モル日記8

 

「分かったぞぅ〜!」

学校から帰るなり、

兄が言って入って来た。

「・・・・・」

「とうちゃん!分かったぞ!」

公図を読み取っていた。

地形図を作っていた時だった。

「うるさい!」

向こうへ行った。

コーヒーを入れに行くと、

嫁と何か話していた。

「おっ!おかえり、いつ帰った!?」

二人して、こっちを向いた。

「ちびは?」

「・・・・」

「どうかしたか?」

「飲むかい?」

お湯が沸いた。

ウゥ〜ン!いい香りだ!

「いらない?」

早く作らないと、カップを持って戻った。

チビが吼えている。

困ったような声だ。

窓の外の枝に、何かいる、

綺麗な鳥だが、何だか分からない。

一段落付き、庭に出た。

さて、何をやれば良いんだろうか?

「おい!出て来い!」

チビが寄って来た。

「呼んでないよ」

ボールを持ってきて、

遊んで欲しいと訴えている。

「よし!持って来い!」

2〜3回ボール投げをした。

「おしまい!」

ボールを物干しの支柱に挟み

中に入った。

「とうちゃん!」

「うっ!どうした」

「分かったぞ!」

「あっ、なんだぁ〜!」

「何食うか分かった!」

「何食うって、なんだ!?」

「モル!!」

「おお!わかったんか!で、何だ!」

「へっ、へぇ〜!」

「もったいぶるなよ」

嫁が通りすがりに笑った。

くしゃくしゃの紙を広げだした。

「見るな!」

「隠すなよ、見ないよ!」

見ようとしても、暗号のような、

解読不能の文字ような、

いや、きっと文字なんだろう。

「えぇ〜!・・・」

「どうしようかなぁ〜!」

「なんだよぅ〜!」

「止めよっかなぁ〜!」

いやに、もったいぶるじゃないか?

「いいよ!」

「図書館へ行って調べてくるから」

と言っても、そのずくがない。

「さっき、叱られたからねぇ〜!」

嫁が言う。

「何か、言ったっけ!」

「・・・・」

また、二人きりの世界に入って行く!

「うっ!」

「しょうがないね!教えてやったら!」

「しょうがないか!教えてやるよ!」

意味不明な会話ですね!

あぁ〜!こうして、父親は、

孤独になっていくんだぁ〜!と思った。

俺が、何かしたのか!

あぁ〜!父親ってつまんないんだ。

「モルモットは、ウサギの・・・」

「これなんて読む?」

おい、おい、自分で書いたんだろ!

例の、秘密のメモを嫁に見せて言う。

「な・か・・・・」

「あっ!仲間だ!」

「食べるものは・・・」

そうか!ウサギか!

こきまで聞けば、後はもういらない!

と言う事は、「ニンジンか」

庭の雑草で良いんだな、

大根の葉っぱも、確か、食べたよな!

「おい!とうちゃん!聞いてるかぁ〜!」

「うっ!うん!聞いてるよ!」

「砂漠で見つかった・・・」

「えっ!砂漠、おい、砂漠にいるのか?」

「さばくって、あの、熱い所だよな、

砂漠だよな!」

「ちゃんと最後まで聞きなさい!」

嫁に言われた。

「そうだ!ちゃんと聞け!」

「世界中に広く生息し、・・・」

嫁に指でメモを指し助けを求める、

「食用」

「食用とし飼育する地域もある。

また、良質の毛皮が取れる為・・・」

「何!食うのか?毛皮にもなるって、

あんなに小さいんだぞ!」

「うっ、うっ!」

「はい!」

村の写真館モル日記