イタリア・ドライブ記 (11) 旅は終わりもリゾート地

 

 

7月24日(月) フィレンツェで買物後、リヴィエラ海岸へ

 

7:00頃、起床

 

ゆっくりと朝食を取り、ショッピングへと出発した。ローマから来るときは異常な買物意欲を見せていた妻だが、いざ平日の朝となると、さほどあれこれ言うこともなく、結局靴2足(1足約15000円)と小物程度で満足したようだ。

 

フェラガモではぼくの皮のハーフコートを買わせたかったらしいが、ほぼ決まりかけた時に袖丈が合わなかった。7時間で直してくれるといわれたものの断念。ミラノで買うからねと残念そうでだった。

 

12:00頃、ホテル、チェックアウト

 

サン・ミニアート・アル・モンテ教会最後に高台からフィレンツェの遠景を眺めてお別れしようと、南側の高台にあるサン・ミニアート・アル・モンテ教会へ行った。フィレンツェ・ロマネスクのとても美しい教会である。緑と白の大理石で幾何学的装飾の施されたファサードをアプローチの石段を登りながら見上げると、背景の青空と相まって息を呑むほど美しい。さらに段上から後ろを振り返ると、深い緑の木立の向こうにくすんだ橙色のフィレンツェの屋根並みが一面に広がっていた。

 

内部は暗く涼しく、13世紀のモザイクとフレスコ画で彩られている。

 

13:00頃、昼食

 

ラ・ロッジアのテーブルより教会から程近いミケランジェロ広場で眺望のだめ押し。団体バスがたくさん出入りしているのを見て、うちの妻も以前ここでトイレ休憩したのを思い出した。ここはフィレンツェツアーの団体さんが大抵寄るところだそうだ。

 

その広場越しに市街地を眺めながら、ラ・ロッジアというお店のテラスで昼食。ミシュランで3つフォーク印のお店だった。シーフードサラダとパスタ。美味しい、のはもとより眺めが良い。

 

14:30頃、フィレンツェを後にし、一路リヴィエラ海岸へ

 

フィレンツェもまた来なくちゃねぇ。などと言いつつ後ろ髪を引かれる思いで高速道路11号線に乗った。緩やかな山間をカーブとトンネルの多い高速道路が続いていた。やがて最後の山裾を回ると光るリグリア海が広がる。

 

ピーサの近くで高速道路は12号線となりジェノヴァ方面へ、ジェノヴァから10号線となってサンレモを経て、フランスはニースへ至る一体がリヴィエラ海岸である。目的地はジェノヴァの手前、ポルトフィーノ半島の突端である。

 

左手に海が見え隠れする景色はトスカーナとまた趣が異なる。土地全体の湿度が更に少し増した感じで緑も多く、これもまた美しい。

 

折角良い景色なのだからと、ひとつ手前のインターで降りて海岸沿いに走ることにした。海まで出て車を停めると、海水浴客で賑わっていた。アマルフィ海岸の照りつける感じとは違い、柔らかな熱気に包まれたリゾート地という感じだ。

 

海岸沿いの曲がりくねったつづら折りをポルトフィーノへと向かう。ローマを出たあたりから気が付いていたのだが、イタリアを北上するにつれて運転作法は大人しくなってくる。ちょっと狭ければスピードは出さないし、強引な割り込み、追い越しもここまで来ると殆ど見られない。ナポリの感覚で運転しているとひんしゅくを買っているのが判るほどで、ちょっと注意したのだった。

 

観光客らしいフランス車も多かった。

 

17:30頃、サンタ・マルゲリータ・リグレ

 

東から半島に差し掛かりすぐに美しい街サンタ・マルゲリータ・リグレに入る。左は海水浴場とマリーナが続き、右にはホテル、バール、ブティックなどのお店が立ち並んでいた。

 

半島の先の方は自然公園になっており、展望道路は岩と緑の入り組んだ海岸沿いに更に狭くなりつつ続いている。

 

入り江の奥に色とりどりの家が集まった漁村ポルトフィーノで行き止まり。道を聞いた。ちょっと戻ってホテル・ピッコロの所を登るのだよと教えてもらう。もはや片言のイタリア語と身ぶりで充分やりとり出来るようになっていた。

 

目指すホテル・スプレンディドはミシュランで赤4つ屋根印の上等推奨ホテルである。昔はグランド・ホテルと呼ばれたらしく、ピッコロ(小さい)の上にグランド(大きい)があるというのは面白い。

 

18:30頃、ホテル・スプレンディド、チェックイン

 

ホテル・スプレンディド料金の高いホテルなので少々ケチって海の見えない部屋を予約していたが、海に面してテラスが無いだけで海と美しい海岸の風景が臨める部屋だった。

 

部屋の下は正面玄関と車寄せだったが、停まっている車がなかなか圧巻だ。ポルシェ、ベンツなんか当たり前、フェラーリ、ダイムラー、ロールスなどがごろごろし、まるでカーグラフィック誌の世界である。

 

ところがこの数ヵ月後、ビル・ゲイツはここにヘリコプターでやってくるのである。凄い。

 

20:30頃、ホテルで夕食

 

滞在したという世界の有名人の写真がたくさん飾られているラウンジを抜けると、小さな美しい港を見おろすテラスレストランだった。一段下がった下にプールがある。エビのグリル、パスタ、地元の赤ワイン、あとは忘れた。

 

良い調子でワインを飲んで、残りは部屋に持っていって良い?と聞いたらもちろんとクーラーから引き抜いてくれたのは良いが、あと2センチ程しか残ってなかった。大笑いである。ごめんここに注いじゃってとワイングラスを指さす。単なる酔っぱらいオヤジで恥ずかしい。

 

 

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