許可の下になされた翻訳の誤りの責任はすべて当方にあります。ご苦情、ご質問等はTERRA INCOGNITA本部まで。1995年、ローレン・ミラー氏とニック・ブルーク氏に版権あり。原文はこちら

ゼメディ家の武勲

カルマニア正統教会:マギの教会
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カルマノスが不死身の
雄牛(バイソス)を屠る

歴史
神学
階級組織
預言者、聖人、神々
特殊魔道
異端
他の教派への対応

歴史

虚偽に満ちた、無神論者の神知者達がその傲慢さゆえに神々すら支配しようと欲するようになった時、彼等の西方における征服が始められた。サロンダー(「先陣」サイランティール将軍としても知られる)は自分に従う「千人の十倍」の民、百人の百倍の戦士達と参謀達、貴族達を呼び集めた。そして彼等が、フロネラが成り果ててしまった地獄から出て行くための、東への探索行を統率し、終には「淡水海」東岸の寒い国に遁れる場所を見出した。「千人の十倍」は暗闇の内にあるスポル帝国から国を解放し、オローニン川流域の肥沃な土地に居場所を見つけたのである。

サロンダーはカーマイン、オローニン湖の魔力を持った青い婦人と息子を儲けた。つまり、この息子がカルマノスである。カルマノスは戦いの術において強壮で、魔道の術において鋭敏であり、指揮の術においては決断力に優れ、裁きの術においては賢明であった。彼は「義しき神」と対話し、彼の預言は彼の法律が我らの朝廷の根本を定めた如く、我らの教会の根本を定めた。彼は人々の間に行って、「真理」を教えた。彼は孤児院と教会、裁判所と城塞を築き、「カルマニア獅子王(訳注)」の初代と称した。

カルマニア帝国は強大であり畏怖すべきものにして、輝く文明を蛮族に齎す一方で、冷気と暗闇の非情さでその敵を倒し、または残虐な攻撃で土地を蹂躪した。この帝国は時と共に変化し、その最も野蛮な時代に、「赤の女神」は軍隊と怪物達を召集して、この邪悪な帝国に向かわせた。そして帝国を呑み込んで「ルナーの帝国」へと変容させたのである。ルナー帝国の循環サイクルの教えは、古の教えよりもより柔和なものである。この変化は良きものだ。

訳注・Shah:ペルシアの現実世界において「王」の意味。これから派生した称号はシャーハーンシャー(王の中の王)、パディシャー(世界の王)などがあり、西アジアで何度も用いられた。

神学

「義しき神」は全ての神々の中で「至高存在」である。全ての他の神々に対する正しい信仰は、又「義しき神」を祭る事にもなる。彼はマグス僧達(訳注1)にイドヴァヌスと呼ばれる。「赤の女神」、彼の親しく、最も愛されし子供は、彼の祝福を我らに齎す。カルマノス王、「楽園」へと「剣の橋」を渡って行った者は、「義しき神」の最後にして最も偉大な預言者であり、この国の父である。

エス=テルセン(訳注2)は「義しき神」がその寛大な心でもって人間に信仰を許した元素と真実を属性とする幾多の神々である。「叛逆の神々」及びガネサタルスと彼の率いる「邪悪な神々」は正義をもって崇める事は許されない。「義しき神」のマグス達は至福に満ちて、「義しき神」以外の何者をも崇めない、と厳粛な誓いを口に上せている。しかし「百の神々」の司祭達と彼等の信徒団員は、エス=テルセンを崇拝する事を希望される。時々、マグス達は一柱のジャーギズ(訳注3)について「義しき神」が語った事と、その神がエス=テルセンの一柱である事を確かめる宣言を行う。他の時には、一柱のファタワ(訳注4)について、「義しき神」が語った事と、その精霊が「叛逆の神」の一柱、もしくはガネサタルスの僕で、信仰するべきでない事を確かめる宣言を行う。

《切開》呪文は神々の死であり、軽々しく用いるべきものではない。教師と生徒双方に対する死刑の罰則の上で、マグスを除く全ての者には、《切開》を学ぶ事も教える事も禁じられている。また、マグスの使用も、敵もしくは異邦人に対する、カルマノス階級の者による命令によってしか許されていない。

