「七の水の支配者」
Divine Arf
− 神聖闘機 L−seed −
第十四話 「海神」
「・・・・・・全ての人類の為に僕は、血が流れない平和を求めましょう。・・・・・」
「君なら出来るかも知れないね・・・・・」
モニターに映る青い髪の人物に優しげな眼差しを贈った後に、
トルス=シューベル
はそう呟いた。
後ろで無造作に縛られた髪が、肩越しから流れる・・・・モニターの中の人物と同じく青い青い髪。
その顔は、女性とも取れるほどに綺麗な顔だった・・・・
体も同様にして、線が細い。
しかし、華奢とも言えない引き締まった体つき。
パワー重視の格闘家とまでは言えないが、スピードを武器とした武道家の印象がある。
「僕にはたぶん無理だけど・・・・・」
モニターからの光が消えるまで、じっと見つめ続けるトルス。
彼に声は聞こえていない。
ただ、その人間の顔だけが思い出という名の写真と照らし合わされて続けていた。
モニターからの光が、不意に切れ、狭いそこは微かな光しかなくなる。
青い青い微光。
彼の髪の色さえも分からなくなるほどの、その中で、ゆっくりと、トルスは目を閉じた。
そして、まるで赤ん坊のように眠りの海に落ちていく・・・・・
薄れゆく意識の中、想うことは・・・・・
心の写真一枚だけ。
「・・・大きくなったね・・・ルイータ。」
地球
「うぃっちさん、
こんにちは!もしくはこんばんわかな?実はおはようだったりしてね?
とにかく!BCで〜す。」
「うぃっち」は、3番目の挨拶が適当である時間帯にパソコンの前に座った。
長い黒髪が揺れて、肩に掛かる・・・・それを手で優しく後ろに払うと、メールを改めて見つめる。
そうして、彼女の安らぎのひとときが始まる・・・
「うぃっち」の朝は、何よりも先にメールチェックから始まる。
そこに「BC」からのメールを発見すればその日一日、彼女は笑顔が多い日となるのだ、
綺麗な晴れやかな笑顔の彼女に仲間達も自然と笑顔を浮かべてしまうぐらい。
その理由を知らない仲間たちからは、彼女の美しさが増すことも掛けて、
『虹の日』と呼ばれていた。
もっとも、口の悪い仲間の一人は、
『嵐の後の静けさ』と呼んでいたが・・・
兎に角、「うぃっち」の中で、このメールのやり取りは、特別な意味を持っていた。
それは単に長い間の友と言うことだけに起因するのではない。
もっと深い部分、心の部分で「うぃっち」は「BC」とつながっている。
それは、傍目から見たら微笑ましい物であったが・・・・
「うぃっち」は、皆の予想以上に心の大きな部分を「BC」に依存していた。
それは過去から続く痕(きずあと)のせい。
「うぃっち」の過去、
つまり、
フクウ=ドミニオンの過去は、
今の「月読」だけでは、癒しきれない程に辛い・・・
EPM軍特殊諜報部第2課、別名SI2。
かつて、フクウが月読に配属される前、所属していた部隊の名前。
士官学校を、現月読の隊長であるレイアルン=スプリードと共に、
優秀な成績で卒業した彼女は、そこに配属された。
優秀な頭脳と、強靱な体力はもちろんのこと、その類い希なる美貌がその理由であった。
何故ゆえに容貌が必要なのか??
この部隊の通称は「マドモアゼル・エスピオナージュ」。
意味のみを取れば「貴婦人の諜報者」。
その名の示すとおり、女性のみの諜報部隊という特殊なものであり、
その存在は軍内部でも知られているが、任務故に彼女たちの姿を見た者は少ない。
そこにフクウはいた。
女性であることを武器に使うことを厭わず、
むしろそれを使いこなし、多大な成果をあげる生え抜きの精鋭部隊。
そこにフクウはいた。
彼女たちにかかれば、いかなる男でさえも、いとも簡単にその情報を漏洩させる。
そして、彼女たち自身の攻撃力にも恐ろしい物がある。
そこにフクウはいた。
アルファリア攻撃の際、彼女たちがもたらした情報、そして工作があったからこそ、
たったの1日でアルファリアはこの地球から消滅したと言われているほどである。
しかし、だからこそ・・・彼女たちの体には、あらゆる傷が付いている。
だが、それは癒える。
悲しいのは、
それ以上に、その心に刻まれている、
癒せぬ大きな痕なのだ・・・・・
そこにフクウ=ドミニオンは、十代の全てを捧げた・・・・・
そして、その多大な成果を評して、
彼女は、
「アイスレィディ」そう呼ばれることになる。
