プライラインの逆オ-クション新車販売

米国のインターネット・ビジネスで 知名度の高いベスト10のブランドは何か 皆さん ご存知ですか?
5つ以上あてることが出来れば あなたはこの世界にかなり精通している方です。 正解は知名度の
高い順に アメリカ・オンライン ヤフー ネットスケープ アマゾン・コム プライスライン インフォシーク
エキサイト ホットメール マイクロソフト・ネットワーク ライコスです。 11位以下のブランドとして 
16位 オートバイテル 17位 Eトレード 19位 オンセール 22位 Eベイ が入っています。 
(注:Opinion Research社による平成11年9月調査)

上位7位までのブランドは米国成人の4人に1人を超える5千万人以上に認知されており メガ・
ブランドと呼ばれています。 5位のプライスラインを含めたメガ・ブランドの特徴は EC系ブランドの伸び
が著しいことと AOLを除く6社が事業開始後4年以内の若い会社であることであり プライスラインは
平成10年4月の事業開始です。 

インターネットを使った新車販売システムについて 「トヨタの新車をWWWで買う功罪」と「GMによる新車
のインターネット販売」のページで説明しました。 今回更に 米国プライスライン社のリバース・
オークション(逆オークション)によるオンラインの新車販売システムを取り上げる気になったのは 
フォード社がプライスライン社の新車販売システムを フロリダ州で 平成11年11月16日から3カ月程
試行したからです。 試行結果をどう評価したか未だフォードは発表していません。 また 米国いすゞ
自動車は平成12年1月19日から期間限定でアミーゴというSport Utilitiy Vehicleを 全米規模で
プライスラインのサービスを使い販売しましたが 満足した結果を得られたので 米国いすゞの全モデル
について全ディーラー(600店)に展開しています。。

将来 新車のインターネット販売が主流になるとすれば (1)オートバイテルやカーポイントなど独立系
の販売仲介サービス (2)GMのBuyPowerなどメーカーが独自に開発したシステム (3)プライスライン
が代表する独立系のリバース・オークション の3つの内の何れかであり 私のネット販売論を完結させ
る上で(3)の説明は欠かせません。 

GMが独自に開発したネット販売システム「GM BuyPower」を展開しつつある中で 世界第2位の
自動車メーカーであるフォードがアウトソーシングにより カーポント社やプライスライン社のシステムを
流用しようとしていることは 対照的で興味深いことです。 日本のメーカーは将来どちらの道を選ぶか
現時点で予測困難ですが トヨタと本田はGMと同様にメーカが独自に開発したシステム 日産 三菱
マツダ等はフォードと同様に アウトソーシングのシステムを採用することになるのではと私は見てい
ます。

T。 Win-Win-Winのビジネスモデルとは


米国ではインターネット上のオークションが大変なブームとなっています。 過去1年間に会社を上場
させ100億円以上の資産家になった上位10人の内5人は オークションの仕組みをインターネット上で
成功させた人で トップはプライスラインを創業したジェイ・ウォーカー氏の資産7000億円です。
オンライン・オークション(競売)で急成長している会社として オンセール(http://www.onsale.com/
イーベイ(http://www.ebay.com/) 等があります。 Auctionとは ある商品を買いたい人が多くいれば
いるほど値段が釣り上がる競売システムで eBay では毎日200万件ほどの入札が1600余りの
カテゴリーに属する商品に対し行われています。 自分の腎臓を競売にかけ 2億ドルの値が付き話題
となったのもeBayです(この取引は実行されませんでしたが)。 マイクロソフトは遅れ馳せながら
オンライン・ビジネスへの進出に積極的となりつつあり イーベイに対抗し エクサイト デル ライコスと
手を組んで オークション・サイト FairMarket(http://www.fairmarket.com)を設立しています。

これに対し プライスライン・ドット・コム(http://www.priceline.com/) のシステムはReverse Auction
(リバース・オークション)又は逆オークションと呼ばれています。 消費者が商品の価格を決めて指値し
売り手が指値を飲めば取引が成立する 買い手主導の取引(buyer-driven-commerce)モデルで 
従来のプロセスとは逆のインターネット・システムとして画期的です。 いわゆる「値切る」という交渉は
顧客にとって全く必要なくなります。