「愛」は「真実」である。そして「憎悪」は「欺きに満ちた嘘」であり、ガネサタルスと彼の暗黒の召し使い達に蔓延らせられたものである。オーラナトゥス(訳注5)と彼の家臣達を含む、叛逆の神々に戦を挑め。悪を滅ぼし、善を作り出せ。醜きものをこぼち、美しきもので彩れ。敵に対しては容赦なく、友には心広くあれ。一人の男は行いにおいて正しき者である。何も行わない事は「偽り」である。「真理」を見出す為に働け。己の行いにおいて義しき均衡を見出せ、それによって汝は「「楽園」に到達することになろう。

サトラップ(訳注6)達は「赤の皇帝」と彼の使者である「総督」に敬意を払う。シルダール(訳注7)は自分の主君であるサトラップに敬意を払う。下級の家のファズィク(訳注8)達は自分のシルダールに敬意を払う。其々のファズィク達が自分の正当な主君の後継ぎに敬意を払い、従うが如く、全ての男と女は自分のファズィクに敬意を払い、従わねばならない。(訳注9)

男は子供の時期に、ヴィジアーに男の子の宿命を読み上げて貰い、彼は己のカーストの中で育てられる。ハザール階級(訳注10)、ヴィジアー階級(訳注11)、そしてカルマノイ階級(訳注12)である。他の家に受け入れられて、他のカーストに生まれ変わる事は可能である。この事はカルマニア社会において有能な人間が成り上がる道である。男性と女性は、全ての男が平等に生まれないのと同様に、平等に生まれない。暗黒に直面し、暗黒を滅ぼそうとするのは男の性質である。動きを受容し、動きを創造へと導くのは女性の性質である。この事は女性が少ないカーストの数しか持たない理由なのだ。伝統的な生き方を追求する女性の為のカラム(訳注13)・カーストと、行動的で、危険な生活を望む女性の為のワレーシャ(訳注14)・カーストである。

律法にいわく、「汝の愛しむものを傷つけるな。」この律法は、我々の結婚の法律を導き出している。カルマノイ階級は数多くの妻を持つべきであり、ヴィジアー階級は一人しか持つべきではない。ハザール階級の者は、妻を持つべきではない。カルマノイ階級は、最も偉大な財産であり、故に幾人かの妻を持ち、彼等を愛して、大事にする事が又、義務づけられている。ヴィジアー階級の者は、安定した生活と、充分な食事を得ている場合、そう望むならば一人、妻を持つべきだ。しかし、彼等は老人になって弱々しくなるまで待つべきではない。大部分のハザール階級は僅かな財産であり、しばしば外国に何年もいる。そのため、彼等は退役して比較的裕福であるのでなければ、妻を持つべきではない。

訳注
1・Magiは単数形で、Magusとなるので、個人的にこの語を用いているが、どうやら単複同形と一般には考えられているらしい。
2・EthTelsen百の下級神
3・Jargiz善神
4・Fatawa悪神
5・Orlanatus、ダラ・ハッパの文化見地に従っている。
6・新ペローリア語では「伯爵」と訳す。彼等は中部地方のスルタン=サトラップと比較すれば下位になる
7・Sirdar上級貴族
8・Fazzik下級貴族
9・発音には責任を持てません
10・Hazar騎士
11・Vizier魔術師:イドヴァヌスの信仰については前述
12・Carmanoi君主
13・Caram
14・Waleesha


階級組織

我々の教会の指導者達はハイエロファント(訳注)と「マギの館」:「百人の古の尊きヴィジアー達」である。マグス達は教主の神聖な託宣を聖なる教会と エス=テルセンの司祭達に述べ伝える。マグスの一人が亡くなった場合、「マギの館」に相応しい資格ある志願者がいるならば、彼がマギ階級に昇格する。もし、適性を持った内部の志願者がいない場合、「義しき神」はヴィジアー階級の中に一人、マグスになる者を明らかにする。そして彼は歓呼の声を受けつつ「マギの館」に迎えられるだろう。これが過去に常に起こってきた事であり、どのように未来に起こるかが分かる。

司祭達は我々のように良きカルマニア人が崇拝する事を許されるエス=テルセン、「百柱の下級神達」に敬意を払う。

訳注・Hierofant教主?西方ではEcclesiarch教父

重要な預言者達、聖人達、神々


カルマノス Karmanos

カルマノスは「最後の預言者」である。「最初の大王(Shah)」である。「真鍮の獅子」である。彼はカルマニアを建国し、カルマノイ・カーストは彼のものである。彼は我々に楽園への「剣の橋」をいかに渡るかを教えた。その神秘的なカルトは滅びたが、彼はいまだに全ての指導者に霊感を与えている。