暖かさを失う事を望んだのは・・・・・・・・・・・彼女じゃないのに。
SI2当時、
それが良いにせよ悪いにせよ、フクウの唯一弱さを見せられる人間は「BC」だけしかいなかった。
選択の余地は無かった・・・・だからフクウはのめり込むようにして、会話をした。
生きていること、
自分の心を明かせること、
そして楽しさを感じるために・・・
ただ、会話を欲した。
だから、「BC」は特別な存在なのだ・・・・
同性で無ければそれが恋愛感情と呼ばれるに近いものをフクウは抱いていた、
そして、今も。
辛い過去が終わり、安らぎにも似た環境の中にいる現在でも、彼女の役割は変わらない。
味方をまとめ、引き締め、勝利への踏み台になり、
敵を欺き、陥れ、敗北への道標へとなる。
彼女の心を取り巻く環境自体は、あまり変わってはいないのだ。
いやむしろ、自分の想い人の近くにいるからこそ強く感じてしまう、自らの叶わぬ想い。
そして、
残酷なまでにハッキリとしていく、想い人が「光」のような存在であるという事実。
フクウの想い人は、皆を照らす「光」。
けれども、
彼女はあまりにも「闇」に近かった・・・・その光すら届かぬ深淵の中にフクウはいた。
ささやかな幸せは、徐々に彼女を深く深く「闇」に押し込んでいく・・・
だから、彼女は「BC」に心を開き続ける。
顔も声も見たことがないからこそ、彼女は心を開き続ける・・・・
そこに自分を包んでくれる優しい「夜」があることを信じて。
・・・・最近、なんだか理由は良くは分からないんだけどね・・・
とっても優しいの彼(惚気てる??(笑))。
何かねぇ、BCをちゃんと女の子として見てくれているって言うか・・
うん、そんな感じなの!
もしかしたら・・・もしかするかも!!
BCはこれからもぜったいぜったい頑張っちゃうよ〜〜!!
そして!あの人をきっちり捕まえるんだぁ。
うぃっちちゃんも、同級生のこと頑張って!!!!
前も言ったとおり、一緒に結婚式しよ〜〜〜〜!
案外、うぃっちちゃんの方が早くなったりしてね!!
(BCまた暴走してます(^^;;;)
ではね〜〜〜!
BCより」
フクウは、その口元に笑みを浮かべながらも、
読み終わってしまうことが残念だと言う表情をする。
例えるなら、長い楽しいゲームの最終局面を迎えたときの顔。
「頑張っているのみたいね。きっと凄いアプローチをしているんでしょう?」
誰に言うわけでもなく、フクウは優しく尋ねる。
目元のほくろが、少し目に近寄っている・・・・その瞳はとても素直に笑っているから。
全てを読み終わったとき、正確には3回目の読み返しを終えたとき、
フクウは部屋を見回した。
淡い肌色の壁が見える・・・
目元のほくろが、瞳から離れて、
フクウはフクウの現実に帰って行く・・・
良い夢が終わったような、妙な寂寥感が彼女の胸を少し締め付けた・・・
いつもメールを読み終わったらこんな感じがしているのに、
フクウはそれに慣れることは出来なかった。
暫く、ボーっと焦点の合わない瞳でモニターを見つめていたが、
再び、パソコンに置かれた白い指が、まるでピアノを弾くようにして滑らかに動き始める。
それは・・・フクウの心をモニターに現すために軽やかに。
「こんにちは、BCちゃん、うぃっちです。
メール読みました、随分と惚気てくれちゃいますね!!
全く独り者の私を羨ましがらしてどうするんですか?!
本当に、もう!
・・・・でも、良かったですね、本当に良かったです。
BCちゃんの想いが、彼に届くように祈っています。
そう言えば・・・・・」
心を紡ぎながら、フクウはあの日出会った、二人の事を思い出していた・・・・・
「優しさは2つです・・・か?・・・・」
フクウは喉から絞り出すようにして言った。
それに意味はない、ただ鸚鵡返しにしただけ。
「優しさは二つあるんですよね?」
目の前の男から放たれた問いとも謎かけともとれない言葉に、彼女はミッションは中断する。
おそらく逆光で彼女の顔は見えていないのだろう、
眩しそうに目を細める目の前の男からは、
先ほどのような、言い知れぬ「哀しみ」は既に感じられない。
だが、確かに彼が言った言葉。
「すべてを受け入れる優しさと・・・・・・・
すべてを失える優しさと。」
何故、ただの民間人である彼に、こんな言葉が言えたのだろう?
いや、言えたとしても、
何故、自分の心はそれを薄っぺらな口先だけのモノとして片づけないのだろう?
