※note
・ドナー登録の年齢制限について
2005年3月より、ドナー登録可能な(下限)年齢が20歳から諸外国とおなじ18歳にまで引き下げられました。この新制度により、未成年者でも18歳に達すればドナー登録をすることができるようになります。
ただし骨髄移植推進財団の広報渉外部によれば、可能なのはあくまでデータベースへの登録のみであり、実際の提供(患者さんとHLA型の適合検索)は従来どおり20歳からとなるようです。また、登録時には特に必要ありませんが、骨髄提供時には家族の同意が必要となることもこれまで通りとなっているようです。
ドナー登録を50歳までとする年齢上限に関しても、現在のところ厚生労働省の専門委員会で見直しが検討されているようですが、慎重論の方が優勢である模様。海外では55〜60歳までが当たり前という現実もあり、これに関しては更なる論議が必要とされそうです。
・ドナーと患者の面会について
基本的に著者もこれには反対です。ドナーとレシピエントは会わない方が無難しょう。 <全米血液資源教育プログラム> 製作のNMDP(全米骨髄バンク)に関するオリエンテーション・ガイドに目を通しましたが、これにでさえ基本的にドナーと患者との面会はすべきでないとされています。
ただ、これは初版が1991年、一部改正が1995年に行われたもので多少古い資料であることは否めません。ドナーと患者の面会に関しては面会を果たした後に若干の問題点が発生しているそうで、NMDPでも確立した方策はないといいます。
このようにアメリカでさえ手探り状態というのが現状ですが、実験的にとはいえ面会が行われはじめているのは確かです。「日本では現在、また将来的にも面会を全く想定していない」と説明すると、アメリカの関係者に「それは信じられないことだ」と呆れられてしまった――というのは、1997年度のNMDP年次会で実際にあった話だと聞きます。
個人的な見解ですが、日本(厚生労働省)は <面会はさせない> と前世紀に決定してより、そこで考えるのを止めている傾向にあります。思考停止というのは我が国が抱える正すべき悪癖のひとつですが、ここでもそれは見受けられるわけです。これは国際的な観点から見ても些か保守的に過ぎる姿勢にあり、それが日本骨髄バンクの実績の低さにも繋がっているように思えます。改めて考えてみるべき姿勢なのかもしれません。
・参考:本編中一部抜粋
(c) Leukemia Society of America
"Emotional Aspects of Childhood Leukemia A Handbook for Parents"
http://www.leukemia.org
小児白血病の精神的・感情的側面での赤木博士の言葉は、上記資料を参考にし、実際の研究成果に基づいたものにしようと努めました。しかし内容については必ずしも保証されるものではありません。仮に何らかの不備があったとしても、資料製作者や原典の各発行元は本編の内容に関して一切の責任を持ちません。