても航空会社で買っても
同じ料金で 高額で割引もない代わりに
        (1) シーズンによる価格変動なく1年間有効
        (2)払い戻しが出来る
        (3) 航空会社や帰国日を変更できる
        (4)定められた距離内ならルート変更やストップオーバー可能
といった格安航空券やPEXには無い特徴があります。

格安航空券は 団体旅行用の往復切符を個人にバラ売りするもので 予約時に往復の搭乗日 便 
都市等を全て確定予約し 旅行出発後の予約内容の変更は困難です。 流通経路が複雑で 例え同じ便
でも旅行会社によって料金が異なり 切符の需給や売れ行きで料金が変動します。 格安航空券は
旅行会社でしか買えません。

PEX航空券は イアタPEXという基準価格をもとに 半年毎に航空会社が設定し販売する正規割引運賃で
航空会社で買っても旅行会社で買っても 値段は同じです。 航空会社独自に名前を付けて販売しており
日本航空「JAL悟空」 全日空「GET」 などがあります。

PEX航空券は 購入期限 周遊ルールなどにより 数種類の運賃が設けられています。 最も料金が安く
注目されているのがエーペックスという いわゆる「早割り」タイプの航空券で 出発の7日前とか14日前
など 出発前のある一定の時期までに購入すれば安く買えます。 例えば 日本航空「前売り悟空21」や
「前売り悟空35」などの運賃名に付いている数字は 予約期限を表し それぞれ出発の21日前と35日前
までに予約をしなければ購入できません。 ちなみに エーペックスというのは Advance Purchase
Exclusion Fare 略してA−PEXという英語です。

行き先や航空会社あるいは出発時期によって 格安航空券よりPEX航空券の方が安い 「逆転現象」も
起きています。 周遊旅行だとまだまだ格安航空券の方が安いですが 安いチケットを探そうと思うなら
格安航空券と同時にPEX航空券もチェックした方が賢明です。

6月に成田とニューヨーク間を往復した場合のJAL航空運賃を JTBに調べて貰ったところ
     普通運賃:\435000 格安航空券:\98000 PEX航空券:\200000〜\86000
ということでした。 ペックス航空券は条件により料金が異なり JALの場合 200千円 106千円 86千円
の3種類ありました。

格安航空券とPEX航空券の存在が 低料金のパッケージツアーを成り立たせています。

3. 旅行会社が主催するパッケージツアー

パッケージツアー(Packaged Tour:主催旅行)とは あらかじめ旅行会社(業者)が旅行日程や旅行代金
など条件を定め 新聞・パンフレット・インターネットで参加者を募集する旅行です。 往復航空券と宿泊
(ホテル)がセットになって販売され 空港からホテルまでの送迎や市内観光などの各種オプション(有料
または無料)がついています

上げ膳据え膳のパッケージ旅行に対し 全ての手配を個人で行う手配旅行(別名 個人旅行 or
自由旅行)は 自分で好きな組み合わせを選べ行動の自由度が増すものの 手間がかかるだけでなく
同じホテルを格安航空券と別々に申し込むなら パッケージツアーの方が安くになるケースがほとんど
です。 但し パッケージツアーの多くは2名1室を基本にしているので 1名参加の場合は1人部屋
追加代金がかかることがあります。 家族3人で参加し 3名で一部屋(トリプル)に泊まれない場合も同じ
扱いとなります。

パックツアーを主催する旅行会社(別名 Travel Agent 旅行代理店)には 「航空代理店系」
「旅行代理店系」 「格安航空券屋系」 の3種類があり 
    「航空代理店系」:  JAL子会社のジャルパック ANA子会社のANAセールス&ツアーズ 
    「旅行代理店系」:  JTBワールド 日本旅行 近畿日本ツーリスト 日通旅行 
    「格安航空券屋系」: HIS(エイチ・アイ・エス)  四季旅 MAP
などです。 

「エイチ・アイ・エス」は 若い頃 ドイツの大学に留学し 夏休みや春休みを利用して50カ国以上を旅した
澤田秀雄氏が 帰国後 日本と諸外国との航空運賃格差に着目し設立した会社で ベンチャービジネス
の成功例として知られています。 「日本発の航空運賃は なぜ諸外国に比べてこんなに高いのか?」
という疑問から 格安航空券販売をニュービジネスとすることで 「なぜ?」を解決しました。 会社設立
当初は 格安航空券のみ売っていましたが パッケージツアーを含め事業範囲を拡大しています。

