イタリア・ドライブ'97 (11) ミラノ・コモ編 (1)

[6月16日](月)

9:00頃

サン・ドメニコ・パレスをチェックアウト、カターニャ空港へ。

10:00頃

カターニャ空港でレンタカー返却。財布置き忘れ事件発生。

11:00発

AZ1716便でミラノへ。

12:45

ミラノ、リナーテ空港着。空港のアウト・グリルで昼食。エイヴィスで3度目のレンタカーを借りる。

14:00頃

空港からミラノ市街へ。市街で迷ったり、開き直って運河地区など走ってみたり、渋滞に巻き込まれたり。

18:00頃

ミラノのホテル、マンゾーニにやっと到着。

19:00頃

急いで街に買い物に繰り出すも、軒並み閉店時刻。

20:30頃

一つ星レストラン、ペックに飛び込み夕食

財布置き忘れた

 だいたいこの日はろくなことがなかった。

 カターニャ空港手前でガソリンスタンドに寄り給油する。この時、財布を中央のボックスに入れたのだった。エイヴィスの駐車場に停めて荷物をカートに積み込んでいると、係員の若い女性がやってきた。この空港では窓口まで手続きに行かなくてもいいらしい。

 最後の忘れ物チェックをしている最中だったのに、あたふたと書類を出してやりとりするうちに、財布のことをすっかり忘れてしまったのだ。けっしてサングラスのグラマーなお姉さんに見とれていたからではない。

 で、アリタリアのカウンターまで行ってチェックインをするときに、気が付いた。

 駐車場までダッシュで戻るが、既に車は何処へと消えたあと。急いでエイヴィス(イタリアではアヴィスと発音する)の窓口へ行くと、たまたま到着便があったのか、長蛇の列が出来ている。フライトまで30分。

 間もなく、先ほどのお姉さんを発見。かくかくしかじかというと、メンテナンスに行ってしまったので待っていてと、携帯で連絡してくれた。フライトまで20分。

 チェックインを済ませた妻がやってきて、2人で相談。現金は2万円分もないはずだが、クレジットカードが全部入っている。アメックスはすぐ臨時カードを発行してくれるそうだから、ミラノで連絡して・・・・。フライトまで10分。

「頼む。時間がないのよ。急がして。」

私としては懇願口調のつもりが、その顔じゃなんか怖いよと妻は言う。

「アンジェロっていう係りの物が向かっているはずだから、ここで待っていて下さい。」

やがて貴重品袋らしき紙袋を持った若者が走ってきた。

「あー。アンジェロさん? ありがとー。」

 お礼に10000リラ(もういくらだってやっちゃうよって気分)を引っぱり出すが、アンジェロは笑って両手で止めて、結構ですから早く行ったほうが、と時計を指す。フライトまで3分。

 あとは走るのみ。すごい勢いでセキュリティチェックを抜けると、搭乗ロビーで係員が笑いながら3塁コーチのように腕を回している。滑り込みセーーーフ。

最後の車はBMW

 ミラノのエイヴィスでは車がなかなか決まらず、30分以上も待たされた。電話で一所懸命探してくれるのだが、借りるべきグレードの空車がないらしい。時間指定で予約を入れているのだから空車の用意くらいしておいて欲しい。

 しかし、カターニャ空港での嬉しい一件もあったので、エイヴィスさんには当分文句は言わないのだ。

 結局借りたのはBMW318iのガンメタリック。去年の車と同じだった。ローヴァーよりは小振りで、トランクルームに2つのスーツケースは入らない。まあイタリアの中では品の良いミラノとコモだから大丈夫だろうとひとつは後部座席に積み込んだ。

嵐の市内ドライブ

 ミラノの空はあいにくどんよりと暗雲がたちこめ、ほどなく大粒の雨が降ってきた。リナーテ空港から都心部まではすぐ近く。多少交通量が多く、渋滞気味でも40分ほどでドゥオーモのゴシック屋根が見えてきた。

 ところがここからがいかん。ホテルのある街区になかなか入れないのである。ミラノのホテル・マンゾーニは3星のリーズナブルな宿だが、去年泊まったフォーシーズンの隣の街区、やはりモンテ・ナポレオーネ通りとスビガ通りに挟まれた、とんでもないところに位置する。

 このお買い物天国(地獄?)一帯は、一方通行が街区から出る方向にはたくさんあるのだが、入るところは一カ所しかなく、しかもいくつかの曲がる順番を間違えると絶対に入れないようになっているのだ。この入り口がなぜか分からない。

 去年、なんなくフォーシーズンに到着したのは、かなりまぐれに近かったようだ。失敗すると、大通りに出てしまい、夕方の渋滞の中、かなり大回りして再挑戦しなければならない。雨は横殴りの土砂降りとなり、稲光と雷鳴が轟く街はひどい渋滞となってきた。

 何度か失敗したあと、開き直って南のほうの運河地区など走ってみたりするが、妻は早くお買い物がしたいので非常にご機嫌斜めとなっている。結局、車を停めて独り雨の中歩いて、一方通行の組み合わせを確認。ずぶ濡れだ。

 ホテルについて、休むまもなくお買い物に出かけるが、物色する間にもブティック閉店の時刻が近づく。妻はますます機嫌悪し。明日はすっかり買い物に付き合うからということで今日は勘弁してよー、もう。

エアコンなしの蒸し暑い夜

 8時頃には嵐(夕立だったのかも)も収まり、夕食はドゥオーモの近くのペックへ。赤ミシュランで1つ星が付いている。お腹ぺこぺこ、足下ふらふらだったので、予約なしで飛び込む。

 ミラノといえばやっぱしコストレッタ(ミラノ風カツレツ)とオッソブーコ(仔牛すね肉骨付き煮込み)ですね。それからゴルゴンゾーラのリゾットとお隣ピエモンテの赤ワイン。妻、いくぶん機嫌良くなる。

 ホテルはFAXでいわれたとおりエアコンなし。電動シャッターを30センチほど開けると蚊が入ってくる。そういえばイタリアは結構蚊がいるのだが、網戸って見かけない。

 夕立の後で幾分涼しいとはいえ、湿度が高く寝苦しい。部屋に冷蔵庫もないので電話をすると、フロントまで取りに来てくれだと。しょうがないなあ、マンゾーニ。

おーい、この日は写真もないぞお。

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