事実、いつもの彼女なら、気にもとめずに話を続けたろう・・・だが、それが出来ない。
フクウの心は乱れた。
あらゆる人間の行動心理を記憶している彼女の頭でさえ、
その言葉には「不可解」と言う答えを打ち出す。
例え話に脈絡のない答えでも、その意図するところをくみ取れる筈なのに・・・
けれども、その理由を彼女は心で理解していた。
マナブを見た・・・・その表情はとても優しくて、明るい・・・
マナブを見た・・・・その心はとても哀しくて、暗い・・・・・・
フクウの望み・・・・・闇をも優しく包んでくれる「夜」・・・・を抱くモノ。
「カスガさん、あなたは・・・」
フクウが任務関係無しに放とうとした問いは、二人の声に遮られる。
「マナブぅ!!」
「あ!フクウ!!」
太陽のように明るい声が、自分の耳に届く。
なのに・・・・二人の瞳は互いに互いを離さない。
「・・マナブ?」
フィーアは、マナブの顔を覗き込むようにして尋ねた。
声は呼吸困難気味で苦しげなモノであった。
必然的に二人の視界は遮られ、
メビウスの輪のような想いの繰り返しからフクウは逃れることが出来た。
「フクウ?こんなとこにいたのぉ??!
ホウショウ資料室に行っていたんだよ!」
フクウが横を見ると、
頬を膨らませて、怒っていることをアピールしているホウショウがいた。
「ごめんなさいね、ホウショウ。
カスガさんと偶然会ってね、お話をしていたのよ・・・・?・・・」
そこまで言ってフクウは気付いた・・・・
この目標人物の側にいる女性は一体誰なのか?という基本的な疑問に。
「ホウショウ。こちらの方は?カスガさんのお知り合い?」
「うん!そうだよ!フィーアお姉ちゃんって言うんだよ。ね!」
最後はフィーアに向けて言った言葉。
だが、座ったままのマナブの横にいたフィーアは、
深呼吸をして息を整えるのに一生懸命だった。
「ねぇ、フィーアお姉ちゃん!!」
返事が貰えなかったので、
ポニーテールをぴょんぴょん揺らしながら、もう一度ホウショウは尋ねた。
「ごめんごめん、アマツカさんだったよね?
フィーアはちょっと運動不足なんだよ。」
立ち上がり、フィーアの背をゆっくりと撫でながらマナブは言う。
もちろん、不意打ちされたフィーアは顔を真っ赤にしていたが、
幸いなことに誰にもそれを見られることはなかった。
「そうか・・ドミニオンさんと一緒に来たのか・・元気だった?」
マナブは少し寂しい笑みを浮かべながら、ホウショウに尋ねた。
「うん、元気だったけど・・・マナブお兄ちゃん、何か元気・・ない?」
最後の方は、マナブの心を感じ取ったのか小さくてほとんど聞き取れない。
「・・・・・・」
マナブには、その声が聞こえていたのだろう、顔に少し影が射した。
「お兄ちゃん?エメラルドお姉ちゃんはどうしたの?」
「「「!」」」
その場の三人がホウショウの言葉で凍り付いた。
フクウは、そのストレートな物言いに驚愕して、
マナブは、まだ癒されぬ傷に触れられて、
フィーアは、マナブの悲しみの原因となった女性の名を知って。
「ホウショウ!・・」
とがめるフクウの声は、次に来たマナブの声に遮られる。
「俺ね・・・振られてるんだ・・・・」
「・・・ごめんなさい・・・」
固まるホウショウの替わりに、フクウが深く頭を下げた。
それは先ほど聞いた自分の問いの分も含まれていた。
彼女とて、人の辛さを感じる心はある。
「良いんです・・・・・もう、大丈夫だから。」
マナブは、言葉だけは少し元気に答えた。
フィーアは、それを横で見つめる以外に出来なかった・・・・
知らずにマナブの袖を掴んでいたのは・・・・
言葉に出来ない想いの現れだったのか?
