イタリア・ドライブ記 (6) 何もしないリゾートの一日

 

 

7月19日(水) 終日ホテルで過ごす

 

7:30頃、起床。

 

朝のホテル・サン・ピエトロのレストランこの日は何もしないでリゾートを満喫しようと決めていた。朝食を部屋へ持ってきてくれと頼む。どうも毎朝レストランに客が少ないので変だなと思っていたら、たぶん殆どの客は部屋のテラスで朝食をとっているらしいのだ。それまで出かける準備などであわただしい朝を過ごしていたので気が付かなかったが、あちらこちらのテラスから話し声が聞こえていた。

 

8:30頃、朝食が届く。

 

ルーム係が笑顔で何やら言ったが判らない。すると彼はイタリア語の解説を始めた。

 

「今日は、ビーチ、行くですか? ヴァイは行く、スピィアジアはビーチ、オッジは今日です。」

 

「ああ、解った。今日は一日中ホテルに滞在しますですよ。ビーチに行くつもりですよ。ええと、ヴァド・ア・スピィアジア・オッジ。これででいいの?」

 

ちょっと違っていたかもしれないが、満足げに頷くルーム係。この日はこの後、いろんな従業員から、ルームナンバーは「チンクアンタ」だの、おやすみは「ボナ・ノッテ」だのと、やたらとイタリア語を教えられることになった。あんたは下手な英語を使うよりイタリア語を覚えなさいという感じだ。よけいなお世話である。

 

イタリア人、教えたがりである。

 

ぼくらとて、伊達にNHK教育TVのジローラモのくどい顔やダリオの股間もっこりパフォーマンスを見てきたわけではない。時折イタリア語を出しては笑いをとった。ただやはり会話にはならないのだった。

 

さて、既にテラスには日が射して暑い。たっぷりのパンと追加注文したフルーツバスケットが残ったのでしまい込んだ。

 

ホテル・サンピエトロのビーチ10:00頃、ビーチへ降りて行った。

 

またも大きな黒い犬のお出迎えだ。ビーチチェアでミネラル水をもらい、文庫本を開いてひたすらゴロゴロした。暑くなるとデッキから梯子で海に降りてプカプカ泳ぐ。

 

13:30頃、昼食。

 

ホテルへあがるエレベーター入口ビーチサイドのバールから最終オーダーですといって来たので、そっちへ行くよといって、3種類のパニーニとマルガリータを注文した。パニーニは大きくて食べきれなかったので、またしまい込んだ。

 

食後、ビーチマットを借りた。妻は泳げないことはないのだが、足が付かないと恐いといって、砂利の痛い浜辺で水に浸かっていたのある。彼女を乗せて押しながら入り江をキャアキャアと行ったり来たりしていると、ビーチに居た他の客が見ていて何やら楽しそうだぞと思ったのか、急に大勢がマットを繰り出して来て、たちまち入り江はマットと歓声で溢れてしまった。黒い犬まで嬉しそうにバフバフと泳いで来た。

 

15:00頃、上階のプールへ移動。

 

このホテル、ビーチの他に建物の上階にプールもある。最後の日なのでこっちも行ってみようと水着の上に服を着て移動。

 

途中フロントでベッドカバーを買いたいのだがと申し出る。昨日ナポリで買えなかったフレッテだ。バスローブやタオルは買いたければコンシェルジェに要求してくれと書いてあったが、ベッドカバーにはさすがにコンシェルジェも怪訝な顔で、売り物にはしていないと言われた。

 

こういう時「女房がそう言うんだよ」と言うと何とかしてくれる事が多い。今回は実際そうなのだが、部屋を換えたい、品物が気に入らないなど、もっともな理由が説明し難い時に重宝する言い訳なのである。「奥様がおっしゃられるのではしようがないですね」と笑って肩をすくめるコンシェルジェ。在庫があるかどうか問い合わせておくと約束してくれた。

 

17:00頃、部屋へ戻る。

 

もう体中真っ赤になっていた。焼き疲れて部屋のベッドに倒れこむ。気が付くともう真っ暗だった。良く眠る日である。

 

夕食はまたもやパスすることにした。朝食と昼食の残りのパンとフルーツ、夕べの残りのハムとワインを食べて、荷造りを始めた。明日はチェックアウトしてパエスツムを見学し、ローマへ戻るのだ。気力充分である

 

 

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