イタリア・ドライブ'97 (12) ミラノ・コモ編 (2)
[6月17日](火)
9:00頃 |
地下鉄でサンタ・マリア・デッレ・グラッツェ教会へ。すでに教会前は超長蛇の列。 |
11:30頃 |
やっと入れて「最後の晩餐」見物、10分で出る。 |
12:30頃 |
ホテル、チェックアウト。車と荷物はそのまま置かせてもらい、シエスタの街でウィンドウ探査。 |
14:00頃 |
ドゥオーモ広場に面したデパートの上の食堂で昼食 |
15:00頃 |
店が開き始め、夕方までお買い物。 |
18:00頃 |
ミラノを出てコモ湖へ |
19:00頃 |
コモ湖畔のホテル、ヴィラ・デステ到着 |
20:00頃 |
コモの街散策。バールででも夕食をと思ったのだが、いまいち食欲なし |
21:00頃 |
部屋で夕食 |
一度きりで結構だぞレオナルド
ホテル・マンゾーニは朝食なし。
前回、時間の関係で見学できなかった「最後の晩餐」。やっぱ見なきゃでしょうと、サンタ・マリア・デッレ・グラッツェ教会へ行く。どうせ駐車場所に困るだろうと地下鉄で行くことにした。
モンテ・ナポレオーネ通りを東へ行くとサン・バビラ広場に出る。ここの地下鉄駅から4つ行くとカドルナ駅に着く。ここは鉄道北駅に接していて、駅の正面に出る。
駅からは大量の通勤客が吐き出されている。せかせかと通勤を急ぐミラノっこの群の中、改めて都会さ来たなあと実感し、こちらの足取りも自ずと速くなる。教会はすぐ近くだ。
ところが教会前広場まで来てびっくり。早くも長蛇の列が広場を一周して並んでいる。4百人はいそうだ。8割がた日本人で、1割がドイツ人、アメリカ人、残りが韓国、中国(香港?)といった構成のようだ。
広場に面したバールで焼きたてのパンと水を買ってきて、並んだまま朝食。しかし入場規制しているので、これがなかなか進まない。こりゃ昼までかかるかもよ。妻は午前中の買い物をあきらめた。
2時間以上並び続けてやっと入場。入場料が2万リラ(あやふや)もする。いままで大抵の美術館が千5百とか2千リラ程度だから10倍だ。ここでも日本人ぼられるの法則なのか。
10人程度づつ5間隔ぐらいで入って行く。例の食堂だった暗い部屋にはレオナルドの壁画と、反対側にはモントルファノの「キリストの磔刑」。それだけ。もう出口。
「二度と来ねぇぞ。」
思わずいささか下品なつぶやきも出るというものだ。
ちなみに教会の建物自体はブラマンテの完成させた美しいもので、内部はフリーなので、並んでいる間、交代で見学するのもいいだろう。
97年ミラノのハヤリもの
どっちかといえば流行モノには疎い方なので、眉に唾つけてもらっていいのだが、やたらに目に付いた感じでは以下の3点。
サングラスのカチューシャ的利用
イボイボ底のドライビングシューズ
ブルドッグ系の鼻ペチャ顔の犬
ドライビングシューズは妻につられて自分の分も買ってしまったが、靴底の柔らかいイボイボラバーはすぐにでも減ってしまいそうだし、そうなったらいったい修理できるのだろうかという不安がある。
買い物三昧
チェックアウト時間に30分遅れてホテルに帰ったが、別にとがめる様子はない。チェックアウトして、夕方まで車を置かせてくれるかと聞くと、これも全然オッケーだ。別にお金を取られもしなかった。なかなかいいっすねマンゾーニ。(げんきんな奴)
確かに、ホテル・マンゾーニは安い割には、水周りやセキュリティ設備がしっかりしていて清潔だし、好感度高し。サービスがそっけないのはしかたないことだ。
手ぶらでウィンドウチェック。当然、昼からは3時頃まで閉店なのだ。
ドゥオーモ広場に面してデパートがあるのは有名だが、わざわざ彼の国でもとめるほどのものはない。ここは上の階の食堂がお奨め。現代的な窓のすぐ外にドゥオーモのゴシックの黒い骨組みが迫り、そこを屋上ツアーのカラフルな観光客が右往左往するという、何ともシュールな光景を眺めつつ、安っぽいイタ飯が楽しめます。
さて妻の下僕に徹することになったぼくは、荷物が両手いっぱいになるとホテルへ戻って車に積み込み、また出かける。これを何回か繰り返す。駐車場係りのオヤジは「また来たのか。まだ買いに行くのか。」と笑っていたが、その都度重そうな電動扉をガーと操作して「プレーゴ」と招き入れてくれる。まあ、最初に多めにお礼を払っておいたせいかもしれないが。