(マナブ・・・フィーアは、ずぅっと側にいるよ・・・)
**********
フクウは、そのほとんどを察知することが出来た。
(おそらく、彼はエメラルドの行方を知らない・・・・・・
それがあの事件の前後であったとしても、彼はもうエメラルドを知る術を失っている)
フクウの任務は、一応の終わりを見せた。
「成果無し」が、その「成果」だったが・・・・
ただ、目の前に立つ目標の横にいる女性の正体を掴んで置きたかった。
取りあえず、聞いておこう・・・そう考えてフクウは尋ねた。
「カスガさん、その方は?」
フクウは翡翠色に輝く綺麗なモノを額に付けた女性を指す。
それがフクウに彼女を印象づける。
フィーアがホウショウに「想い」と語ったモノ。
「ああ、こいつですか?」
既にマナブの表情は出会ったときと同じくらいに明るいモノだった。
ホウショウは、もう何も言うまいとフクウの横で立っている。
「フィーア・・・
俺の・・・
・・一応、妹です。」
マナブは、横に立つフィーアを見ながら言う。
フィーアは、その言葉に込められた優しさに気付く。
ホウショウとフクウは、今は気付くことはなかったが・・・・
他ならぬマナブの言葉、フィーアには気付かぬはずもない。
「一応」
この言葉に込められた可能性の大きさを。
フィーアは確かに幸せを予感する。
「おい?フィーア?挨拶したらどうだ?」
マナブの覗き込む表情。
フィーアは幸せの陶酔から目覚める気配は無い。
「あの?フィーアさん?私、フクウ=ドミニオンと申します。」
マナブの顔を見続けるフィーアに戸惑いつつも、フクウは自己紹介を始めた。
「こちらのホウショウと同じく、「月読」の一人です。
カスガさんとはその時、ホウショウの困っているところを助けていただきました。・・・・・・」
自己紹介も終わろうという時、ようやくフィーアは目の前の女性に注意を向けた。
けれども、その羽のような髪の頭の上では、天使がラッパを吹いて祝福をしているようだ。
顔からは、幸せの光線をまき散らしていた・・・・言うなれば全く緊張感のない顔である。
「・・・・よろしくね、フィーアさん。」
フクウは、屈託のない笑みをフィーアに向けた。
そして、フィーアはようやくフクウ=ドミニオンを認識した。
フィーアとフクウ。
二人は出会う。
「こちらこそ、よろしくね!フクウちゃん!!」
フィーアの顔は真っ直ぐで、とても真っ直ぐで笑顔だった。
そして、フクウの顔も同様にして・・・・
「お、おい・フィーア!初対面の人に『ちゃん』は無いだろう?」
マナブが慌てて、フィーアをたしなめる。
フィーアは、その言葉にはっと我に返る。
フクウを見たとき、フィーアはごく自然に『フクウちゃん』と言えた。
と言うよりも、それが当然のような感覚があったのだ・・・・
「!あ!そ、そうだよね。」
「あら、良いですよ。そう呼ばれるの、イヤではないです。」
フクウは笑みを浮かべて言った。
彼女もまた、マナブの言葉に我に返るまで、
そう呼ばれることに何らの違和感も感じなかった。
必要以上に馴れ馴れしい人間は嫌いな筈なのに・・
「ちゃん」等とは例え彼女の両親にさえ呼ばれたくないのに・・何故か・・
「そうですか?本当に、礼儀知らずですいません。」
フィーアの代わりにマナブが頭を下げる。
「ふふふ・・ホウショウだって、フィーアさんのことを、
『フィーアお姉ちゃん』って呼んでいましたから、おあいこです。」
横のホウショウを見ながら、フクウは言った。
「うん!ホウショウね、フィーアお姉ちゃんと友達になったんだ!ね!」
「うん!ホウショウちゃんとはもう、友達だよ〜!」
「「ね〜〜!!」」
二人が声を合わせて、笑顔で言う。
それはとてもかわいらしくて、とても幸せそうで・・・・
マナブとフクウは顔を見合わせると笑顔を浮かべずにはいられなかった。
フクウは、初めて「BC」以外の人間と安らぎを感じている・・・・・
そんな自分に驚くことも忘れて、フクウは無邪気な笑顔を浮かべる。
そんな様子を見て、フィーアは感じていた。
彼女の目の中に映る・・・マナブとフクウ、二人の共通な「何か」を・・・・
それがマナブが持つのと同じ「優しさ」であることに、
フィーアはついに気付くことは無いのだが。
**********
「それでは、今度、ご兄妹で一緒に公演に来て下さいね。」
「うん!絶対行くよ!!ね、マナブ!」
「ああ、行かせて貰いますよ、ドミニオンさん。」
「カスガさん、フクウで宜しいですよ。もう、『お友だち』なんですから。」
「そうだよ〜〜、フクウって呼んで良いからね!マナブお兄ちゃん。」
ホウショウが自分のことのように、胸を張って言う。
その様子を可笑しく感じながら、マナブは言った。
「そうですか?
じゃあ、俺のこともマナブで良いですから。
フクウさん。」
「フフフ、そうですか?マナブさん。」
フクウはにこやかに笑みを返す、黒い髪が太陽に反射して煌めく。
素晴らしく綺麗だった。
「ああ、マナブお兄ちゃん、何か照れてる〜〜!」
ホウショウが悪戯っぽい瞳でマナブの顔を見つめた。
その言葉は、実際、少し照れていたのは事実なので、
マナブを必要以上に慌てさせた。
「そんことないぞ!」
「「あ・や・し・い・ぞ〜〜」」
いつの間にか、フィーアとホウショウの仲は思った以上に良くなっていたようだ。
一糸乱れぬ呼吸で、マナブを問いつめる。
雲一つ無い青空に吸い込まれるように、フクウの慌てた声が響く。
「何を言っているの!!」
「何言っているんだよ!」
タイミング良く重なってしまうマナブの声。
そして、数瞬後・・・・・・・・・四人の笑い声がキャンパスに響いた。
とっても幸せに。
モニターが、横に斜めに彩りを添えていく。
スクリーンセーバーが正しく働き、フクウの心の旅の間も、パソコンを守っている。
ドンドン!
