梨園(りえん)。 解釈:演劇界、歌舞伎界役者の世界。中国唐(とう)の玄宗(げんそう)が 宮中の梨園に舞楽の教習所を設け、楽人の子弟に教えたという故事による。 理外(りがい)の理。 解釈:普通の常識や道理では判断できない不可思議な道理。 李下の冠。 解釈:疑われるようなことはしない方がよいという戒め。李(すもも)の木 の下で冠を直すと、李の実を盗むのかと疑われる。 類義:瓜田李下(かでんりか)。李下に冠を正(ただ)さず。 理が非になる。 解釈:道理は正しくても説明が拙(まず)いと、正しい事も間違った事だと されてしまうことがある。 類義:理が皮を被る。理が理に立たぬ。 力んだ腕の拍子抜け。 解釈:折角意気込んだのに、何事もなく、腕のやり場に困ること。また、そ の決まりの悪さをいう。 類義:振り上げた拳(こぶし)のやり場に困る。 利(り)食い千人力(りき)。 解釈:商品の売り惜しみをしていると、金利が嵩(かさ)んで損をするので、 値が上がったら早く売る方がよいということ。 理屈上手の、行い下手。 解釈:理屈を言うのは巧いが、実行となるとさっぱり駄目だという意。 類義:理屈商人金儲けず。 理屈商人金儲けず。 解釈:理屈ばかり並べる商人は、金儲けが下手だということ。 類義:口叩きの手足らず。理屈上手の行い下手。 理屈と膏薬は、何処へでも付く。 解釈:理屈は付け方次第で、どんな事にも尤もらしく付くものだ。 類義:盗人にも三分(さんぶ)の理。 理屈の成り上がり。 解釈:理屈だけでは立派に通るが、実際の役には立たないということ。 理屈張る程、理に合わぬ。 解釈:尤もらしく理屈を捏(こ)ねれば捏ねるほど、道理からずれていくも のだ。 理屈を言えば、腹が立つ。 解釈:理屈からすれば、自分の方が正しく相手が間違っているのだが、こち らの言い分を繰り返し主張していると腹が立ってくる。 利口がこぶらへ回る。 解釈:利口振って策を弄したことが逆効果となり、悪い結果を招くこと。気 を効かせたためにかえって失敗するたとえ。 参考:「こぶら」は脹脛(ふくらはぎ)のこと。 利口の猿が手を焼く。 解釈:利口者が自分の能力を過信して手掛けた事が思いの外難しく、収拾が 着かなくなることのたとえ。 類義:利口の猿は木から落ちる。 利口振るのは馬鹿の徴(しるし)。 解釈:本当に利口な人は利口振らない。利口振るのは、愚かだという証拠で ある。 利根(りこん)却って愚痴になる。 解釈:小才が利いて、かえって失敗することがあるということ。小利口は時 に愚かさに通じる。 利して利する勿れ。 解釈:政(まつりごと)を行う者は、先ず人民の利益を図ることに努め、自 分の利益を考えてはいけないということ。 履霜(りそう)の戒め。 類義:霜を履(ふ)みて堅氷(けんぴょう)至る。 律義者(りちぎもの)の子沢山。 解釈:真面目で一生懸命稼ぐ人には、子が多いということ。 類義:貧乏人の子沢山。 立錐(りっすい)の地無し。 解釈:錐(きり)を立てるほど僅かな土地も無いというこで、少しの隙間も なくぎっしりと詰まっていること。 類義:置錐(ちすい)の地無し。 理詰めより重詰め(じゅうづめ)。 解釈:同じ「つめ」なら、理屈詰めよりも、美味しいご馳走の入った重箱の 詰め物の方がよいということ。 類義:色気より食い気。花より団子。 理に勝って、非に落ちる。 解釈:理屈では勝っても、実質上は負けたと同様不利な結果になること。 類義:理に勝って、非に負ける。 理に負けて非に勝て。 類義:論に負けても、実に勝つ。 柳暗花明(りゅうあんかめい)。 解釈:柳がほの暗く茂り、花が明るく美しい。春の美しい様。花柳界の意も ある。 流言(りゅうげん)は知者に止(とど)まる。 解釈:根も葉もない噂は、愚人の間では忽ち広まるが、知者は聞いても他言 しないので、そこで止まってしまう。 