例えば プライスラインの航空券販売では ユーザーに行先 日時 指値をクレディット番号と共に入力
して貰うと 契約している15の航空会社の中から条件に合致した便を探し出し 国内便は1時間以内 
国際線は24時間以内に購入できたかどうか回答します。 航空会社は平均して総座席の30−40%を
空席のままフライトしているのが現状であり 空席率を減少させるのが命題でした。 航空会社としては
空席のまま空気を運ぶより 格安でも顧客を運んだ方が利益となるので このシステムに乗るメリットが
あります。 顧客への制限として フライトのキャンセルや変更は出来ない 乗り継ぎ便となることもある
出発便の時間指定をできない マイレージの加算なし 再指値は駄目 等の航空会社をプロテクトする
措置があります。 Pricelineの成功は 買い手主導の取引(buyer-driven-commerce)モデルを築いた
ことと ラジオを中心にテレビ 雑誌 新聞の広告でシンプルなメッセージ 「Name your own price
(あなたが値づけしなさい)」が成功し 認知度が一挙に高まったこともありますが 何と言っても
Win-Win-Winというその仕組みにあります。

即ち 「売り手」「買い手」「ネットプレナー」の3者それぞれにメリットがあるビジネスモデルとして
「売り手」には販売機会の増加 「買い手」には希望価格での購入 「ネットプレナー」には仲介手数料
収益という Win-Win-Winの関係です。 「ネットプレナー」とはネット事業主(net-entrepreneur)の
ことで ネットビジネスの事業主のことを 最近ではnetpreneurと呼ぶそうであり ここではプライスライン
に相当します。

U。 プライスラインの逆オークション新車販売システム

プライスラインが扱っている商品は現在 航空券 ホテル予約 新車 住宅ローンであり 近日中に 
レンタカー 長距離電話が加わる予定です。 同社はまた ライセンスを供与した子会社 Priceline
WebHouse Club社を通じ 日用雑貨品や食品の販売をNY市内から手始めにスタートしました。 扱い
商品は保険やパソコン等 更に増やされる見込みです。

プライスラインが自動車を扱い始めたのは 平成11年7月New York近郊からで 現在は NY, Maine,
New Jersey, Connecticut, Massachusetts, Rhode Island, Vermont, New Hampshire, Pennsylvania,
Flolida, Georgia, Michigan, 南Californiaの13州に広がっています。 

システムのコンセプトは先に説明した航空券とほぼ同じですが 具体的には以下です。

プライスラインの新車リバース・オークション概要

1. メーカーの正規ディーラーのみ加入。 加入料は無料。
2. 新車購入を希望する顧客は希望する車種 ボディー色 仕様 希望価格 支払い条件
   顧客のCredit Card番号 入札に参加してほしいディーラーの地域(counties) をプライスライン又は
   メーカーの該当Web Siteに入力
3. プライスラインは顧客の条件を顧客の購入地に一番近いディーラーに伝え アクセプトされれば
   契約が自動成立。
4. デーラーは注文を在庫車両から受ける。 顧客への回答は24時間以内とする。 ディーラーが
   顧客の希望条件を受け入れられない場合には 顧客の購入地から次ぎに近いディーラーに同じ
   条件を伝え 最初に同意したディーラーと契約が成立。 
5. 顧客が希望価格を決めやすいように 希望する車両のディーラー仕入れ価格とメーカー希望小売
   価格を 目安としてWeb Siteに明示する。
6. デーラーが顧客の希望条件をアクセプトするまで 顧客名は匿名とし交渉を行わない。
7. 顧客の希望条件を満たせない場合に ディーラーはカウンター・オッファーを出せる。
8. 契約が成立した場合に プライスラインは台当たり 顧客から50ドル 販売店から200ドル貰う。
   契約成立後のキャンセルは ペナルティーとして顧客がプライスラインに200ドル支払う。

V。 プライスラインのビジネスモデル特許

プライスラインの逆オークション 即ち「Buyer-Driven-Commerce」というビジネスモデルは 米国の特許
を平成10年8月に取得し 大きな話題となっています。 従来型の特許はモノがあって初めて成立したの
に対し  ビジネスモデル特許(事業手法特許 プライスライン・パテントとも呼ばれます)はアイデアに
独自性が認められれば登録される新しい概念で 取得者の大半はベンチャー企業です。 ビジネスモデル
は 例えば逆オークションの如く 実社会では既に良く知られており ビジネスのやり方や仕組として特に
目新しくなくても インターネット・ビジネスに適用したこと自体に新規性があると判断されれば 米国特許
として成立し保護されます。 既存のビジネスモデルであっても  コンピューターやインターネットで処理
され従来のビジネス手法に変化が生じ 今までの問題を解決したり効率が良くなれば 新規性があると
判断され米国では特許に成り得ます。