「フクウ!フクウてっばあ!!法皇様から連絡が入ったってぇ〜〜。」
拳で戸を叩きながら、ホウショウが呼ぶ。
内容はある意味人に聞かれたら、かなり危険な物だ。
全く自分が言っていることの重要性、危険性を認識していないホウショウは、
ますます声を大きくしようとしている。
「聞いているのぉ?法皇様から連絡だよぉ!!!!」
確かに外交部門所属ではあるが、
一介の慰安部隊である「月読」に直接、法皇から連絡が来るはずがない。
そう、一介の慰安部隊ならばだ。
「ホウショウ!ホウショウ!!そんなこと言ったらダメだってば!!」
アミの慌ててホウショウを止めようとする声が廊下に響く。
「法皇様のことを秘密だって、言われたじゃん!!」
アミのホウショウを止めるために、ホウショウの声より大きい声が響く。
その声にフッと我に返ったフクウは、
白い指でゆっくりと「送信」のボタンを押した。
廊下からは、ホウショウの「何で?」と言う問いに固まるアミの気配が感じられる。
フーーと深いため息をすると、フクウは戸の外に立つ二人に声を掛けた。
「今、行くわ。ホウショウ、アミ。
ですから、もう少しトップシークレットは優しく使ってくださいね。」
フクウのいつも以上に丁寧で、綺麗な声が廊下に響く。
ホウショウは、久しぶりに聞いた・・・・フクウの怒号を。
アミは、久しぶりに見た・・・・フクウの般若の笑顔を。
ホウショウとアミが、フクウに叱られている頃
高級感溢れる部屋で、一人の男が電話をしていた。
トゥルルルルルルルルルルル!!
ビリヤード台の上に、球が転がっているところを見ると、
ゲームの途中に電話を思い立ったのだろう。
トゥルルルルルルルルルルル!!
トゥルルルルルルルルルルル!!
トゥルルルルルル・・・・カチャ。
受話器の向こうに、音を確認したルシターンは、ゆっくりと相手を確認した。
その声に一片の陰りもない、ただ青い瞳は少しだけ・・・ダークブルーになっていた。
「リリィですか?」
その声を聞き、受話器の向こうで息をのむ気配がする。
それを聞き、ルシターンは相手の応答をもう一度問う。
「リリィ?」
「・・・・・何?ルシターン。」
少しの間を取って、受話器の向こうにいる女は、冷たく聞き返した。
普通考えられる電話での応対で、これほどに冷たく感じさせる声も珍しい。
迷惑、疑惑、困惑、すべてが混じり合わさった声音。
しかも、声のみでルシターンと判別したこの女性。
ルシターンは、女性から発せられる負の気配を全く意にも介さずに、
用件を話し始める。
「リリィ。単刀直入にお願いしたい。」
「あんたが、私に用なんて・・・・戦争でも起こす気かしら?」
嫌みが籠もりに籠もったセリフを吐くリリィと呼ばれる女。
電話越しに「あんた」呼ばわりされても、ルシターンの表情は全く変わらない。
φ総帥である彼をあんた呼ばわりできる程の女性・・・・・・正に驚愕の存在。
「国創(くにつくり)社にある『ONI』を貰いたい。」
ルシターンは、全て承知の上なのか、女性からの悪意をモノともせずに、
ただ淡々と用件を進める。
国創社とは、日本の大手のArf製作会社である。
「ONI?あんた、あれをどうする気?誰も乗れないよ、あれには。」
疑惑の籠もった声だが、それ以上に不思議そうにリリィは答える。
「それでも良い、かつてホムラ家の一人だったあなたなら、
『ONI』をφに持ってくることに許可を出せるはず。」
ホムラ家とは、
現在の経済界を支配する三大名家、
フィック家、セト家、ヴァイロー家に次ぐ程の名家である。
現在は、その座を巡ってヴァイロー家と争っている最中である。
そのホムラ家の経営する企業の一つが「国創」なのである。
しかし、日本の風土のせいか、重火器装備のArfを開発し続けているために、
正確さと、スピードが重視されるArf戦に於いては、使えないArfとして有名になっている。
最近では、アメリカのSuper Force社の「Powers」との競争に敗れていた。
「そうだけどねぇ〜〜ただじゃあ、イヤよ。」
欲望に満ちた声がルシターンの耳に不快に届く。
「次回のφの正式採用Arfに関して、一考しましょう。」
ルシターンは事も無げに、φの生命線とも言えるArfの採用を取引に出した。
「!・・・・ルシターン、あんた、何考えているんだい?」
