1.いざ、韓国へ
午前11時55分に名古屋を飛び立ち真西に向かうJAL・DC10型機の窓から見えたのは雲ばかり。梅雨入り間近なので当然のことだ。致し方ない。もし天気が良ければ琵琶湖や京都の街並みを真上から眺められたことだろう。松江上空から日本海に出るというアナウンスだったが、いつそこを通ったのかはわからないまま。雲が切れ始めたのは海に出てからのことであった。やがて真っ青だった海の色が緑っぽく変わり海岸上空にさしかかる。14年ぶりに自分の目で見る韓国の陸地である(14年前は下関から関釜フェリーで行った)。田畑や木々に覆われた山々は日本の光景とそっくりだが、山を越えて釜山・金海國際空港(김해국제공항・キムヘクッチェーゴンハン)に近づき、風になびいている韓国の国旗を見てその時「韓国に来たんだ」という実感が湧いてきた。そして午後1時半に空港に到着。入国審査を終え空港内の銀行窓口で両替を済ませターミナルの外に出た。名古屋は曇っていて涼しかったが、釜山はよく晴れていて日差しが強くて暑い!釜山の
名古屋空港、これから向こうのJALに搭乗する。
手前は台湾の中華航空。
緯度は名古屋と同じ位だというのにこうもちがうのか!そこからタクシーに乗って釜山駅に行った。所要時間は約1時間、料金は1万2千ウォン位で、日本より相当安い。

2.国鉄乗車券購入

韓国も、日本の新幹線、フランスのTGV、ドイツのICEに相当する高速鉄道(KTX)の開通予定があり、釜山駅は工事まっただ中(2004年にソウル−東大邱間の専用路線開通予定、東大邱−釜山間は在来線使用。専用路線は2010年に釜山まで延伸の予定)。駅舎は北側の一部のみ
でき上がっていた。14年経つとこうも変わるのか。釜山駅の乗車券売場も1Fから2Fに移った。そこで翌日の釜山−慶州の行き帰りの急行列車・ムグンファ号と翌々日の釜山からソウルまでの特急列車・セマウル号の特室(グリーン車に相当する)の乗車券を購入した。明日は日曜のため慶州から釜山に戻るムグンファ号の席は満席、立席乗車券となった。しかも韓国では前日の6月6日は祝日(顕忠日=戦没者を追悼する日)だから3連休の人が多く8日の帰りの指定席券は売り切れて当然のことだろう。しかしあとの2つの席は大丈夫だった。韓国の列車は、速い順からセマウル号(새마을호)、ムグンファ号(무궁화호/無窮花號)、トンギル号(통일호/統一號)の3種類で、セマウルとムグンファは指
釜山駅はKTX(左のパネル)開通に合わせて工事が行なわれていた。
駅舎は北側の一部のみだった。
 
鉄道旅行の友・時刻表。
横127mm×縦186mmの1種類のみ。3000ウォン
定席のみ。ムグンファは指定席券が売り切れれば立席乗車券を買うことができる。トンギルは普通列車に相当し自由席がある。払った金額は、釜山→慶州5千9百ウォン、慶州→釜山(立席)5千ウォン、釜山→ソウル(特室)3万9千ウォン、合計4万9千9百ウォン、これも日本に比べかなり
安い。釜山−ソウル間は東京−米原間の距離位で、それよりも短い東京−名古屋間の運賃のみの6千円位よりも安い。だが14年前と比べればウォンではかなりの値上げだ(当時セマウル特室で釜山−ソウル間は金曜日で1万8千3百ウォン)。しかし当時1円が約5ウォンだったから約
3660円で日本円に換算れば少しの値上げ。但し、土日祝、月金、火水木と値段に変動がある。ハングルや数字で目的の列車名、駅名、日にち、時刻を書いた紙を渡し、乗車券が手に入り一件落着。