プライスラインの創業者ジェイ・ウォーカー氏は逆オークションのインターネット・ビジネスモデルを中心に
約40件の特許を成立させ 300件の特許を出願済みで 米国では「現代のエジソン」ともてはやされて
います。 電子商取引が猛烈な勢いで拡大する中で  ビジネスモデル特許を持つ会社は 権利行使に
より 巨額の特許収益が将来期待できるので 創業から間の無い赤字企業のプライスラインであっても
高株価を維持しています。

ビジネス・プロセスのような 目に見えない一般的なアイデアに特許を与え占有権を認めることは 電子
商取引や世界の産業のあり方に重大な影響を及ぼすので その妥当性について色々と議論があり
ます。 インターネット・ビジネスにおける競争のペースは速いので 新興ベンチャー企業を特許により
大企業の参入から守るべきという意見がある一方 目当たらしくもない特定企業のビジネスモデルに
特許を与えるのは 不条理で不当競争になるという批判もあります。 プライスラインは平成11年10月
13日 米マイクロソフトの子会社であるエクスペデイアが 逆オークションを使ったホテル予約事業を行
っているのは特許侵害として訴訟を起しました。 裁判の最終結果は2〜3年かかるようですが ビジネス
手法に対する特許がどこまで有効かを明らかにさせる 大きな試金石となります。 事業手法特許に疑問
を持つビル・ゲーツ氏が プライスラインからの訴訟を正面から受けて立ったことを歓迎する向きも少なく
なく どう決着するか注目されます。 ひょっとすると21世紀前半の大裁判となる可能性さえあります。

W。 新車の逆オークションは成功するか?

プライスラインとフォードが提携し 平成11年11月16日からフロリダ州の全フォード・ディーラーに試行
した新車のリバース・オークションが成功したかどうかは フォードからの発表がなく分かりません。
プライスラインが新車の逆オークションを独自に始めたのは 平成11年7月からであり 未だ評価でき
るだけの実績がありません。 ユーザーやプライスラインに加盟しているディーラーが 逆オークションを
どう評価しているのか オートバイテルやカーポイントなどの新車販売仲介サービスとの競合はどうか 
等についても公表された情報は未だ皆無です。

一般的または常識的な判断が現時点であるなら 「プライスラインの逆オークションという仕組みは
航空券の販売やホテルの予約に適したものであっても 数年に1度しかない高額商品である新車購入
に普及させるのは無理がある」 というものだと思います。 飛行機の空席 ホテル・旅館の空き室
などが 当日までに売れなかった機会損失は 取り戻せませんが 新車は長期在庫化するリスクを持つ
ものの 販売期限は無く 逆オークションに適当な商品か疑問だからです。

とは言え インターネットが車の売り方と買い方を大きく変えようとしているのは 揺るがしようの無い
事実であり 今までの常識では予想も出来なかったような 大成功となる可能性もあります。

従来の常識で判断するのは何故危険か 例えば 日本で中古車を販売している ガリバーインター
ナショナル(http://www.glv.co.jp)は興味深いケースです。 この会社のドルフィネット事業では 買い取
った中古車の情報を通信衛星を介して端末に送り ガソリンスタンドやショッピングセンターなどの加盟店
は在庫を持たずに 顧客に実車を見せずに 端末の画面を見せるだけで中古車を売り大成功してい
ます。 一部の情報はインターネット上でも得られます。 実車を見せずに中古車を売るというようなこと
が成功するとは 従来の常識では考えられませんでしたが ドルフィネットのビジネスモデルでは 売り
方により 実車を見せずに画面を見せて 中古車を売ることに成功しています。 ライフスタイルが どん
どん変化しているので 売り方も買い方も変わって当然ということです。 