「ジャルパック」は 1965年 前年に海外渡航が自由化されたことを受け 日本初の海外パッケージ旅行
のブランドとして日本航空が編み出したもので 海外旅行の代名詞ともなりました。 70年のジャンボ機
就航 78年の成田空港開港による航空の大量輸送時代を迎えると 円高が進む中でジャルパック需要も
急伸しました。 しかし ジャルパックは熟年層や新婚旅行客から顧客層を広げることができず 個性的な
旅を重視する若者やOLたちが離れることに危機感を抱いた日本航空は 1990年にブランド名を「アイル」
に切り替えると共に 旅行会社名を「ジャルパック」に変更しました。 ジャルパックは その後 ブランドに
「アヴァ」等も加え 顧客層を家族連れやOLに広げることに成功 旅行業界最大の拠点網(海外支店を
76都市110か所)を持ち 年間ツアー参加者は100万人を超えています。

「JTBワールド(日本交通公社の子会社)」のルックJTBは 海外パッケージ旅行のトップブランドです。
2001年度の「ルックJTB」利用客は122万人 これは同年度の日本人出国者の13人に1人(海外旅行
パッケージ旅行利用者の6人に1人:財団法人日本交通公社調査より推計)ということになります。

海外渡航者数1700万人という大旅行時代の現在 パッケージツアーに顧客が求める内容は 更に
個性化・高度化し 選択が自由な手配旅行(個人旅行 自由旅行)との境界線がはっきりしなくなってきて
います。

4. パッケージ旅行の選び方

各旅行会社のパンフレットを集め どのパッケージツアーにすべきか検討しましたが 判断に苦しみ
ました。 この業界も競争の激しい世界であり お互いに競合他社の商品を充分に検討した上で
パンフレットに料金や内容を載せているので 旅行会社やブランドによるパッケージ旅行は 実質的に
ほとんど差が無いことが分かりました。

6月14日から8日間 行き先をナイアガラフォールズとニューヨークと決め 各社が提供する
パッケージ旅行(最低料金の基本コース)の違いを簡単まとめると 以下です。

航空会社を指定しない場合

旅行会社  旅行ブランド 基本料金      料金に含む内容
ジャルパック AVA \169000 ナイアガラの滝半日観光
日通旅行 ルックワールド \170000 ナイアガラの滝半日観光
H.I.S チャオ \173000 ナイアガラの滝1日観光 昼食1回
JTBワールド ルックJTB \187000 観光なし食事なし
日本旅行 マッハ \188000 ナイアガラ半日観光

航空会社を指定しない場合 利用する航空会社 出発・到着時間 乗継ぎ回数などについて 各旅行会社
のパンフレットからは分からないので どのパッケージツアーが良いかを判断するのは なかなか困難
です。 こうした点について 各社とも同じ内容という前提で 以下の如く評価しました。

ジャルパック 日通旅行 エイチ・アイ・エス 3社の基本料金は ナイアガラの滝観光の差(半日か1日か)
を考慮すると ほぼ同じ料金です。 しかしながら ジャルパックの宿泊ホテルBクラスと比較し 日通旅行
とHISは1ランク低いCクラス相当なので 3社の中ではジャルパックAVAの料金が実質的に一番安く
設定されています。

ジャルパックと比較し JTBと日本旅行の基本料金は 2万円ほど高く設定されています。  2万円差は
何か 宿泊ホテルは3社とも全てパークセントラルホテル等のBクラスであり 宿泊ホテルの差ではなく 
理由が良く分かりません。 少なくても言えることは 航空会社を指定しない場合 ここに載せた
旅行会社5社を「観光なし」という同じ条件で比較すると  「ルックJTB」が最も割高
「ジャルパックAVA」が最も割安 
な料金設定になっているということです。

