祐信ミューゼアム

畦地梅太郎さんの版画

「山のぬくもり」

畦地梅太郎さんを知っていますか。愛媛県出身の版画家さんです。
初めて出会ったのは、北アルプスの燕岳でした。燕岳の山小屋に、彼のデザインのグッズを売っていました。
いまでもあるでしょうか。なにしろもう20年以上も昔のことです。
なんて楽しい絵なんだろうって思いはしたものの、誰の絵なのか確かめてみようとまではしませんでした。
貧困で、生きることだけで精一杯の時代でした。
「祈り」

次に出会ったのは、四国に暮らすようになってからです。
本土で暮らしていた頃は、休暇になると山に登っていましたが、四国には高い山がない。・・・あるんだけど、山頂までいっても蝿が飛んでいたりするんですね・・。それはともあれ。
愛媛の石鎚山に登った帰りに、松山のサンパーク美術館を訪ねたところ、ここが彼の記念美術館でした。ここで再会したわけです。1994年の初夏のことでした。
「ものの気配」

なんだこんなところにいたんですかって、会えたときは本当に嬉しかったですね。以来、ときおり松山を訪れるようになりました。
初めて訪れた頃はずいぶん遠かったのですが、あれから高速道路が延びました。いまは3時間くらいでしょうか。来年の春には、いよいよ高速道路で松山まで直結します。
畦地さんの美術館が近くなることが一番嬉しいです。
「親子よろこぶ」

最近では1999年の2月に訪れました。
前年から各地で「とぼとぼ96年」という作品展をやっており、その最後の会場が、この松山の畦地梅太郎記念美術館だったんです。
そうなんです。畦地さんはなんと96歳なんですね。
この作品の若さを見て下さい。
「6人の山」

そんな矢先の1999年4月12日、畦地さんの逝去を知りました。
いつかお会いしたいなって思っていましたので、かなりショックでした。
桂枝雀さんの訃報に接したのは、それからすぐのことでした。


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