逆オークションで新車を売るのは無理という短絡した判断ではなく 逆オークションを利用していても 
具体的な売り方次第では 逆オークションを増販の一助にすることは可能な筈です。 このシステムを
利用する顧客は新車購入について真剣であり 冷やかし客は存在せず 希望する条件をディーラーが
アクセプトすれば契約成立となり 契約破棄には200ドルのペナルティーとなるので オートバイテル
やカーポイント等の販売仲介サービスに無い利点が加入ディーラーにあります。 同じメーカーの
ディーラーが入札により競り落とすので 新車の値崩れを起こすという恐れは勿論ありますが 売りたく
ないディーラーは無理して売る必要なく 高い指値に対してのみ販売していけば良いので 手間のかか
らない効率的な販売手法として 利益率を高められる可能性もあります。

何れにしても 米国でGMに勝てないフォードとしては カーポイントやプライスラインなど GMが採用して
いないビジネス・モデルを色々と試してでも 占拠率を改善したいということだと思います。 天下の
フォードがプライスラインのシステムを試行したことは 逆オークションにより新車を増販することについて
一応の評価をしたからです。 フォードとしては プライスラインの経営陣が強化されているのも心強い筈
です。 創業者に代わり元シティーコープのCEOブラドック氏がプライスラインのCEOに就任し 同社の
自動車部門には自動車評論家・アナリストとして著名なマリアン・ケラー女史(夫君J.W.チャイ氏は
伊藤忠の副会長で 米国でのGMとトヨタの生産合弁事業の橋渡しをされた方としても有名)が社長と
して平成11年6月に就任しています。 自動車のネット販売を始めた人達のほとんどは 自動車
ビジネスを知らないで ネット販売が自動車販売店にとって代わり得ると 誤解しているようですが 
自動車ビジネスについて造詣の深いケラー女史がプライスラインに加わったことは意味があります。 
ケラー女史はオートバイテルなどのネット販売仲介サービスは 何れ消え去る運命にあると見ており 又
最近メーカーが進めているワン・プライス商法は誤りで 需給関係に基づきフレクシブルであるべきという
考えです。 新車を逆オークションにより販売することは 多用な価格が存在することを認めるものであり
ワン・プライス商法の否定となります。 (マリアン・ケラー女史はプライスラインを平成12年11月に辞職
しました。 同社の株価下落で付与されたストックオプションが紙くず同然となり見切りを付けた由)

懸念は プライスラインの新車販売実績が未だ掴めないことと 事業の収益性で 同社の平成11年
1月〜9月 9カ月の損失は142百万ドルにも達しています。 株価は高くても財務内容は悪いという
のが 米国インターネット・ビジネスに顕著な特色で 事業開始したばかりでブランドの知名度を高める
必要から 膨大なマーケティング費用がかかることはありますが どう黒字化させるのかというビジネス
プランが見えてきません。 プライスラインの持つ特許について 訴訟を起されているビル・ゲイツ氏
(マイクロソフト)が勝つようなことになれば 勿論 一大事です。

プライスラインのビジネスモデルについては 高い評価がある一方 一部から強い批判もあります。
Yahoo!USA(http://www.yahoo.com) の Business & Economy>Companies>Travel>priceline.com
>Consumer Opinion にある 「The Truth about Priceline.com」(プライスラインは墓穴を掘っていま
せんか?) には航空券を買ったトラブルの実体験が詳細に報告されており 毎月1万件以上の
アクセスがある人気サイトです。

X。 まとめ (日本で逆オークションは普及
するか?)

日本のインターネット・ビジネスとして知られる

    ポータルサイト: Yahoo!JAPAN(http://www.yahoo.co.jp/) 
               イサイズ(http://www.isize.com/)    
    電子商取引:   オートバイテル・ジャパン(http://www.autobytel-japan.com/)  
               Book Site Sanseido(http://www.books-sanseido.co.jp/booksite_top.html) 
               日本オンライン証券:(http://www.kabu.com/
               ONSALE(http://www.onsale.co.jp
               イーショッピング(http://www.eshopping.ne.jp/) 
            
などを含めたビジネスモデルのconceptは 私が知る限り 全て米国で生まれ日本に輸入されたもの
ばかりです。 残念ながら逆のケースを私は未だ知りません。

この傾向は今後も暫く(4〜5年?)続くと思われますので 米国での新たなビジネスモデルの動向に
注意を払うべきと思います。 好調な米国経済をリードしているインターネット・ビジネスが 日本に
入ったらどうなるか 私は新車のビジネスモデルに特別な関心を持っています。

eBay(http://pages.ebay.com/)タイプのオークション・サイトは 日本に以下の如く色々とありますが 
新車を扱っていません。 イーベイは平成11年12月末に日本に進出しています。 