3.ホテルチェックイン・南部の繁華街でカルビ
駅前のホテル(釜山アリラン觀光ホテル(부산아리랑관광호텔))でチェックイン。ここの従業員は日本語がわかるので言葉に苦労することはない。30分ほど休憩して、地下鉄釜山駅で、「ハナロカード(하나로카드)」を1万ウォンで購入し、南隣の中央洞(중앙동・チュンガンドン)へ行った。ハナロカードは釜山の地下鉄やバスのプリペイドカードでキャッシュカードやクレジットカードのような厚いプラスチックカード、JR東日本のスイカ、西日本のイコカと同様、自動改札口のセンサーに当てるだけでOKだ。中央洞駅を出て釜山タワーを左に見て、目的
韓国国鉄の乗車券。連続専用用紙に印刷した券で、かつて日本のJRの乗車券もそうだった。親切に出発の日にちや時刻を丸で囲んでくれた。
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のカルビ店「釜山スップルカルビ(부산숯불갈비)・スップルとは炭火のこと」へ向かう。國際市場(국제시장・ククチェーシジャン)や釜山の中心街・南浦洞(남포동・ナムポドン)に近いためかなりの人出だ。随分探す。その間下校途中の制服姿の女子高生らを見かける。ちゃんとした着こなし、スカートは皆膝丈で、ルーズソックスは見かけなかった。男子高生もシャツの裾はしっかりズボンの中に納め、ボタンをはずすなどだらしがない格好をしている生徒はいなかった。また、日用雑貨やCD、果物類などを売る露天商は相変わらず多い。それらを眺めながら歩いているとやっと「釜山スップルカルビ」を見つけ入店した。牛カルビ(소갈비・ソガルビ)200gと、(今日は暑いからビールを飲もうかと思
   駅前広場の地下鉄入口、ハナロカード
ったが、ここは韓国だから韓国式に焼酎にしよかと思い)焼酎(소주ソジュ)を頼んだ。飲みたかった焼酎の瓶入りの眞露のチャミスル (참이슬
が冷やされた状態で運ばれて来て(チャミスルは翌8日のページに掲載)、ホッと一安心。ビールにしなくて正解だとも思った。続いて肉が骨に巻かれたような状態のカルビと、白菜の水キムチ(물김치・ムルギムチ=白菜漬けを水に浸したようなキムチ、いかにも夏らしい。食べると酸っぱい)、カクトゥギ(깍두기=大根キムチ)、その他野菜系の副菜3皿程と、肉やキムチを包むためのサンチュとエゴマの葉が運ばれて来た。カルビは従業員がはさみで切りながら焼いてくれる。あと好みでニンニクと青唐辛子(食べたら辛くない種類だと知った)を自分で焼く。チャミスルは日本酒の冷酒と同様に瓶からガラスのお猪口に注いでストレートで飲む。これがカルビによくあう。箸は銀色の金属製の箸で、日本の飲食店にもある箸が収まっているケースから蓋をあけて取り出す。14年ぶりに持つ韓国の箸だから重くて持ちにくい。だが、じきに慣れてくる。先がギザギザになっていて肉などがつまみやすいからだ。食べ終わって勘定、キムチなどの副菜はサービスで1万4千ウォン、日本だったらその2倍位するだろう。ここも安い。「안녕히 계세요.(アンニョンギゲセヨ=お元気にいらして下さい(さようなら))」と言って店を出て、街中を歩いた。日本語で書かれたメニューが貼られた飲食店があちらこちらに。やがてチャガルチ市場(자갈치시장)に近づくと収穫したばかりの泥つきニンニクを大量に積んだ小型トラックがやってきた。いかにも韓国らしい光景である。チャガルチ市場では海産物を生で食べることができるが時季のことを考え、食中毒防止のため食べることは避けた。チャガルチ駅より地下鉄で釜山駅前のホテルに戻った。
地下鉄チャガルチ駅の売店で売られていた新聞に盧大統領訪日の記事が掲載されていたので買ってしまった。今後の韓国語の学習材料とする。14年前は縦書きだった。

4.居酒屋「あすか」

6時半ごろ再び外出、地下鉄で蓮山洞(연산동・ヨンサンドン)へ行った。蓮山洞駅を出たあと、居酒屋「あすか」に入った。広い道から曲がり角を曲がり坂道を降りたばかりの所にある。大阪出身の日本人マスターが経営する居酒屋で、勿論日本語OKだ。テレビも日本の衛星テレビがつけられていた。他にも日本人の客が来ていて安心して飲食ができた。ビール、日本酒の熱燗、付け出しのピーナッツ、キムチジョン(김치전=キムチを使ったチヂミ)で2万ウォン。ここの値段は日本と同じくらい。そこを出たら、もう日はとっぷり暮れていた。大通りや裏通りに面して立ち並ぶ商店の
看板がついていて名古屋の金山や今池を思い出した。ただハングルの看板である所が金山や今池と異なる所だ。
蓮山洞から釜山駅に行き、駅前のファミリーマートでおにぎりを買い(おにぎりは700ウォン位で日本の100円〜150円位より安い。但し日本は税別であるのに対し韓国は税込価格だから差はもっと大きいことになる)、ホテルに戻った。コンビニが沢山あるのも14年前と違うところだ。近くにセブンイレブンもある。
 
ホテルの窓から見えるファミリーマート、ロッテリア。
普通のホテルだというのに、赤くて怪しいランプ。
 
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