その取引に出されたモノの大きさを知っているリリィは、逆に狼狽した。
自分の思っていた物よりも、何倍も価値のある物だったのだ。
「不服ですか?」
ルシターンは、電話の向こうの動揺を余所に冷静に尋ねる。
実際、必要なこと以外を話したくない雰囲気がルシターンにはあった。
「いいや!!わかった、わかったわ!!直ぐに送りましょう。」
慌てて承諾の意を返すリリィ。
その顔にはおそらく喜色満面の笑みが浮かんでいるだろう。
「本当に『ONI』だけで良いのね?」
改めてルシターンに、品物がそれだけで良いのか、尋ねる。
彼女は欲深ではあったが、愚かではなかった。
「はい。」
簡潔にルシターンは答える。
「直ぐに用意させましょう・・・・・そうね・・・」
リリィは、もう少し言葉を続けようとしていたが、商談は終わっていた。
その言葉を遮り、
ルシターンはその受話器の向こうに別れを告げようとするその時。
「たまには母親らしいこともしてあげるわ。感謝しなさい、ルシターン。」
最大級の悪意の籠もった言葉がルシターンの耳に届く。
黒い言葉が受話器から溢れて、
ルシターンの耳から脳に入り、遂にルシターンの顔を幾分歪ませる。
「ところで私のバロンは元気かしら?」
続けざまに悪意の籠もった問いが、受話器から黒く溢れた。
「元気です。EPMの幹部として頑張っているようです。」
声には一片の動揺も見せずに、ルシターンは答えた。
バロンとはバロン=ケルベに間違いない。
あのレルネと話していたあの下劣な男。
「そう・・・あなたからも言っておいて、母が心配していたとね。」
「わかり・・・」
リリィ=ケルベは、息子を気遣う言葉をルシターンに託すと、
ルシターンの返事の途中で、あっさりと受話器を置いた。
おそらく、今頃は小狡い笑みを浮かべていることだろう。
ルシターンには容易に想像できる。
何故なら、彼の母親なのだ・・・・・いや、元母親だろうか?
自分にも同じ血が流れている。
受話器を置くと、ルシターンはキューを手に取り、球を弾いた。
それはあらぬ方向へ飛び、そして台から落ちていく。
コロコロ・・・
転がる白い玉が、ルシターンの足下にぶつかった。
「止めて!闘いなんてイヤなんだよぉ!!もう止めようよ!!」
コクピットの中で、苦しみが多分に含まれた声が木霊する。
青い微光の中、トルスは悪夢に襲われている。
決して広くないコクピットの中で、トルスは幻の何かと戦っているようだ。
振り上げる手が、剣を持っている事を示唆させる。
「父さん!」
ガキン!!
相手の名と共に振り下ろされた手は、したたかにコンソールを打ち。
その痛みで、ようやくトルスは解放された。
目を開けたトルスは、青い微光から、自分の現実を取り戻し、
深々と背もたれに寄りかかり、天を仰いだ。
天と言っても、見えるのは上に付けられたモニター。
トルスは左手で、目を覆う。
「フーーーーーーーーーー」
長い長いため息が、トルスの肺を小さくしていく。
間隔をとって、繰り返されるため息。
何分の間、そうしていただろう。
トルスはふと、右手の違和感に気付いた。
ゆっくりと瞳を開けて、右手を見つめる。
そこからは、コンソールを叩いたときに傷が付いたのだろう、
少しだけ血が滲んでいる。
青い微光に晒されて、赤いはずの血液は紫色に見える・・・それが、
何故だか妙にトルスにはイヤに思えた。
(まるでオイルのようだ・・・)
自分が人間ではない戦闘ロボットのような・・・・そんな錯覚。
ゆっくりと口に右手の傷口をやると、ぺろりと嘗める。
乾いた鉄の味がトルスの口の中に広がった。
それがトルスに、自らが人間だと確認させる。
心の中で、言い知れぬ安心感にトルスは安堵した。
「僕は、人間なんだ・・・」
当然の事を、当然だと思うように独り言を呟いた。
だが、トルスは知らない・・・
彼の感性が未来への不安を感じていたことを・・・紫の色によって・・・
ドォオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!
トルスの耳に、上空から爆発音が聞こえる。
「何だ?!」
言うと同時に、トルスの手は機械のように正確に計器を操る。
しかし、出されたモニターには、上空には何の存在も確認はしていない、が。
ドォオオオオン!!!