サロンダーと六人の誓いの同志達 Sironder and Six Boon Companions

サロンダーSironder(「先陣」サイランティール)と「六人の誓いの同志達」は「千人の十倍」を「東行」に導いて行った。地獄から東へと、最後にオローニン川流域へと到達した。サロンダーは「千人の十倍」の大君主であり、以下の人々が彼の「六人の誓いの同志達」である。

ペリオトーリ・ナローザンコPeriotri Narozankoはサロンダーの国家を支える宰相であった。「淡水海」の中に住み着いた野蛮な青い種族の協力の下で、「千人の十倍」が無事に「淡水海」を渡れたのは、彼の言葉の技の御陰である。


スヴァンギス・オセッタワールSvangis Ossetawarはマグスの中で最も博識であり、宗教においてサロンダーの幼時の導師であった。ブリソス人のように厳格で、「東行」が始められた時、125歳であった。そして彼を生んだ一族のカシル(訳注・cassir城塞の事、カルマニア人は封建的な生活を好んだ。)がジョール地方で完成するまで生きた。

バラガッソ・ダーヴィットBalagasso Davitは「右翼軍の将軍」であった。彼は果敢な戦士で、修養により洗練されていて、少なくとも二百人の個人的な召し使いを伴って来た。彼は他の誰にも出来ない時、サロンダーを励まして元気付けた。彼がスポル人の待ち伏せに遭って亡くなった場所はバラガッソの峡谷と呼ばれる。


カート・ザヴァイKart Zavaiは「中軍の将軍」であった。彼は「大地を揺るがす者」マーラン・ゴア(幾つかの古の筆記ではメルーン・ゲヴァーグMerun Gevargh)の帰依者であり、征服の為に、敵の防衛線を破り、敵を倒し、敵の女達の泣き声を聞く為に生きていた。彼は又、偉大な、優しい男でもあった。一つの戦闘の後、彼は百人の新しい妻を得たが、彼等の男達が死んでしまい、そうしなければ厳しい冬で子供達が死んでしまうであろう事を理解したので、女達の子供をも受け入れた。薄弱な証拠しかない風説だが、ウォリオン地方の限定された辺境においては、カート・ザヴァイは女であったとされる。女が戦士であったり、「大地を揺るがす者」を崇めたりする事は無いわけではないし、もしくは女性の戦士が「妻達」を娶ったり、子供を引取ったりする事も無い事もない。しかし、これは希有な事である。イリピー・オントール自らが記しているのだが、諸伝説の中では、このような事はありふれたテーマである事を印象づけるのに、役立ってきた。(訳注・ここの訳自信ないかも。)

ラストリア・ペルータRastria Perutaは「左翼軍の将軍」であった。彼は「雲の王」に忠誠を誓っており、奇妙なやり方を身に付けていた。しかし力強い戦士であり、良き指導者であった。彼に従う者は指導者を愛した。彼は「エーゼル(訳注・川か?)の龍」を殺したが、この事で命を落した。天空には彼の名が付された星がある。

ワスプーティ・メイファンWasputi Meifanは「先行隊の将軍」であった。彼女は女性で、偽物の顎鬚をつけ、男の装束をしていた。一軍の第一の斥候に期待し得るだけの、狡猾で邪な知恵を揮って、彼女はハラングヴァット族とシャー=ウン族の土地を「千人の十倍」が通り抜けられる道に慎重に導いて行った。サロンダーが「青の城」で失跡すると、彼女は忠実に君主代理(摂政、ヴァイスロイ)として務め、若きカルマノスの教育と訓練を監督した。彼女は老齢で寝台に伏して死に、その時は自分の家族に囲まれていた。彼女の名前は「ワレーシャ」(訳注・女性カースト名)の語句の源となった可能性がある。


七母神 Seven Mothers

これらの「赤の月」を空に昇らしめた半神達は、世界に素晴らしい事を成したのである。彼等は、混沌の中に長らく喪われたと思われていた「義しき神」の最初にして最愛の子供を蘇らせた。全ての者が彼等を賞賛する。

