「松館今昔:食べ物今昔」

ヒビド(炉端焼き)

 ヒビドとは囲炉裏のことであるが、北秋田(尾去沢の一部も)辺りでは、 ユルギと呼んでいたようである。
「ユルギとは」参照
 
 ヒビドは、二尺五寸のタキギ(薪)を燃やすことが出来る大きさ なので、四尺四方もあったろうか。
写真提供:NPO法人「関善賑わい屋敷」奈良学氏 ひびど

 タキギが燃えたオギ(熾火)をやや手前に引き寄せて、その上にワダシ (渡し金)を架けて、餅や魚などを炙った(焼いた)。
 ワダシとヒヅギ(囲炉裏の木枠)の間は、広く空いているので、 ハエナラシ(灰均し)で均して、文字や絵を描いて遊んだものである。

 さて、ヒビドの真ん中ではタキギが燃えており、その周囲のアグ(灰)は 熱くなっているので、その熱いアグ(ホドとも)の中にいろいろな 食べ物を入れて(潜らせて)炙った(焼いた)。
 
一、シトギ餅
 豆で作ることもあるので、豆シトギとも言ったようである。
 アグの中から取り出し、アグを払い落として食べるのであった。 熱くて美味しい。
「豆料理:豆しとぎ」参照
 
二、大豆
 大豆を一個ずつアグの上に並べ、パチンと皮が破けたら食べられる。
 他の食べ物が無いときとか、暇つぶしに?……。
 
三、栗
 秋、前の晩に大風が吹くと、早朝に、ハサバ長根から下モ平にかけての 林に出かけ、栗拾いをした。
 学校から帰宅後、ヒビドで栗を焼いて食べた。アグに入れるときは、 栗の皮を少しむくのであるが、むかないでくべると、ドンと破裂して、 座敷にもアグが飛び散るのであった。
 
四、馬鈴薯
 エモ(ジャガイモのこと。馬鈴薯バレイショ)も美味しかった。ここ鹿角 辺りでは、以前はサツマイモはなかったのか、エモと言えば、馬鈴薯 のことであった。
 
五、クルビ
 野生のクルビ(胡桃)も、脂肪分があって美味しかった。
「餅菓子いろいろ:クルビ餅」参照

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