「ハリー・ポッターと賢者の石」(原題:Harry Potter and the Philosopher's Stone)
形態
単行本
種別
ノヴェル
部門
長編
出版
静山社
値段
¥1900
初版
1999-12-08
総合
☆
ストーリィ
☆
技術
−
1997年6月にUKで出版されるや評判を呼び、日本を含めた各国で計3600万部を超える大ヒットを記録した記念碑的作品。著者J.K.ローリングの処女作で、全7巻からなる <ハリー・ポッターシリーズ> の第1巻でもある。
原書は上記したように'97年にブリテンで刊行され、その後、「Harry Potter and the Sorcerers Stone」と改題されてアメリカ版が世に出された。このアメリカ版におけるタイトルの変更は、大変な誤解と無知から生じた改悪であり、各方面からかなり辛辣な批判の声をあびている。
(the Philosopher's Stoneは「賢者の石」と訳される錬金術を語る上で重要な存在であり、確立された固有名詞。一種の学術用語とさえ言える。安易にthe Sorcerers Stone [=魔法使いの石] などと言い換えがきくような類の言葉ではない。)
元は児童小説――すなわち子供むけのファンタジー小説として刊行された本書だが、大人が読んでも楽しめると人気を呼び、世界的な「ファンタジー・ブーム」を巻き起こした。本書のヒットをきっかけに各国でファンタジー小説が新たに刊行され、うもれた過去の名作にもスポットがあてられた。
日本語版の成立の経緯と翻訳に関する事情については、なぜ「静山社」なる名前も聞かないマイナー所が権利を抑えたのかをはじめ、巻末に収録された訳者あとがきに詳しい。