モル日記7

 

「起きろ!とうちゃん!」

「・・・・・?」

「夕飯になるぞぅ〜!起きろぅ〜!

「うぅ〜?!」

何を言われているか分からなかった。

暗がりから出たら、

眩しく、何時かも良く分からない。

「今度は、俺だぁ〜!」

「さっきやったろ!」

またやっている。

(テレビゲームか!)

「何食べるんだろう?」

「えっ?夕飯できてないのか?」

「違うよ、

あれに何をやれば良いのかな?」

「はぁ〜?」

(あれって?!)

「大事な獣です」

「そうだな、忘れてた!

何をやるんだろう?」

「野菜くずでいいんじゃない」と兄

「そんなところかな」

にんじんと大根の葉っぱがあった。

「おい、お前達やってくるか?」

「・・・・・・」

テレビゲームに夢中で聴こえていない。

「あれ!おい、見てみろ!」

外灯を点けた。

窓からのぞいたら、見えた。

「なに!なに!」

「あぁ〜!」

「何も見えないじゃん!」

走り去った後だった。

確かに居た。芝を食べていたのか?

あたりの様子を探っていたのか?

「ねぇ〜!なに?」

様子を見に「チビ」が窓のところに来た。

「おい、居たよな!?」

「なに、何が居たの?」

「ウゥ〜ン!確かに居た!」

「お前達が遅いから逃げたけど、

モルモットが出てきていたぞ!」

「そんなの、見たよ!なっ!」

「うん」

「ずっと前から居たもんね!」

何だ、もう知っていたのか。

「兄ちゃん、やろう!」

にんじんと大根の葉っぱを

持って行こうとした。

「何処行くの!」

「これ、やってくるんだ」

「俺も行く!」

「何だ?さっき言った時、

返事もしなかったのに!」

外に出た。

「チビ」が何かもらえるのか?

と寄って来た。

「お前じゃない!」

「そうだ、お前じゃない」

兄弟に言われても「チビ」は応えない。

小屋のところへ言ったけれど、

騒がしくなったからか、出て来ない。

持って行った「エサ」をおいて

引き上げようとした。

「俺、みてる」

「俺も」

じゃ、付き合うか!

タバコに火をつけた。

村の写真館モル日記