ともあれ 航空会社毎の格安航空券代やPEX航空券代は大きく異なるので 航空会社を指定しない前提で
各旅行会社の基本料金差を解明することは困難です。

航空会社を指定した場合

    旅行会社 旅行ブランド 指定航空会社 基本料金     料金に含む内容
近畿日本ツーリスト ホリデイ ノースウェスト \197800 ナイアガラ半日観光 昼食1回
ANAセールス&ツアーズ ハローツアー ANA \203000 観光なし食事なし
JTBワールド ルックJTB ANA \212000 観光なし食事なし
ジャルパック AVA JAL \217000 ナイアガラの滝・NY半日観光
びゅうワールド    ー JAL \220000 ナイアガラの滝・NY半日観光

航空会社を指定した場合 最も安い料金は近畿日本ツーリスト(ブランド名はホリデイ)です。 
宿泊ホテルに 近畿日本ツーリストは ヒルトンNYなどAクラスを利用しているのに対し 他社は全て
パークセントラルなどBクラスを利用しています。 宿泊ホテルがAクラスかBクラスによる旅行代金差を
\14000(JTBの場合)とすると 近畿日本ツーリストのホリデイは ルックJTBに比べ \28200割安という
計算になります。

近畿日本ツーリストがJTBより割安な料金を設定できる一因は 指定しているノースウェストとANAの
格安航空料金に大きな差があるからです。 成田―NY間往復の格安航空券は ノースウェスト 83千円
ANA 106千円 と 23千円もの差があり この点を考慮すると両社間の料金差は\5200に縮まります。

ANAセールス&ツアーズ(ANAハローツアー) JTBワールド(ルックJTB) ジャルパック(AVA) 3社の
料金は 観光などの内容差を考慮すると ほぼ同じで ルックJTBが少し割高です。 ジャルパックAVAの
基本料金 \217000は ナイアガラとNYの半日観光付き(\13000相当と推定)なので 観光なしの
実質料金は\204000です。 これに対し ルックJTBの基本料金(観光なし)は \212000なので
ジャルパックAVAより \8000割高に設定されています。 何故ルックJTBの方がAVAより\8000割高に
設定できるのか その理由は ANA (JTB指定)とJAL(AVA指定)の格安航空運賃差ではないので
No.1ブランドを持つプライスリーダー(業界で最も割高な料金を設定できる会社)としての力を示している
と考えるべきです。。

びゅうワールドは JR東日本(51%)とJAL(49%)が設立した会社で ツアー内容はジャルパックAVAと全く
同じにもかかわらず 料金はAVAより\3000高く設定されていますが ルックJTBより\5000割安です。
まとめると 航空会社を指定した場合でも ここに載せた5社を同じ内容で比較すると 最も割高
なのは「ルックJTB」 
となります。

尚 パッケージツアーの旅行代金を値引きして貰えるかは 交渉次第です。 パッケージ旅行を主催して
いる旅行会社が直営する支店と交渉するなら可能性大ですが 旅行会社の代理店や販売店との交渉は
困難な様です。 私の場合 旅行会社の支店と交渉し クレディットカード払いにせず現金振込みにする
ことで基本料金に対し若干の値引きをして貰えました。 具体的な値引き巾は 旅行会社を当惑させる
ので 内緒にしておきます。

5. 私の選択(まとめ)

結論として ツアー内容の差や利用する航空会社の格安航空券またはペックス航空券の料金差を考慮
すると 各旅行会社が提供するパッケージツアー料金は 実質的にほとんど変わりません。 とは言え
パックツアー業界でのプライスリーダーはJTBであり ジャルパックでないことは 先の説明(項目4)から
明らかです。

こうした状況を理解した上で ナイアガラフォールズとNYのパッケージ旅行(8日間)に 私が最終的に
選んだのは JTBワールド社主催の「ルックJTB」でした。 何故そうなったか 理由は極めて単純で
私の希望する以下の条件を満たせるのは 「ルックJTB」しかなかったからです。

        (私が希望した条件):
        1. 利用する航空会社はANAまたはJAL
        2. ホテルはBグレードでなくAグレード
        3. NYヤンキーズの野球とミュージカル「マンマ・ミア」の切符
        4. 宿泊ホテルは3人一部屋(トリプル)
        5. 各種オプショナルツアーの選択余地