音は確かに、トルスの感覚器に響く。
「どういうことだろう?モニターに反応が無いなんて・・・・
僕の70−Coverでも無いのに・・・」
あらゆる機器が音のみを感知し、その発生源を見つけることが出来ないでいる。
トルスは、全てを確かめるには目視しかないと考える。
そして、ゆっくりとレバーを動かし始める。
彼のArfの回りを覆っていた土砂が崩れ・・・・・・・魚達が逃げまどう・・・・・
母なる地球は水の星。
その表面を、70%の海が支配する。
海を制したモノは、強い・・・・・
故に
70−Coverは・・・・
強い。
暗い青い海の中に、立ち上がるArf。
巻き起こる水流に魚達が、散り散りに流されて行く。
両肩には巨大な円筒形の物体が、
だがそれに対してその体は驚くほどに細い。
ほとんどが青というカラーリングが、
より一層そのArfの頼りなさを増していた、そしてその切れ長の瞳はとても鋭い。
両肩の円筒形の物体は、滑車の役割をしているのか、
いわばタイヤのホイール、もしくは糸巻き車のように円筒の外側から、大きな鎖が伸びていた。
その先には、しっかりと海底に突き刺さっている巨大な船でいうアンカー、
つまりはイカリがある。
しかし、その大きさは尋常ではなく、
またその形状も、まるで古のバイキングが使うような戦斧の刃のようになっていた。
それは明らかに武器であった。
肩から伸びた二本の太い鎖が、しっかりとArf「70−Cover」を支えていた。
普通のArfよりも、細い印象のArfであるのに、
海中に没することが出来るのは、この装備のおかげなのだろう。
海底に重く深く突き刺さっているアンカー、
通常のArfなら数体は必要、あのKaizerionでも少し苦労しそうな巨大な戦斧の刃型のアンカー。
少し長めの指で、右肩から伸びる鎖を掴んだ。
何の力もいれていないように・・・・ただ手首を曲げて、クイッと引っ張ると・・・
・・・・音もなくアンカーは海底から抜ける。
中が空洞なのだろうか?
見る限り本体とアンカーのバランスは限りなく悪い、でも70−Coverは安定している。
刃が軽いとしか思えない・・・・・羽毛かそれ以下の印象・・・
だが、抜かれて直ぐに、アンカーは海底に落ちて、もの凄い砂を巻き上げる。
それはとても羽毛とは言い難い。
海底の土砂に、しっかりと沈み込んだアンカーは、見た印象通りに重いのだ。
ガラガラガラガラガラガラガラ!!!
鎖が一気に引っ張られる、
見ればArfの肩に付いている滑車が凄まじい早さで回転を起こしている。
70−Coverの右側の鎖が、ピンと張る。
それと同時に、海底に沈み込んでいたアンカーが、
水の中をまるでエイのようゆらゆらと揺れながら戻ってくる。
Arf本体にダメージを与えないように、
ある程度の距離で回転は止まり、
泳力を失ったアンカーはゆっくりと垂れ下がる。
鎖の長さは、70−Coverの足下ぐらいまでだろうか?
揺れるアンカーの刃の中心には、
人間の瞳のような・・・いや瞳そのものがあった。
きちんと睫毛もあるようだ。
無理に閉じられているのではなく、
眠っているように静かにその目は閉じられている。
アンカー・・・
斧型の刃・・・
中心に瞳・・・・・・
それを持つ70−Cover・・・・
・・・・・・・異質なモノ
水の中で、一方のアンカーで浮上を防ぎ、もう一方のアンカーをだらりと下げているその姿。
青の中で蒼が映える、
それは深海に封印されている魔神のように、不気味でそして、とても美しい。
「ルサールカを直上に射出、後にカメラアイ展開、周囲状況確認。」
トルスは、自分のする事を口で確認して、操作していく。
LINK%が高いのか?その手でする操作はほとんど無い。
確認の言葉を吐くことによって、機体へのLINKを確実にしようという意味もあるのだろう。
事実、彼の几帳面な性格を現しているように、
整備マニュアルが彼のシートの横に見える、
しかも、それには綺麗なチェック柄のカバーまで付いている。
おそらく、彼の頭の中には、そのマニュアル全てが入っているだろうし、
入っていなければこんな所に来ていない。
流れるような言葉からもそれは分かる。
「70−Cover・・・・・・ルサールカ、射出準備。」
トルスの淡々とした言葉とは裏腹に、
海中の70−Coverは、思い切り『ルサールカ』と呼ばれるアンカーを引っ張り上げる。
そして、そのまま上空に放つのだった。
「ルサールカ・・・・直上射出。」
その勢いに、海中では再び水流が巻き起こる。
凄まじい回転をしながら、『ルサールカ』は上に上っていく。
一方、下の70−Coverの滑車はもの凄い勢いで回転し、鎖を吐き出していく。
『ルサールカ』は、まるで空気を求めて必死にもがく、人間のように外を目指す。
ボシュウウウウウウウウ!!!!!!!
