GLN 食而健康「鹿角の特色ある料理」

「鹿角の美味一品」はじめに

 当鹿角の郷は、東北地方の北部の、その内陸部に位置しますので、昔は新鮮な海産物 を食すると云うことは、なかなか難しいことでした。SYSOPが子供であった頃は、鮮度の 落ちたのではないかと思われるカスベ(魚のエイ?)の、即ちあの「へらい」食感には、 どうしても馴染めませんでした。現在、カスベに挑戦しようと思っていますが、今一闘 志が湧きません。この「へらいカスベ」を美味と感ずることこそが、歴史的に食べ馴ら されてきた鹿角の人の舌 − 食通なのです。
 
 その代わり、何処よりも野の幸、山の幸に恵まれております。例えば、蜜の載った鹿 角リンゴ、ツケナを選抜した「松館しぼり大根」、ホウキグサの実トンブリ(一名ギブシ)、根曲り竹(チシマザサ)のタケノコ、十和田湖のヒメマスなどは、ど なたでも充分に満足のいただける食材です。
 一方、この鹿角の郷はその昔、わが国における金などの一大産地でした。そのため、 逸速く京都〜鎌倉の文化や宗教の影響を受けました。食文化も例外ではありませんでし た。
 例えば、新米のご飯を炙って作る「キリタンポ鍋」、松館しぼり大根のしぼり汁を掛 けた手作り「ソバ」、上品で粋な玄人好みの吸物「鶏卵」、お正月期の常備食「けぇの 汁(膾の汁?)」、また深山からの清水を用いて醸す地酒(「千歳盛」等)などは、栄 養の面からも、健康の面からも申し分ありません。これらの料理やお酒は、食通を唸ら せるとともに、その調理のコーディネート、高度なセンスなど素晴らしいものを持ち合 わせています。
 このことは、京都〜江戸からの影響を強く受けてきた鹿角の人々によって、独自かつ 特異に醸成され、培われてきたものと考えられましょう。
 
 以上に鑑み、人々の「長寿」を祈念しつつ、私ども「鹿角の人」が自他ともに認める 「お土産」、つまり「鹿角の美味一品」について考えてみたいと思います。
SYSOP

リンク 「けぇの汁」

[次へ進む] [バック]