われわれ夫婦はイタリアの服はドゥオーモあまり合わない顔つきと体型をしているので、結局買ったモノは靴関係が主で、あとは若干の生地モノ(スカーフとかネクタイなど)程度だ。くわしいことは忘れた。
最後の滞在地、コモ湖へ
夕方、とはいってもまだ北イタリアの日は高いが、ホテルを出発。スフォルツェスコ城を回ってセンピオーネ通りを郊外に走るとすぐに外環状線にぶつかる。そこから専用道に乗って高速8号に入る。都心に向かうのは苦労するのに、出て行くのは簡単なのだ。
BMW318iは高速に乗ると、やはりローヴァー618より俄然安定がいいように思える。まもなく高速9号線に分岐して北へ向かう。通勤帰宅時間らしく比較的交通量は多いが、140q/h程で巡航していけばほどなくコモに到着。
高台にあるインターを出て湖岸に下って行くとコモの町に入る。最後の宿、ヴィラ・デステはコモ湖にあるというのは知られているが、実際はコモの町ではなく時計回りに隣町、チェルノッビオに位置する。ミシュラン赤でもコモの項にはないので不思議に思っていたのだが、予約を入れて住所を見て初めて分かったのだった。
コモ湖畔の夕暮れ
そろそろ黄味がかかってきた日を浴びる山と、藍色の空を写す湖面を右手に見つつ走ると、まもなくチェルノッビオの小さな町を過ぎる。あとは看板にしたがって進むとヴィラ・デステのゲートに至る。
詰め所でいったん止められるが、宿泊だと言うと、別に調べもせずどうぞとなった。この時顔を覚えたのかナンバーを控えたのか、その後は止められることもなく、何度も出入りできるのだった。
フロントでチェックインをすると部屋は別館だという。広大な敷地にはスポーツクラブ棟を挟んで2棟のヴィラがあり、白い建物が本館、レンガ色の建物が別館だ。
本館はホールやメイン・ダイニングがあってやたら豪華。別館はアンティークでヴィラとしてはこちらの方が静かで落ち着いている印象だった。
広大な敷地を車で回っていくと、有名な遠近法的庭園の途中、ちょうどグロッタ装飾の壁の向こう側を横切るようになっている。しかも背後の森にまっすぐ登っていく庭園の途中は陸橋になっており、下を一般道が抜けているのだった。湖畔側から見ると絶対気付かないように、巧みに作ってあるものだ。
部屋の窓から見下ろすとポーターが思案顔で叫ぶ。
「シニョール。これ全部運ぶんですかぁ。」
「そう。トゥッティ。お願い。」
バラバラの買い物の品々がトランクに入っていたことを忘れていた。
ヴィラ・デステでカップ麺
コモの街のバールで軽く食事しようと、少し休んで外出。実はこの日、ホテルではなにかパーティがあったらしく、ダイニングや庭園は黒タイとイブニングドレスで溢れていたのである。さすがに疲れて、がちっとした格好で食事をする気がしなかったのだ。
しかし夕暮れの湖畔を散歩しただけで、2人ともあまり食欲もなく、むしろもうベッドにひっくり返りたいぞと、意見が一致。
部屋でクラブサンド、それに熱いお湯をポットで持ってきてくれと頼む。
「シニョール。日本の緑茶もご用意できますが。」
「あ。いいのいいの。僕たちは特別の茶を飲むのだから。くれぐれも熱々のを頼みますよ。」
嘘つきである。ホントは日本から持ってきたまま、食べる機会もなくずっと持ち歩いてきたカップ麺を食べるためだったのである。
「ヴィラ・デステくんだりまできて、カップ麺食べるのは俺達ぐらいだろうね。」
「この梅干しも美味しいよ。」
「あちゃー。このタオルミーナで買ったグラッパ、日本までもたないぞ。」
妻は部屋のウェルカム・シャンパンとフルーツに持参の梅干し、僕はグラッパを飲みつつ、カップラーメンと大盛りのクラブサンドを食べてそれなりに幸せなのであった。
本日のお買い物
婦人靴4足/フェラガモ
ひもサンダルみたいな靴/ブルーノ・マリ
ドライビングシューズ男女2足/JPトッブス
紳士靴/フラテッリ・ロセッティ
紳士サマーセーター/ドゥオーモ広場に面したどこか
あとなんだかんだ。一気に買い物すると、何を買ったのかなんてすぐ忘れてしまいます。