日本のオークション・サイトとして Yahoo!オークション(http://auctions.yahoo.co.jp/)は興味深い内容
であり一度試されては如何でしょうか。 「自動入札システム」という特色のある入札の仕組みがあり 
詳しくはヤフーのサイトを見てください。 オンライン・ショッピング・モールで有名な 楽天市場
http://www.rakuten.co.jp/)では 「プレミアオークション」で1000店を超えるテナントの中からオーク
ションに参加している店があり 「フリーマーケット」では個人同士がオークションで出品と入札をしてい
ます。 ポータルサイトgoo(http://www.goo.ne.jp/)では eBayの米国サイトをオークション・ページに載
せていますが 平成11年12月10日から雑誌「ポパイ」に掲載される商品のオークションをgooショップ
で始めました。

プライスラインはソフトバンクと提携し日本進出を検討していましたが 平成12年12月に断念したこと
を発表しました。 同社の急速な業績悪化が一因のようです。

日本でインターネット・オークションが流行るのは 私の見るところ 確実であり オークションに慣れれば
逆オークションも普及する筈です。 しかしながら 逆オークションを利用した新車販売に限ると 日本で
の成功は 以下の理由から 楽観できません。

米国でプライスラインやフォード等の逆オークションが新車販売で成功しているという実績は未だなく 
暫く様子をみる必要があります。 逆オークションで新車の指値を決める目安として ディーラーの仕入
価格とメーカー希望の小売価格が米国では示されますが 日本で同じことは期待できないので 指値を
決めるには 相当なリサーチが必要です。 新車の相場は 人気車種 モデルチェンジの時期 
ディーラーの在庫状況 ライバル車の状況 メーカー支援ボーナスの有無 などによりかなり異なるので 
妥当な指値を決めるのは簡単でありません。 日本のテリトリー制度という 新車販売店と営業所の
販売地域を独占的に与えている 米国にない制度も障害となります。

更に 新車に限らず 日本で逆オークションが普及できるか 留意すべき重要な問題として プライス
ラインの持つ特許があります。 ご存知のように 日本の特許庁は知的財産権として特許権 著作権 
意匠権 商号権 商標権 実用新案権など その創作者に一定期間の権利保護を与えています。 
ソフトウェアは著作権に属しますが 米国では逆オークションの如きビジネスモデルを特許(パテント)と
して承認しています。 日本の特許法では 「特許を受けることが出来る発明は 自然法則を利用した
技術的思想の創作のうち高度なもの」とあり 「商売の方法は自然法則でないので 特許法上の発明と
ならず 特許として認められない」という 解釈を従来してきました。 しかしながら最近では 商売の方法
や商取引の仕組み(ビジネスモデル)そのものを特許として認めたUS特許庁と同じ解釈に 日本の
特許庁も変わってきています。 この点について 日米で特許庁の差は今やありません。

ある課題を解決するために コンピューターのハードウェア資源を用いて処理を行うなどの要件を満たす
ものであれば ビジネス関連発明か否かに関わらず ソフトウェア関連発明として特許の対象になり得る
が 進歩性の要件を満たさぬものや 特許法第2条第1項に規定する「発明」に該当しないものは
特許の対象とならない ということが日米の共通認識となっています。

特許は国ごとに効力が及ぶ属地主義が原則ですが サイバー情報に国境はありません。 国境がない
ということは 日本での事業者が米国からアクセスした人と取引を行うと 米国で被告になる恐れがある
ということです。 従い 逆オークションのネット・ビジネスを行おうとする日本のネットプレナーは 
プライスラインの特許を日本or米国で侵害していないか 弁護士 などと事前に相談すべきです。

結論として 日本で新車の逆オークションが普及できるかどうかは 米国でプライスラインとフォードの
実績が上がるか 日本のテリトリー制度という制約を打破できるか プライスラインの特許を侵害して
いないか の3点がポイントとなります。 この3点を全てクリアするのは並大抵でなく (例え米国で
普及できたにせよ) 日本での普及は難しいであろうというのが 私個人が持つ率直な見方です。

P.S. ビジネスモデル特許について詳しい情報を得たい方は オンダ国際特許事務所のHPにある
ビジネスモデル特許情報・リンク集を参照ください。

このページについて ご意見ご感想を 下記アドレス迄いただければ幸いです。

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