三越前  みつこしまえ   Mitsukoshi-mae   Z-09,G-12   東京メトロ半蔵門線・銀座線


やはり三越の駅

ある意味、正直な駅名

沿線の光景(大手町駅・日本橋駅から)

 〔半蔵門線 大手町駅から〕

 大手町駅を出ると、すぐにJR東京駅の北をかすめるようにJR線と交差する。地上のJR線は西から順に中央線、京浜東北線、山手線、東海道線の引き上げ線、東北・上越・長野新幹線と計10本の線路がある。続いて3度目となる日本橋川、そしてその上を走る首都高速道路都心環状線と交差し、千代田区から中央区にはいると、まもなく三越前駅に到着する。

 〔銀座線 日本橋駅から〕

 日本橋駅を出発し、東西線と交差したあと、日本橋で神田川および首都高速中央環状線の下をくぐる。引き続いて半蔵門線と交差するが電車は三越の前をしばらく走り、半蔵門線とはだいぶ離れたところに、銀座線の三越前駅のホームがある。


駅案内

 昭和初期、銀座線が開業する折に、三越の全額負担で駅が設置されたというのは有名な話である。他の駅と比べてひときわ豪華な装いの駅の建設費用の負担は重かったであろう。しかし、銀座線には「銀座、松屋、三越(銀座店)前」、「京橋、明治屋前」、「日本橋、高島屋前」、「上野広小路、松坂屋前」と放送や駅構内の標識に店の名前がつく駅が多数あるが、地図や路線図に店名が載っているのはこの「三越前」駅である。地下鉄がまだ一般化していなかった時期に投資を決断した三越の経営者には先見の明があったといえる。

 その銀座線と元号が平成に代わった1989年に開業した半蔵門線のホームはかなり離れており、乗り換えにはいったん改札を出て、三越の横の通路をしばらく歩くことになるが、半蔵門線の駅名も「三越前」となった。開業後、しばらくは終着駅であり、東急線からも「三越前」行きの電車が多数走っていたが、その頃はまだ三越のライバル、東急百貨店日本橋店(旧白木屋)が健在であった。営団(当時)も駅名をつけるときに配慮が足りなかったのか、それとも「遠くの親戚より近くの友人」であったのか。もうその東急日本橋店もなく、その場所にはコレド日本橋が建つ。三越も新館を開業させ、自己鍛錬に余念がない。江戸時代から全国の道路の起点である日本橋を渡れば三越の宿命のライバル、高島屋東京店があり、銀座松屋、松坂屋も含め、しのぎを削っている。

 駅名だけ聞けば、ショッピングの街という印象しか受けないこの駅であるが、三越と反対側の出入口のそばには日本銀行がある。東京証券取引所も近く、証券会社や地方の金融機関の支店も集中する金融街である。それでも大手町とは異なり、休日も人通りが多いのは、「よきライバル」三越と高島屋の競争の賜物であろう。


辰野金吾博士設計の日本銀行本館

ホームは間接照明を効果的に利用している

日本銀行側の出入口は昼間は静か

三越とは当然ながら地下で直結

周辺案内

 〔見どころ〕

 〔商業施設〕

 〔その他〕

 〔路線バス〕

 〔関連サイト〕


半蔵門線と銀座線のホームは離れている

レトロな雰囲気の銀座線ホーム

伝統を現代的にアレンジした三越新館

三越といえばライオンです

駅データ






トップ駅紹介日本橋大手町/三越前/水天宮前神田   参考資料