流水は腐らず。 解釈:常に動いている物には、沈滞や腐敗がないことのたとえ。 類義:使う鍬は錆びぬ。流れる水は腐らず。淀む水には芥(ごみ)溜まる。 流星多ければ日照り続く。 解釈:日照りが続くと空気が澄んでくるので、流れ星を見る機会も多い。 竜頭蛇尾(りゅうとうだび)。 解釈:勢いが最後まで続かないこと。最初は勢いがよいが、終わりの頃は衰 えてしまうこと。頭は竜で、尻尾は細い蛇をたとえていう。「竜頭」は、「り ょうとう」とも読む。 類義:頭でっかち尻つぼみ。虎頭蛇尾(ことうだび)。 竜(りゅう)と心得た蛙子(かえるこ)。 解釈:親の欲目から秀才だと見込んだわが子が、親と同じ凡才でしかなかっ たというたとえ。 竜の鬚(ひげ)を撫で、虎の尾を踏む。 解釈:非常に大きな危険を冒すたとえ。 類義:虎の尾を踏み、春の水を渉る(わたる)。竜の頷(あぎと)の珠を取 る。竜の鬚を撫ずる如し。 竜は一寸にして昇天の気あり。 解釈:優れた人物には、幼いときから非凡なところがあるというたとえ。 類義:蛇(じゃ)は寸にして人を呑む。栴檀(せんだん)は双葉より芳(か んば)し。 柳眉(りゅうび)を逆立てる。 解釈:美人が柳の葉のように美しい眉(まゆ)を吊り上げて怒る様。 竜馬(りゅうめ)の躓(つまず)き。 解釈:極めて優れた馬でも、時には躓くことがあるように、どんなに賢い人 でも失敗することはあるというたとえ。 類義:弘法(こうぼう)にも筆の誤り。猿も木から落ちる。千里の馬も蹴躓 (けつまず)き。 粒粒辛苦(りゅうりゅうしんく)。 解釈:米の一粒一粒が農民の辛苦の結晶であるということから、物事を成就 するため苦労を重ね地味な努力を続けること。 類義:粟一粒は汗一粒。 流連荒亡(りゅうれんこうぼう)。 解釈:遊興や狩猟に熱中して家に帰るのを忘れること。「流」も「連」も、 流れに任せて舟遊びに耽(ふけ)る意。「荒」は貴重な時日を荒(すさ)んで 送り、「亡」は政治を怠り失うという意。 竜を画いて、狗(いぬ)に類す。 類義:虎を画いて狗に類す。 猟ある猫は爪を隠す。 類義:能ある鷹は爪隠す。 凌雲(りょううん)の志。 解釈:「凌雲」は高く雲を凌(しの)ぐことで、俗世を超越した高い志の意。 類義:超俗(ちょうぞく)の志。 良弓(りょうきゅう)は張り難し。 解釈:よい弓は強いので弦を張るのが難しい。才能のある人は、容易く言い 付け通りにはならないが、使う人がよければ存分の働きをするというたとえ。 良禽(りょうきん)は木を択ぶ。 解釈:賢い鳥は木を択んで宿るもの。賢人も、名君を選んで仕えるというた とえ。 燎原(りょうげん)の火。 解釈:防ぎようがないほど勢いが盛んなこと。「燎原」は原を燎(や)くと いう意。 類義:燎原の勢い。 料簡(りょうけん)の不料簡。 解釈:深い考えがあるようで、実は不心得な間違った考えであること。 良工(りょうこう)は材を択ばず。 解釈:腕の優れた工人は、材料の善し悪しなど問題にせず、自分の技術で作 る。 類義:弘法(こうぼう)筆を択ばず。能筆は筆を択ばず。良匠は材を棄つる ことなし。 良賈(りょうこ)は深く蔵(ぞう)して、虚(むな)しきが如し。 解釈:優れた商人が品物を店の奥深く仕舞って、手持ちが無いように見せ掛 けるように、賢者は才能を隠すというたとえ。 梁山泊(りょうざんぱく)。 解釈:中国山東省(さんとうしょう)の西部エン州(えんしゅう)の東南梁 山の麓にあった沼。鉅野沢(きょやたく)ともいった。宋(そう)代、巨賊宋 江(そうこう)らがここに砦(とりで)を築いたといわれ、『水滸伝(すいこ でん)』にそれが記されてから、豪傑や野心家の集まる場所をいう。 猟師、山を見ず。 類義:鹿を逐(お)う者は、山を見ず。 領袖(りょうしゅう)。 解釈:着物の領(えり)と袖(そで)の意。