六日の菖蒲(しょうぶ)。
類義:十日の菊、六日の菖蒲。
参考:菖蒲を「あやめ」とも読むこともある。
無何有(むかう)の郷(さと)。Paradise.
解釈:自然のままの理想郷。また、何一つなく、果てしなく広がった土地の
ことをいう。
昔千里も今一里。
類義:麒麟(きりん)も老いては駑馬(どば)に劣る。
昔年寄に弱い者なし。
解釈:年寄の口癖である、「今の若者は意気地がない」という言葉をからか
ったもので、年寄の昔話を聞くと、若い時に弱かった人は一人もいないことに
なる。
昔操(と)った杵柄(きねづか)。
解釈:昔身に付けた技が、長い年月を経ても、衰えていないこと。
反義:麒麟(きりん)も老いては駑馬(どば)に劣る。昔千里も今一里。昔
の剣(つるぎ)、今の菜刀(ながたな)。
昔の歌は、今は歌えぬ。
解釈:古い物では役に立たないこと。
昔の事を言えば、鬼が笑う。
解釈:過ぎ去ったことを幾ら言ってみたところで、何も解決しない。
昔の剣(つるぎ)、今の菜刀(ながたな)。
解釈:昔は剣だったものが、古くなれば菜刀としてしか通用しなくなるよう
に、どんなに優れた物でも、古くなれば使い道がないということ。また、優れ
た人物でも、老いれば軽んじられるということをいう。
類義:昔の長刀(なぎなた)、今の菜刀。昔は肩で風を切り、今は歩くに息
を切る。
反義:昔操(と)った杵柄(きねづか)。
昔は今の鏡。
解釈:昔あっての今ということで、昔を知ることが、現在を理解する上で役
立つという意味。
反義:昔は昔、今は今。
昔は肩で風を切り、今は歩くに息を切る。
解釈:昔の勢いが、現在はすっかり衰えた様子をいう。栄枯盛衰(えいこせ
いすい)の甚だしいこと。
類義:昔の剣(つるぎ)、今の菜刀(ながたな)。昔は長者、今は貧者(ひ
んじゃ)。
昔は長者、今は貧者(ひんじゃ)。
解釈:昔は勢いがよかったが、今は衰えて力もなく、落ちぶれたことをいう。
類義:昔の剣(つるぎ)、今の菜刀(ながたな)。昔は肩で風を切り、今は
歩くに息を切る。
昔は昔、今は今。
解釈:昔がとうであれ、その時のことは現在には当て嵌(は)められないも
のだ。
類義:昨日は昨日、今日は今日。
反義:昔は今の鏡。
蜈蚣(むかで)の支度。
解釈:ぐずぐずして用意に手間がかかることのたとえ。
麦飯(むぎいい)で鯉を釣る。
類義:蝦で鯛を釣る。
麦と姑は踏むがよい。
解釈:よい麦を育てるには踏むのがよいが、姑にもあまり下手(したて)に
出ない方が得策だという意。姑とは、蕗の薹を指すという説もある。また、姑
とは姑の門、即ち娘を嫁にやった家という意味で、娘の親が度々ご機嫌伺いに
行く方が娘の幸せに繋がるという解釈もある。
麦の青刈り、倉が建つ。
解釈:麦は遅く刈るより、寧ろ青いうちに刈る方がよいということ。
麦の刈り取り、三日ない。
解釈:麦の刈り取り時期は非常に短いので、その時期を逃さないように刈り
取らなければならないということ。
麦の出穂(でほ)に火を降らせ。
解釈:麦の作柄をよくするために、穂の出る頃は上天気であって欲しいもの
だということ。
麦は昼寝して刈れ。
解釈:刈った麦に雨は大敵であるが、その借り入れ時期は梅雨時である。こ
のことから、朝早くから慌てて刈らずに、じっくり天気の様子を観察してから
刈れということ。
活用⇒この時期は昼間の時間が長く暑いので、昼間は昼寝をして身体を休
め、夕方遅くまで働かなければならない。
麦藁鯛。
解釈:麦の収穫期頃に獲れる鯛は、不味くて値段も安いということ。
反義:麦藁いさき。麦藁蛸。
無患子(むくろじ)は三年磨いても黒い。
解釈:生まれつきは直せないということ。無患子は追羽根の珠に用いるほか、
石鹸の代用や子供の遊びにも用いる。幾ら磨いても黒さは消えないところから、
労して功なきこと、また色の黒い者が化粧するのをからかったりする意にも用
いられる。
無芸大食(むげいたいしょく)。
解釈:食べるばかりで、何の芸も取り得もないこと。
婿は座敷から貰え、嫁は庭から貰え。
解釈:家柄のよい婿を貰えば、自分の家の格も上がるが、嫁の家柄がよいと
威張られたり、親類付き合いに苦労する。婿は自家より身分の高い家から、嫁
は低い家から迎えるのがよいということ。
類義:嫁は下から、婿は上から。
無言の承諾。
解釈:黙っているのは、承知したのと同じだと思われても仕方がないこと。
参考:Who is silent is held to consent.(黙っていると承諾と取られる)
狢(むじな)と狸(たぬき)。
解釈:駆け引きの巧い者同士が、手練手管(てれんてくだ)を用いて対抗し
合うこと。
類義:狐と狸。狐と狸の化かし合い。
狢(むじな)の穴で、狸を捕る。
解釈:同類の者は居る場所も同じようなところが多いということ。
虫の居所(いどころ)が悪い。
解釈:機嫌が悪いこと。
矛盾(むじゅん)。Contradiction.
