誤解されている言葉「ホームページ」

        

ホームページの英語スペリングは 「home page」 が正しく 「homepage」 は誤りと 私は
ズット信じて疑いませんでしたが 最近では英語辞書にhomepageも載っています。 従い
綴りとしてはhome page/homepageの何れも正解ですが 海外では未だ home page の方が
一般的です。

ホームページという日本語の正しい解釈は何か 侃侃諤諤(かんかんがくがく)の議論
がありますが人により 次の三つの解釈に分かれます。 あなたの解釈はどれでしょうか

A:  WWWブラウザーを起動して最初に表示させるページ
B:  表紙や目次のページ。  即ち トップページのこと
C:  全てのコンテンツを含めたページ

この私のホームページ(Cの解釈による)を例に説明しますと 私のホームページURLである
http://www2u.biglobe.ne.jp/~hakuzou/ を開くと 先ず最初に現れるのは目次のあるトップ
ページです。 私のホームページは このトップページに18テーマの18ページがリンクされて
おり 合計19ページのコンテンツで構成されています。 「ホームページ」という日本語は 
この合計19ページ全体を含むと解釈されています。 ホームページ作成と言えば トップ
ページだけでなく全てのページ(提供するコンテンツの全て)を含めて解釈されるからです。 
従い日本では「ホームページ」の解釈として上記Cが定着しています。

上記Cの如く解釈するのは日本だけで 海外では「ホームページ」を上記Bの如くトップ
ページと解釈するのが常識的です。  「ホームページに戻る」という表現はトップページに
戻るということです。 トップページには 目次を表示するのが一般的であり インデックス・
ページ(Index Page)と呼ぶこともあります。 従い ホームページの英語版を作成するなら
「ホームページ」をその様に理解していないと読む人を混乱させます

ここでいう「home」は「家」という意味ではなく ホームベースとかホームポジションなどで
いう「基点」という意味です。  トップページこそ日本語の「ホームページ」の基点となる
最初のページであり 正に「home page」なのです。 ちなみに 野球のホームランは a home
run hit のことで 基点であるhome baseまで一周するヒットを意味します。


海外では上記Bの解釈が常識ですが 上記Aの如く WWWブラウザーである
ネットスケープ・ナビゲーターやインターネット・エクスプローラーを起動し最初に表示させる
ページをホームページと解釈する人もいます。 この解釈は誤りではなく 例えばWWW
ブラウザーで表示されるホームページのツールバーに家の形をした「ホーム」ボタンが
ありますが このボタンを押すと上記Aのページに戻ります。 歴史的には「home page]を
上記Aの如く解釈したことからスタートしたのですが いまでは上記Bの如く解釈するのが
海外では常識化しています。 上記Aの如く解釈するとパソコン1台で見ることが出来る
ホームページは1つに限定されます。  この上記Aの解釈は 最近ではポータルサイト
と呼ぶのが一般的となっています。

それでは 日本で解釈されている「ホームページ」 即ち上記Cに相当する正しい
英語表現は何かということになります。  これにも喧々囂々(けんけんごうごう)の議論が
あり 人により次の二つの意見に分かれます。

      X:  ウェッブページ ( web page 又は web pages)  と呼ぶ
      Y:  ウェッブサイト ( web site ) と呼ぶ

何れの英語表現も正しいという見方もありますが 上記Cに相当する英語 即ち日本語の
ホームページに相当する英語は ウェッブサイトと呼ぶのが今や常識です。

WWWを単にウェッブと称することがあり ウェッブページとはWWWブラウザーに表示される
ページを意味します。 ウェッブサイトとは 単なる場所ではなく 「ページやデータをひっくる
めたもの」 即ち上記Cの如く解釈するのが今では一般的で 「情報(ページ)を置いてある
場所」 と解釈するのは誤りです。 ウェッブサイトに置いてある情報の表紙(トップページ)に
あたるのが home page です。

英語で 「私のホームページを作った」 というなら 「私のウェッブサイトを作った」という表現
にした方が 「私のウェッブページを作った」 と言うより妥当です。 web page は web site
を構成している単なる1ページであり 出発点(多くの場合 目次を置いている)にあたる
ページが home page です。

殊勝な方たちが居て 日本で誤って解釈されている「ホームページ」という言葉を
「ウェッブページ」と呼ぶように改めようという運動を一年間展開されました。  このページは
その方たちの主張を参考にしています。 改める運動は1年間続き1998年3月に中断
されたままとなっています。 この運動のお陰で home page の正しい解釈がかなり広まり
ましたが 「ホームページ」という日本語の解釈は誤ったまま上記Cの如くますます定着した
ようです。  この運動が中断したままになっている理由として 「ウェッブページ」より
「ウェッブサイト」 の方が海外では 日本語の「ホームページ」に相当する英語として 
より一般的ということに気づかれたからというのが私の個人的な見方です。

