夏の知床紀行(3)

3)知床五湖の自然1(8月6日)
今日はこの旅行のメイン行事の五湖散策の日です。ホテルで待ち合わせた知床ナチュラリスト協会のインタープリターの方の車で、ウトロ港を見下ろしなから五湖へ向かいました。五湖周囲にも以前は人家があったようですが、自然の厳しさのために廃屋となっていました。
知床半島は全域ヒグマの生息域ですが、入り口に着くなり三湖から五湖までは熊出没のために 進入禁止でした。しかたなく一湖と二湖のみの散策に変更です。知床は世界で一番熊の密度が濃い地域とのことです。

夏涼し熊は何処か笹深し

背丈程あるクマザサの間に道が通っていました。程なく珍しいミヤマクワガタが迎えてくれました。ラッキーo(^-^)o

オンコロ岩とウトロ港を見下ろす ニレの木のミヤマクワガタの雌

硫黄山は山頂が時々顔を出す程度で雲を頂いていました。周囲にはトドマツが多く、潰すと鎮静効果があるといわれるジンのような芳香がしました。白黒のシマエナガが綺麗な囀りを聞かせてくれました。「あ〜清々しい」

夏の杜フィトンチッドをぐいと吸い

硫黄山を望む トドマツの樹脂

面白いことに、観光客の方は大きな声で話しながら通り過ぎます。熊予防のようですが、風景を眺める余裕もなく「さ〜っと」通りすぎるには勿体ない自然です。そうしていると少し向こうにりっぱな角をもった雄ジカを発見。ゆっくり草を食べて小さな沢に入って行きました。 この付近には足跡や糞が確認できました。シカの糞はどんな臭いと思いますか?実は、臭いは全くありません(嗅いでみましたよ)。

エゾシカの足跡(凹んだ部分) エゾシカの糞

熊が出たら「くまった」などと駄洒落をいう余裕はないのですが、熊が付近にいる時は動物園の猛獣の檻の強い臭いがするそうです。もし出会ったら、ジッとしてゆっくりと後ずさりして退散するようにします。背を向けて逃げるのは危険なようです。一湖と二湖には熊はいませんでしたが、ヒグマの食べ跡や通過した形跡が残っていました。ヒグマはマルハナバチ、蟻、芭蕉いもが好物です。

夏の森今ある生を感謝して

エゾヒグマ(逢わずにすみました) 熊の食べ跡

熊の食べ跡 熊が通った跡に芭蕉の葉が倒れる

まだまだ続く五湖の自然!



1)釧路にて
2)釧路からウトロへ
4)知床五湖の自然2
5)網走まで

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