砥峰高原B(800m)  神河町   25000図=「長谷」


砥峰高原の早春

山焼き後の砥峰高原

 砥峰高原の今年の山焼きは、3月30日だった。それから2週間たった今日、高原の春を探しに出かけてみた。

 平野部の桜の花はもう散っているのに、川上の集落は今が満開だった。
 そこから車で上がった砥峰高原は、冷たくて凛とした空気に包まれていた。駐車場の水たまりには、うすく氷が張っていた。
 とのみね自然交流館の山名さんから、おとといは吹雪で昨夜はみぞれが降ったと聞いた。

 高原のススキはきれいに焼き払われ、地面は黒く染まっていた。普段はススキにおおわれて見えない地形が細かく観察できた。思わぬところに湿地があったり、細い流れがあったりした。
 植物の芽は、まだほとんど出ていなかった。それでも、高原の入り口付近の陽だまりに、背の低いセイヨウタンポポが咲き、つくしが出ていた。

セイヨウタンポポとつくし

 入り口から遊歩道に入った。快晴。雲のまったくない水色の空が高原の上に広がっていた。
 池の水は、透き通っていて底が見えた。池の前に立っていると、一羽の水鳥が波しぶきをあげて滑り込むように着水した。う〜ん、双眼鏡を忘れてしまった。
 高原内を流れる川の少し深くなったところに、アブラハヤが群れていた。
 木道を歩き、中学生たちと「石英の谷」と呼んでいる谷に分け入った。かつて、石英やその中に入っている鉄電気石を採った谷。谷の流れに手を入れてみると、水は身を切るように冷たかった。

「石英の谷」

 焼け残ったコナラの木でホオジロが鳴いていた。
 木道から、丸太階段の斜面を登って高原を取り巻く遊歩道に出た。夏なら背丈以上のススキを分けるように歩く道も、今日は見通しが良かった。
 眼下に、黒い高原が広がっている。高原の中を、南北に「石英の谷」が伸びていた。その向こうには、右半分だけ針葉樹をのせた砥峰(972.2m)が座っていた。

砥峰高原の向こうに砥峰を見る

 遊歩道の黒土には霜柱が立ち、踏むと小気味よい音をたてた。焼け残ったススキの根元は黒く焦げ、地面に転がる石も表面が黒くなっていた。
 遊歩道の脇の地面に、光沢を失った薄茶色のロゼットが張り付いていた。雪の下でも枯れないで冬を越したショウジョウバカマの葉・・・。
 そんなロゼットをいくつか見て歩くと、日当たりの良いところで一株のショウジョウバカマが花を咲かせていた。その薄いピンク色は、焼野の中に色鮮やかに映えていた
 入り口付近のセイヨウタンポポや、移植されたミズバショウを別にすると、ショウジョウバカマが、高原内に咲く最初の花かもしれない。

ショウジョウバカマ

 展望台に上り、そこからまたジグザグに登っていった。峰山につながる分岐を経て進むと、道は緩く起伏しながら上り、やがて高原の一番高いところに達した。
 高原の東に、高星から平石山、ヒシロガ峰へと続く稜線が空を区切っていた。
 

高星・平石山・ヒシロガ峰の稜線

 そこから、高原をぐるりと回り込むように下りていった。遊歩道の脇の日陰には、ところどころに雪が残っていた。
 道はスギ・ヒノキ林に入り、少し下ると琢美鉱山跡へ続く道に出た。広くなったその道を、とのみね自然交流館をめざして下った。
 気温は、朝よりずっと高くなっていた。暖かい日差しを浴びながらのんびりと下っていった。

山行日:2013年4月13日


砥峰高原入り口〜展望台〜琢美鉱山への道〜東屋〜砥峰高原入り口
 砥峰高原内の散策路を歩いた。1周3.1kmの周回コースである。

山頂の岩石  後期白亜紀 川上花崗岩
 砥峰高原や峰山高原の岩石の説明については、岩石地質探訪「砥峰高原の地質と地形」や、登山記録「銀の波揺れる砥峰高原から縦走路を峰山高原へ」をご覧下さい。

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