この部分は目立つことから、人 の上に立つ人物、また集団の中の頭(かしら)のこと。 梁上(りょうじょう)の君子。 解釈:泥棒。転じて鼠の意。中国後漢(ごかん)の頃、陳寔(ちんしゅく) が梁の上に隠れていた盗人を指して、悪い習慣が身に付くとあの梁の上の君子 のようになるぞと子供達を戒めた故事による。 両造(りょうぞう)。 解釈:「造」は至るの意で、裁判の原告と被告の両人が法廷に着くこと。 両端を持す(じす)。 解釈:どっちつかずの曖昧な態度を執ること。二心を抱くこと。 蓼虫(りょうちゅう)、苦(にが)きを知らず。 解釈:人の好みも様々で、一概には言えないたとえ。 類義:蓼(たで)食う虫も好き好き。 良知良能(りょうちりょうのう)。Intelligence and talent that makes to inborn by person and has it. 解釈:人が生まれながらにして持っている知能、才能。 両手に花。 解釈:優劣のない二つのよい物、美しい物をを同時に手に入れること。 類義:梅と桜を両手に持つ。両の手に花と紅葉(もみじ)。両の手の旨い物。 遼東(りょうとう)の豕(いのこ)。 解釈:世間知らずが、自分だけが偉いと得意になることのたとえ。昔、中国 遼東で白い頭の豕が生まれたのを、非常に珍しいと思い、献上しようと河東 (かとう)に行ったが、そこの豚の頭は皆白かったという故事による。 猟は鳥が教える。 解釈:物事は繰り返しやっているうち、自然に覚えるものだというたとえ。 両方聞いて、下知(げち)をなせ。 解釈:争いを裁くには、両者の言い分をよく聞いてからにせよ、ということ。 類義:片口(かたくち)聞いて、公事(くじ)を分くるな。 参考:「下知」は、言い付け、指図の意。 両方立てれば、身が立たぬ。 解釈:対立する両方に義理立てしていたのでは、自分の立場がなくなってし まう。 類義:彼方(あちら)立てれば、此方(こちら)が立たぬ。 両方よいのは、頬冠り(ほおかむり)。 解釈:大抵の事に両方共よいということはない。あるとすれば、頬冠りくら いのものだ。「両方」に「両頬」を掛けている。 活用⇒甲乙を付けることが適当でないときは、知らん顔をすることもあ る。It is likely to look with indifference when it is not suitable to put the difference. 類義:利は両なるべからず。 良薬口に苦し、忠言耳に逆らう。 解釈:よく効く薬は苦くて飲みにくいし、身のためになる忠告は聞き辛い。 類義:金言耳にに逆らう。苦言は薬なり、甘言は疾(やまい)なり。苦い薬 は泣いても飲め。薬酒(やくしゅ)口に苦うして、病に利あり。 両雄並び立たず。 解釈:力の匹敵する二人の英雄が現れれば、必ず争いとなり、どちらかが倒 れる。 類義:両雄は必ず争う。両雄は倶(とも)に立たず。 緑林(りょくりん)。 解釈:緑色の林。また、盗賊の異称。中国後漢(ごかん)の世、窮民らが緑 林山に籠り、征討軍に抗して盗賊となったことから。 臨機応変(りんきおうへん)。 解釈:機に臨み変化に応じて、適切な手段で事を処理すること。 悋気嫉妬は女の常。 解釈:女というものは、元々焼餅焼きだという意。 類義:悋気と嫉妬は女の七つ道具。悋気は女の七つ道具。悋気は女房の役目。 悋気は女の七つ道具。 解釈:焼餅は女の持ち前の武器で、巧く使えば男を操縦する手段になる。 類義:悋気嫉妬は女の常。悋気せぬ女は弾まぬ鞠(まり)。悋気は女の嗜 (たしな)み。 綸言(りんげん)汗の如し。 解釈:「綸」は組糸。天子の発した言葉は絹糸のように細いが、下に達する ときは綸のように太くなる。君主の言は、一旦口から出れば、取り消すことは できないというたとえ。 |