アーカット Arkat

黒きアーカットは暗黒に向かった偉大なる戦士であった。彼の最も偉大な業績により、世界は「欺く者」グバージから解放される運命だった。「欺く者」が光り輝いていた時、アーカットは盲目にさせる光と対決し、暗闇が必要とされる土地に闇を齎した。彼の物語は我々に、何故暗黒の道が危険となり得るか我々に教えてくれる。何故なら、彼は「欺く者」を呑み込む事で、自分の魂を永遠の苦痛で呪わしめたからである。

テイロール Talor

テイロール、哄笑の戦士は、暗黒と戦い、光を齎した。彼の最も偉大な功績により、世界は「欺く者」グバージから解放される運命だった。「欺く者」が暗黒のものであった所で、テイロールは暗黒を呑み込んで、光明が必要とされる土地に光を齎した。彼は我々のハザール階級が使い、喜びをもって力を得る事が出来る「戦の歌」を教えた。(訳注・アーカットと対句になっている事に注意)

フマクト Humakt

フマクトは完璧な戦士である。彼は「死」が「生命」に仕え、「恐怖」が「名誉」に仕えるものである事、全世界に、「義しき神」の栄光を齎すものである事を示したのである。

マルキオン Malkion

マルキオンは最初の預言者である。彼は「義しき神」の言葉を人々に伝え、大暗黒の間、どうやって生き延びるか教えた。各氏族の人々に義務として、三種の階級:守り手、教師、指導者に分かれるべきであるという事を示したのである。彼は「肉体の慰めSolace of Body」を教え、「剣の橋」について仄めかした。

フレストル Hrestol

フレストルは「魂の喜びJoy of the Heart」を教えた「義しき神」の預言者である。

ゼメラ Xemela

聖ゼメラ、「黒の貴婦人」は、フレストルの母である。もし汝が彼女に問い掛けるならば、彼女は他者を癒し、その事で汝自身を殺す事になる方法を教えるだろう。「黒い貴婦人」達は彼女の信徒である。最高の敬意をもって彼等を扱え。何故なら、彼等の時間は苦痛に満ちており、彼等の終わりは皆、余りにもすぐにやってくるのだから。

特殊魔道

《(カルト)封鎖》 Ban (Cult)

抵抗不可能。この呪文の〈強度〉強化は標的が(カルト)から学んだ精霊魔術及び神性魔術を成功裡に投射する確率を5%ずつ減らして行く。呪縛された精霊、もしくは同盟精霊、そして呪文使用者に《精神結合》で繋がっている者は、彼等も影響を被っているかどうか確かめられねばならない。他の種類の精霊や、(訳注・他のカルトの)神性魔術には影響を与えない。
「神々の王オーランスOrlanth Rex」や「将軍イェルムYelm Imperator」に対応する《(カルト)封鎖》呪文は知られていない。存在する事が知られている《(カルト)封鎖》は、ゴゴーマ、ユ・カルグザント、シャーガーシュ、ストーム・ブル、タワール(訳注・Tawar?BCGによるとフロネラの牛神らしい)、カイガー・リートール、フマクト、チャラーナ・アローイ、ロウドリル、ペントとシャー・ウン族の精霊一揃い全部、加えてGMの裁量による任意のカルト。

異端

今日のカルマニアには、二つの重要な異端党派が存在する。

社会主義 Socialists

「社会主義者」は社会が全体として、ある意味で完全に均衡を欠いた時には、人間は逆の意味で、均衡を齎すべく、 バランスを欠いた者になるべきだと信じている。あたかも「均衡」が天秤で、人間達が皿に載せられた重りであるかのように考えるのだ。「社会主義者」は公正な人間は、男にせよ女にせよ、光と闇、親切と冷徹、創造性と破壊性の双方において、「均衡」を常にその相応しい時に、自ら体現する者である事を忘れてしまっている。「社会主義者」達は「月」が空に昇る百年前の冬に、「黒き大王」(訳注・Black Shahsはスポルの暗黒魔術を用いてダラ・ハッパを攻撃した王達である。)達に壊滅させられたが、彼等の危険な異端思想は、今日まで地下で存続している。

見えざるオーランス Invisible Orlanth

この教えは異端であるかも知れないし、そうでないかも知れない。その秘密主義については疑いが無い。このカルトの謎を見抜く事は困難である。これは蛮族達が信仰している叛逆の神オーラナトゥスと同じ神ではないかも知れない。このカルトの弁護者は「見えざるオーランス」は「赤の女神」が癒したオーラナトゥスの面であり、今や「義しき神」の息であると主張している。分別は「教主」と「マギの館」がジャーギズであるか、ファトワであるか宣言するまで、このカルトと無関係であるべきだと告げている。
他の教派への対応