上記の条件3〜5については 各社共ほとんど同じでしたが 条件1を満たせるのは JTBワールド
ジャルパック びゅーワールド 3社のみとなりました。 この内 びゅーワールドはジャルパックと内容が
同じでありながら割高なので除外し 「ルックJTB」か「ジャルパックAVA」 何れかの選択となりました。
条件2のホテルグレ−ドAについて ジャルパックAVAのパンフレットにはBグレードしか用意されてなく
消去法で残ったのは Aグレードの宿泊を選べる「ルックJTB」のみとなりました。

ジャルパックには AVAより高級ブランドとして「アイル(I'll)」があります。 熟年の金持ちには「アイル」 
若年層の貧乏人(?)には「アヴァ」 というマーケティングを考え AVAの宿泊ホテルにAグレード選択は
不要と判断したのかも知れませんが そのような官僚的発想ではJTBに勝てません。

どのパッケージ旅行を選ぶべきか 色々な考え方があると思いますが value for money という観点から
内容と料金を考慮すると 差は実質的にありません。 旅行会社の信用度やツアーブランドの有名度で
選ぶ方法もありますが このページに載せたのは大手旅行会社の有名ブランドばかりであり どこを選ん
でも問題ない筈です。

結局 個々人がどの旅行会社の商品を選ぶかとなると 料金ではなく 各社が用意したパンフレットに
希望する条件がどこまで満たされているかだと思います。 パッケージツアー商品を成功させるには
個々人の希望する多岐にわたる異なる条件を どこまで個別に満たせるかが重要であり 上げ膳据え膳
のパックツアーなのだから 料金を安くすることが最重要であり 選択余地の少ないお仕着せで構わない
という旧来からの発想では駄目です。

上げ膳据え膳のパッケージ旅行(主催旅行)に対し 全ての手配を個人で行う手配旅行(別名 個人旅行
or 自由旅行)があります。 パッケージ旅行を成功させるには 「個々人の複雑で異なる要望に可能な
限り応じる」ことであり お仕着せではなく 何でも自由に選択できる内容にし 手配旅行客を取り込むこと
です。 ルックJTBとANAハローツアーは 「観光なし食事なし」を基本料金のコースにしており 手配旅行客
を取り込む上で 他社より有利です。 ルックJTBは ANAハローツアーに比べ 用意されている
オプショナルツアーのメニューが多く 手配旅行(自由旅行)客を取り込む配慮がされており トップブランド
であるのは 当然と言えます。

このページは 各旅行会社のパンフレット内容を比較し徹底分析することにより 何か面白い大発見がある
のではと思い 書き始めましたが 各社のパッケージツアーには実質的な差がほとんど無いことを逆に
立証することになってしまい 拍子抜けしました。 発見があったと敢えて言わせて貰えれば パッケージ
旅行業界でのプライスリーダー(最も割高な料金設定)は ジャルパックではなくJTBであることを数字的に
明らかにし ルックJTBが何故No.1ブランドなのか かなり解明出来たことだと思います。

「プライスリーダーとして最も割高な料金設定をし 且つ No.1ブランドとして利用者を最も多く確保する」
ということを両立させるのは 容易でありませんが ルックJTBが両立させているのは 競合他社にない
多くのオプションを低料金で用意し どんな顧客の要望にも応えられるきめ細かなツアー内容にあります。

6. エピローグ(パック旅行を終えた雑感)

ナイアガラフォールズとニューヨークのパッケージツアー(8日間)を終えた雑感を付記します。

私の選んだJTBパック旅行は添乗員なしで 空港での乗継時に出迎えや案内なしのものでした。
初日の旅程は 成田発(ANA利用)→ワシントンDCダレス空港到着後に国内航空UAに乗り換え→
バッファロー空港到着→車でナイアガラフォールス というものでしたが 思わぬハプニングが起きました。

ダレス国際空港での乗り換えに1時間55分あるスケジュールでしたが 乗り遅れ 次のバッファロー行き
フライトまで4時間半も待たされてしまいました。 ANAの到着が20分遅れた上に ダレス空港での
入国審査 セキュアリティーチェック United Airlineまでの移動にかなり時間が要したからです。
飛行機に乗り遅れたのに 荷物だけはバッファロー空港に行ってしまい 当惑しました。