解釈:前後の辻褄(つじつま)が合わないこと。矛(ほこ)は手槍、盾(た
て)は槍を受け止める武器。昔、中国楚(そ)の人が盾と矛を売るのに、「こ
の盾はどんな鋭い矛でも防げる」、また「この矛はどんな堅い盾でも突き通す
ことができる」と言ったところ、ある人に、「お前の矛でお前の盾を突いたら
どうなるのか」と質問され、答えに窮したという故事による。
類義:自家撞着(じかどうちゃく)。
無常の鬼が身を責むる。
解釈:人間には、何時死ぬか分からないという漠然とした恐怖心が、常に付
き纏うものだということ。
類義:無常の虎の身を責むる。
無常の風は、時を択ばず。
解釈:風に散らされる花のように生滅・転変する人生では、何時生命も滅ぶ
か分からないということ。
類義:一寸先は闇。無常の嵐。
無尽蔵(むじんぞう)。Inexhaustible supply.
解釈:幾ら取っても尽きないこと。
娘が姑になる。
解釈:娘が嫁になり、そして子を産み、何れは姑になる。時が過ぎるに連れ
て、立場が変わっていくことをいう。
類義:昨日の嫁、今日は姑。
娘三人は一身代(ひとしんだい)。
解釈:娘が三人いれば、養蚕業を手広くやれるので、財産も増えるというこ
と。昔、養蚕業の盛んだった信州(長野県)の諺。
類義:娘三人持てば、左団扇。
反義:娘三人持てば、身代潰す。
娘三人持てば、身代潰す。
解釈:結婚適齢期の娘を三人持つと、嫁入り支度で財産もなくなってしまう。
類義:女三人あれば、身代が潰れる。娘の子は強盗八人。娘一人に七蔵(な
なくら)明ける。
反義:娘三人は一身代(ひとしんだい)。
娘出世に親貧乏。
解釈:娘を金持の家に嫁入りさせたため、支度や交際で親が貧乏すること。
娘の子は強盗八人。
解釈:娘を育てて嫁に出すまでには、莫大な費用がかかること。
類義:娘三人持てば、身代潰す。娘一人に七蔵(ななくら)明ける。
娘一人に婿八人。
解釈:一つしかない物を、多くの人が欲しがる状態のこと。
類義:女一人に婿八人。一人娘に婿八人。
娘を見るより、母を見よ。
解釈:母親を見れば、娘の人柄も分かる。
無駄方便(むだほうべん)。
解釈:無駄だと思われることでも、時として役立つことがあるということ。
胸三寸に納める。
解釈:自分の心に仕舞って、騒ぎ立てない。自分だけ心得て、顔色に出さな
いこと。
胸に一物(いちもつ)。
解釈:心に痞(つか)えている物があること。また、企みを抱くこと。
類義:一物は腹に、荷物は背に。
胸に釘。
解釈:弱点を突かれて、ぎくっとすること。
類義:胸に焼き金(がね)。
無病は一生の極楽。The having sound health is the Land of
Happiness of the life.
無法の法。
解釈:特別に法律や規則を取り決めなくても、自然に法則が備わること。
類義:理外(りがい)の理。
無用の用。
解釈:世の中で無用とされている物が、かえって非常に大切な役を果たすこ
と。
村に事勿れ。
解釈:身近で事件や問題が起こらない方がよいということ。
類義:町(ちょう)には事勿れ。兎角近所に事勿れ。
村には村姑が居る。
解釈:嫁の行動に目に光らす姑のように、近所の人の行動に目を光らすお節
介な人もいる。何処にも口煩(うるさ)い人はいるものだというたとえ。
無理が通れば、道理引っ込む。
解釈:道理に会わないことが平気で通る世の中では、道理に適うことが行わ
れなくなる。
類義:勝てば官軍、負ければ賊軍。道理そこのけ無理が通る。
参考:Might is right.(力は正義なり)
無理は三度。
解釈:我慢にも限度があり、どんなに優しい人でも、度重なれば黙ってはい
られない。
類義:地蔵の顔も三度。
無理も通れば、道理になる。
解釈:無理な事でも強引にやり遂げれば、それが正しいことになるという意。
参考:Where might is master, justice is servant.(力が主人である所で
は、正義派使用人である)
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