ルナーの民 Lunars

「赤の月」は「七つの局面」で、彼女が見える時と見えない時を揺れ動く事を通して、「光」と「闇」の「均衡」を具現化している。女神の「均衡」の接点は古の「剣の橋」と同様に危険かつ神聖であり、我々はそこに沿って歩み、常に自分の居場所と行動の「真実」を理解する事で「楽園」へと到達し得る。自らのより高い運命に到達するために、盲目のまま本能により動く、「帝国」の神秘家や幻視者がいる。しかしこの様な狂気を抱く事は、「カルマニアの流儀」ではない。我々は自分の立つ所を知り、自らの行動を促す動機を理解し、自らの究極の目的に意志をもって進むのである。そして我々は「赤の女神」の無数にある仮面と幻影の元で、他のルナーの信者よりも早く確実に「真のルナーの信仰」を感得する事が出来る。そして意志堅固に働き、更なる「ルナーの道」を目的を抱きつつ進むのだ。


ダラ・ハッパ人 Dara Happans

「太陽の帝国」は「暗黒」に背を向けて、自分の見る事の出来ない敵によって転覆させられた。放っておいて敵意を見せるままにしておいたのである。ダラ・ハッパ人の流儀は常に温和で、柔弱、頽廃していた。彼等には鋼の刃、我々を彼等に対する勝利へと導いた気骨と決意が欠けている。彼等の文明と豪華さは賞賛すべきものであるが、羨むべきものではない。我々の鉄は彼等の黄金よりも強い。英雄達を生み出す荒々しい土地の方が、奴隷を生み出す柔弱な土地より良いのだ。


ペロ−リア人 Pelorians

「女性の国」は「千人の十倍」がスポルの暗闇から彼等を解放した頃から、我々の祖先達に支配されていた。ここにいる者は怠惰な民であり、神秘を有するが理解は持たず、芸術と詩歌はあっても、果断な力と行動に求められる素質はない。彼等は己の低い地位に満足しているが、我々は耐えられない。


蛮族 Barbarians

「文明の敵」。「カルマニア黄金帝国」はダラ・ハッパの頽廃へと堕落した時に、野蛮な「雄牛の民」に征服された。そして彼等の軍勢が「赤の月の女神」到来に当たって、彼女に愚かしくも敵対した野蛮な軍勢である。「蛮族」達はいまだに「真実」と「光明」の軍勢に敵対している。そのために我々は彼等の本拠地を「戦争の温床」としているのだ。すぐ近くにあるヴァングスタルやブローリアであろうと、遥か遠くのドラゴン・パスであろうと、彼等は「ルナーの流儀」の敵であり、従えるべき者達である。


騎馬遊牧民 Horse Nomads

「月の昇天」以来、我々はエリギアの無法で乱暴なシャー・ウン族を隣人として生きてきた。しかし我々のハザール階級の者は、しばしば彼等の生き方の誤りを彼等に教えてきた。「月の闇」の時代、我々カルマニア人は最後の信義ある「尊厳ある大王Magnificent Shah」の配下であった。彼は後に「月の息子」であると認められた:カイトールで我々は雪崩れのように、騎馬遊牧民達を一掃し、彼等が「帝国」を変えてしまった廃虚から「帝国」を新たに築いたのである。我々の真鍮の鱗を連ねたカタフラクト騎兵達は、鋼の三日月刀と鉄の意志を携えて、卑劣でこそこそしたペント人の一党を十度も打ち負かした:彼等は文明化したルナーの連隊に徴募され、カルマニアの騎兵将校の指示に従う時のみ、戦い方を覚える連中である。


アロリアン人 Arrolians

騎馬遊牧民から逃れ、遥かな「西方」まで行った臆病者達と裏切者達。彼等がなんと主張しようが、我々の真実の同胞ではない。


西方人 Westerners

彼等は拷問され、腐敗した「真実の宗教」を魔道と冒涜の寄せ集めに捻じ曲げてしまった。信仰を持たない者の嘘に耳を傾けるな!彼等の目が開かれ得る時が来るまで、彼等は「義しき神」から喪われており、「欺く者」の傀儡なのである!

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