こうした思わぬトラブルに遭遇し 便利に思ったのは JTBが提供している日本語24時間緊急電話無料
サービスでした。 フリーダイアルなので ダレス空港の公衆電話をコインなしに利用でき 必要な連絡を
日本語で出来ました。 このフリーダイアルサービスは 医者や病院の手配 警察への通報や事故などの
処理 ホテルでのトラブル処理など何にでも利用できるので 覚えておくと便利です。

従来 パックツアーは団体旅行が中心でしたが 今では個人自由旅行が海外パック旅行の3−4割を占め
るまでになっています。 旅行会社は各社とも 個人旅行の広がりに対応し 個人旅行客のニーズに
きめ細かく対応するオーダーメード型パック旅行の取り扱いを 強化しつつあります。 パッケージ旅行は 
旗を持ったツアーガイドに引き連れられ 大勢がゾロゾロと一緒に移動するのでダサイ(恥ずかしい)という
イメージが何となくありますが オーダーメード型のメニューもあり 個人自由旅行としての利用も十分可能
となりつつあります。

今回の旅行そのものの感想として ナイアガラフォールズはSARS感染地域に指定されていたトロントに
近く 観光客は激減中とのことでした。 ナイアガラの滝を見るなら カナダ側からだけでなくアメリカ側から
滝の裏側を見るCave of the Windsの見学がお勧めです。

ニューヨークでのセキュアリティーの厳しさは想像以上でした。 警官が街中に大勢配置されており
世界で一番安全な都市は今のNYではとさえ思いました。 ヤンキーズスタジアムに入るのに 男性は
リュックサックやバッグの持込を禁止されています。

ヤンキーズスタデイアムでのNYヤンキーズとHoustonアストロズの対戦(6月11日)は8-0とヤンキーズの
完敗でした。 ヤンキーズ球場でヤンキーズがノーヒットノーランとなったのは51年ぶり 相手6投手の継投
によるノーヒットノーランは大リーグ記録という 記念すべき快挙(?)達成試合に松井選手を応援できた
のは幸運であったと思うようにしています。

セントラルパークの中のStrawberry Fields(ジョンレノン夫妻の住んだダコタハウスの近く)にレノンの名曲
として有名なIMAGINEの記念碑がありました。 1985年に小野洋子が寄贈した大理石のモザイクで中央に
「人類愛と国境のないユートピア」をテーマにした反戦平和ソング「IMAGINE]の文字が刻まれています。

イマジンの歌詩「Imagine all the people living in peace/すべての人々が平和の中で生きることを想像
してみよう」を口ずさみながらグラウンドゼロの惨状を見て 情けなく思いました。

エンパイヤー・ステート・ビルデイングが完成したのは大恐慌の1929年 今から75年ほど前になります。
このような米国を相手に 1941年に日本は戦争を始めた訳ですが 勝てる判断を常識的にできる筈もなく?
ヤケクソで戦争を始めたとしか考えらず 随分と無責任な判断をしたものだナと 同ビルの展望台から
スカイスクレーパーズと呼ばれる高層ビル群を見ながら思いました。

メトロポリタン・ミュージアムは必見に値します。 同ミュージアムは 大英博物館(英国) ルーブル博物館
(仏) エルミタージュ博物館(ロシア)と共に世界4大ミュージアムの一つであり コレクションの多くは
ローックフェラーやモーガンなど米国大富豪の寄付によるもので 米国の富を実感させてくれます。
セントラルパークの東端に位置するメトロポリタン・ミュージアムを見た後で IMAGINEの碑を見る為に
セントラルパークを歩いて横断しましたが 良い運動にもなりました。

マンハッタンを見て回るには メトロカード(1回2ドル)を買い 地下鉄を利用すると便利です。 かつては
「汚い 危険 暑い 落書きが多い」というイメージが強くありましたが 今は大変身し 旅行客でも安心
して利用できる便利な交通手段となっています。 逆にタクシーは捕まえ難く 英語を上手に話せず地理
にも疎い移民の運転手がほとんどなので 行き先を告げても分かって貰えないことが多くありました。
但し マンハッタンは南北にAvenue 東西にストリートが走る碁盤状の地図なので 「between 5th Avenue
and 53rd Street」 の如く目的地を伝えれば正確に降ろして貰えますが 一方通行の道が多く 思わぬ
大回りとなることがあります。

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