以上の如き私の見方が正しいことをサポートする心強い味方があります。
Microsoft Windows 98 ファーストステップガイドは全面的に上記と同じ解釈でマニュアルを
作成しています。 マイクロソフト社のホームページと言う代わりにウェッブサイトという表現
にしていますし ウェッブページとはウェッブサイトを構成する一部分という説明となっています。
繰り返しになりますが マイクロソフト社は 「Webページの集まりがWebサイトであり 
Webサイトの最初のページをHomeページと呼ぶ」とし Webサイトを「関連するWebページの
集まり」 Webページを「World Wide Web上の場所でWebサイトの一部」 の如く明快に定義
しています。

このページを読まれたYK氏から 事実誤認? として反応集アイテム148に載せた抜粋の
如き興味深いメールをいただきました。 同氏の見解は アメリカ人ネイティブ及びメール
フレンドであるアメリカ人大学生の情報として 日本語の「ホームページ」として定着しつつある
解釈(上記C)に相当する英語としては <web site/website>と呼ぶ方が多いのは事実だが 
<home page/homepage>もあり得る というものです。 更に 同氏は米国の検索エンジン
Alta Vista で実際に検索した結果を私に示した上で 米国のホームページで以下の英語は
全て同じ意味にネイティブが使っている故に:

 <web site>=<website>=<home page>=<homepage>=<WWW page>
                  =<web page>=<webpage>


も正しいの如く 明快かつ大胆な判断をされています。

私の解釈は先に説明した如くマイクロソフト社がサポートしているだけでなく 更に調べたところ
ソフトバンクが発行しているインターネット・エクスプローラー3.0解説書の中で著者のNed Snell氏
も私と同じ解釈で説明しています。 言葉の解釈は時代と共に変わりますので YK氏の判断は
誤っていないのでしょうが マイクロソフト社のガイドブック ソフトバンク社の解説書(著者は
ネイテイブ) 及び 私(正真正銘の Bloody Japanese)が事実を誤認しているということには
ならないと思います。  

ネイテイブが実際に使っているから正しいという論法を 敢えて私が悪用すると

             <top page>=<home page>  
             <home page>=<web site>
      従い    <top page>=<web site>

となります。 <top page>=<web site> という解釈は無理と思いますが 屁理屈(こじつけ)
に過ぎないでしょうか?  ネイテイブが一般的に使っていれば全て正しいというのは 確かに
一つの見方であり誤ってはいませんが ネイティブの使い方の中で どれが オーソドックスで 
常識的で 普遍的かについて 私はこのページで説明したつもりです。

YK氏の解釈は take note しますが どちらがオーソドックスで 常識的で 普遍的な解釈かと
なると 私やマイクロソフト社の方だと思います。

この件に関連して米国Seattel在住のJK氏からYK氏とは異なる見解をいただきましたので
抜粋を下記します。

「私はシアトルに住んでいます。 また、いささかインターネットにもビジネスとして係わっており
ます。 少なくとも、シアトル地区におきましては、ウエッブサイトのことをホームページと呼ぶ
人を知りません。ホームページはサイトの最初のページであることはだれでも、そう理解して
いますから、多くの米国のウエッブサイトのメニューには最初のページすなわち、ホームに戻る
リンクの案内として Home と表示されています。 ねじまげた理屈をもって、ウエッブサイト=
ホームページと強弁する方がいらっしゃるようですが、すくなくとも米国内では通用しないと思い
ます。 その様な方は一度米国に来て知識層のアメリカ人と確認されるべきと思います。 
ヤフージャパンのなかでは『ホームページ』が認知されている様ですが、米国を発祥の地とする
企業として、またインターネットのリーディング企業として、大衆に迎合する姿勢は残念です。 
英語と日本語が異なった言語である以上、英語を翻訳して日本語のなかで使うのは当然です
が、翻訳しないで原語をそのまま使用する場合には正しい意味で使われなければなりません。
日本で日本人がなにをどう呼ぼうと勝手なのかもしれませんが、米国との関係においては誤解
や、もの笑いの種になることを知っておかなければなりません」
 
さんたろう氏のHP「パソコン初心者のポータルサイト」コラムで このページを紹介いただきま
した。 その中でのコメントは以下です。

「日本でのインターネット草創期に創られた”ウェッブサイト”は 当時のパソコンの処理能力や
配信状況から大抵 一枚だけの”ホームページ”がほとんどで ”ウェッブサイト”と呼べるもの
がなく 自嘲の意味を込めて”ホームページ”と名付けていた。 これが当時の常識であったら
しい。」

読んで思わず ウーンと唸ってしまいました。 当時の常識であったというのは甚だ疑問ですが
面白い見方と思いました。

尚 私の作成したこのホームページでは 全て上記Cの意味で「ホームページ」という日本語を
使いました。 

このページについて ご意見ご感想を 下記アドレス迄いただければ幸いです。

Eメールアドレス*123hakuzouszk@kha.biglobe.ne.jp (注意*正しいアドレスは数字123を除く)
                                        

  

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