ダイナミックな傾斜の天井

部屋は床と壁、天井によって仕切られています。何と仕切られているかというと、皆さんご存知のように、外部だったり、上の部屋だったりしますね。


「天井」がないと部屋になりません。雨は入るし、雪も降ります。風も入るし、暖房をしても暖めた空気がどんどん逃げてしまいます。

ですので、天井は絶対必要ですよね。この絶対必要な天井をどのように造るかが、空間に大きく影響を与えます。


現場見学会などに出向くと、真っ白な壁、真っ白な天井、木調のフローリングという組合せの家が多いです。

壁と天井が真っ白なので「豆腐のような部屋だな」といつも思います。

何も置かずに使う人はいないので、家具や雑貨が最終的には入ってきます。
最終的には、豆腐の部屋ではなくなるのですが、あまり「楽しさ」を感じませんね。

そこで、「ダイナミックに天井を斜めにしよう」ということで、リビングなどの大きな部屋の天井に変化をつけています。

広い部屋で天井が高いと、圧迫感がなくなり開放的な気分になります。頭を抑えられた感じがないので、気持ちが良いですね。
皆さん体験した事はありますか？　天井が高いと部屋も広く感じたりします。


体育館などは広ですけど、天井が高いので、更に広く感じるんですよね。

大会議室やホテルの大広間などは何だか頭を抑えられているような気分になりませんか。天井が低いと、本当は広いのに広さをあまり感じなくなってしまうんですね。

住宅で天井を高くして７畳半のリビングを造ると、１０畳くらいあるような錯覚を感じてしまうことがあります。人間の感覚は結構、造り方に影響されますね。
物は置けないので狭いのですが、なんか広く感じることができるんですね。


斜め天井にするメリットは高い天井を実現しながら、空間を有効利用できるということです。斜めの天井は屋根と同じ形状にできるので、ムダな空間を少なくすることが可能となります。

「斜め」という形状から変化が生まれます。楽しさを感じることができます。


高天井にすることでのメリットに、「高窓が取れる」ということもあります。

部屋に入る光の量が増えますし、高いところからの光は部屋の奥まで、差し込むので、広い部屋には有効です。又、換気用の窓として使うと、夏の暑くなった空気を外に出し易くなります。風が抜ける感じと言えばわかりやすいと思います。

空間の作り方、構成の考え方によって快適で広々とした楽しい空間を実現できます。

そんな空間で、毎日生活できると心豊かな、落ち着いた気分になれると思います。


●これから家を新築する方へ
天井は高ければ良いというわけではありません。部屋の大きさによって、バランスの良い天井の高さというのがあります。トイレや洗面脱衣の天井高が４ｍあっても、あまり楽しさや快適さは感じないですよね。　

◇道先　案内人（みちさき　あんないと）のお勧めは、ダイナミックな斜め天井を造ることです。リビングなどの広い部屋にお勧めです。
屋根なりの天井とすることで、空間利用やコスト削減ができます。