凄まじい音と水しぶきで、『ルサールカ』は海の外へ飛び出した。
もし、『ルサールカ』の瞳が開いていれば、見ることが出来ただろう・・・・
傷ついた堕天使の姿を。
まるで天界の争いに敗れて、地に落ちていく堕天使の王の姿を。
トルス=シューベルは、外の様子を確認したかっただけ。
70−Coverは、そのトルスの願いを聞き届けただけ。
『ルサールカ』は、その能力を発揮しただけ。
誰も、誰かを傷つけようとしたわけではない。
ただ・・・・・・・偶然。
そして、偶然、そこにいた。
ある女が最強と言った機体・・・・・・・L−seedが。
目をつぶったままの『ルサールカ』は、前方にある何かを感じることはない、
その勢いは止まることなく、ただ目標とする高度まで上昇しようとする。
鈍い感触が、トルスに伝わる、
『ルサールカ』もまた、70−Coverの一部、それはトルスに正しくリンクしている。
それを勢いで突き抜いた、そんな感触がトルスに来る。
「何だろう?」
モニターには、相変わらず反応はない。
ただ、何もいないとい言うことを教えていくれていた。
「カメラアイ展開・・・周囲状況、かく・・・・・!!!!!!!!!」
そこまで言ってトルスの瞳が見開かれる。
『ルサールカ』の中央に付けられた瞳が開かれ、
見えるモノを70−Coverのモニターに映し出す。
そこには、
純白の裸身。
世にも美しい・・・女神がいる。
「な、何だ?!!」
トルスは、コクピットの中で叫ぶ。
物静かな彼からは、少し想像しにくい顔。
そして、『ルサールカ』の瞳から、モニター一杯に広がる綺麗な女性の顔。
瞳を操作して、少し遠のくと・・・その全てがトルスに理解できた。
彼の武器は、彼女を貫いていた。
脇腹を貫かれながら、
その顔は変わることなく、
無表情。
いや、
その口元には、微笑が浮かんでいる。
傷も抑えずに、
両手でしっかりと持つ棒は誰のため?
自分を庇うことなく、
自分の大切なモノの大切なモノを守るモノ。
全てを許しているように見える口元。
凄まじい怒りを感じさせる紅く輝く瞳。
癒しと破壊の調和。
それをトルスは見る。
決して、してはいけない事をしてしまった罪悪感。
例えようのない悪寒。
そして、絶対的な恐怖。
全てが「紅い瞳と白の体」から「瞳」を通して、トルスの体に走る、走る、走る。
「うわあ!!」
意味のない叫び、トルスは「瞳」を反らした。
そして、70−Coverも同様にして、瞳を反らす。
『ルサールカ』がぐるりと回転する。
根本の鎖がねじれて、貫く女性の脇をえぐった。
モニターが、別な何かを映し出す。
トルスはそれに気付くと、素早くズームした。
恐怖は一時の中断をみせていた。
『ルサールカ』が次に見た物は、白と黄。
翼を持ったそれは、傷つきながら、その傷を忘れているみたい。
ただ、目の前で起きた事件に、見とれていた。
その瞳はトルスを見ていた。
トルスには、それがまるでこれから「処刑される罪人」を見る「憐れみと侮蔑」の瞳に写る。
あながち、それは間違いではないのだが・・・
「もう一体・・・反応が無いArf・・どういうことなんだ?」
トルスは、当然の疑問を呟く。
先ほどの恐怖を感じないように、気を逸らして。
L−seedの瞳から、光が失われていく。
堕天使の体に、
今まで感じられた精気と
重さなど感じさせない一種異様な雰囲気が消えていく。
神が人間に戻っていく。
もしくは、
神が力尽きる時。
70−Coverのコクピットモニターが、下にがくんと揺れた。
L−seedの両手が、力無く垂れ下がる。
持っていた・・・・剣が手から滑り落ちていった・・・・・・ちゃぽん!
静かな音を立てて、レヴァンティーンは海中に沈む。
それを追うように、L−seedの手がゆっくり海に浸かっていく
「あれが・・・70−Coverの他にいると言っていた・・・・・高シオン型Arf?」
「瞳」に写る白と黄色のArfに対して、トルスの口に出す疑問を余所に、
『ルサールカ』は、L−seedの重みに耐えかねて沈み始める。
それは罪の重さに等しいのかもしれない。
「でも・・・色が情報と違うな。」
ゆっくりとずれていく「瞳」、白と黄色のArfの細部がぶれていく。
トルスが思い返して、言った時には、既にその色を確認できなくなっていた。
「瞳」に写るのは海の蒼、蒼、蒼・・・・・・
70−Coverのモニターに、初めて光点が現れる。
それは、L−seedの紅い瞳が、完全に灰色に染まった時に等しいことに、
誰も気付かない。
そして、モニターの光点は、次第次第に消えていく・・・・・・・命の消失を示すために。
どくんどくんどくんどくんどくんどくんどくんどくん・・・・・・・・・
NEXT STORY
次回予告
四人で・・・たった四人で・・・・
後書き
ついに謎のArf三体目、そして、新Arf乗り三人目です。
プラス、セイン、そしてトルス。
皆、違った考えと個性を持っています、誰かを気に入って頂けたら嬉しいです。
今回登場のトルスは、設定当初から地味になってしまうな、と考えられていたので、
それを払拭しようと思いましたが、如何せん前回前々回の二人の個性が強すぎましたね。
これから、頑張ってもう少し目立つように描きたいと思います。
感想・・・・・・・・・貰えたら本当に嬉しいです。
こいつは誰だ!この組織なんだ?と言う質問がある方は、
「神聖闘機L−seed」設定資料集にどうぞ。
ご意見、ご感想は掲示板か、こちらまで。l-seed@mti.biglobe.ne.jp