3.3日目 10月20日(日) 釜山西部バスターミナル→高速バス→木浦総合バスターミナル→ホテル
 天気:曇のち晴暖かい
 
起床後の血圧:H126 L80 正常範囲だ。一安心。
 
   釜山からソウルまでは鉄道(KTX、開通前はセマウル)で行くのが便利であるが、木浦(목포・モッポ)への列車は1日1本のみの無窮花號(무궁화호・ムグンファホ)。始発は釜山驛ではなく釜田(부전・プジョン)驛。早朝6時25分発で木浦驛到着は13時13分、所要時間は6時間48分で7時間近い。鈍行(各駅停車)の統一號(통일호・トギルホ)はKTX開通に合わせ廃止になっているため、かつて急行だったムグンファが鈍行に格下げされてしまった。運賃は25,100ウォン(立席乗車券は21,300ウォン)。一方、高速バスは一日7本のダイヤ、所要時間は約4時間半(ソウルナビでは5時間半)、運賃は22,500ウォン(釜山ナビでは27,000ウォン)。料金は五分五分だろうか、本数が多い方や速い方を考えれば高速バスの方が勝つ。このため高速バスで行くこととした。
 朝6時半にホテルでチェックアウト、駐車場内で待機しているタクシーに乗車し、서부버스터미널(西部バスターミナル)と告げる。ホテル南の分岐する道を行き、トンネルを通過、や
はり釜山は丘陵が多い街であることを物語っているみたいだ。あっという間に到着したようだ。西の空には沈みかけている満月が輝いていた。つまり夜明け前だ。支払いを終えターミナルの建物内に入る。今日は日曜とあって窓口には長い2本の列ができている。木浦行の出発時間を表(ハングルと数字の時刻のみ)で確かめ、9時30発に乗車するバスに乗車することに決める。そして列の最後尾につく。だんだんと順番が近づいてくる。私がキャリーを引いているため日本人か中国人だろうと思って前に割り込もうとする人がいる。しかし”どうぞ”の仕草をし入れることとした。二回割り込まれた。後から割り込んだ人が券を購入し終え、いよいよ自分の番だ。「9시30분 묵포까지(アホップシサムシップン モッポッカジ=9時30分木浦まで)」と告げると窓口の人はすんなり乗車券や釣銭を渡してくれた。韓国語で乗車券を購入することは慣れたようなもんかな、難関突破とは言えないだろう、それらを財布に入れる。朝食が食いたいがターミナル内の飲食店は営業前だ。コンビニCUはやっていたのでサンドを買い、待合のベンチで食べた。キャベツ、チーズ、ハムなどが入って
いる。塩分やコレステが気になるが、かといって一日三食摂らないと糖尿病のリスクが高まるそうだ。しかもおとといの博多港出発の朝は朝食は食えなかったことだし、また節約は守らないと。ぺろりと平らげた後、あと二時間もあるので、ベンチでスマホのニュース画面を見続けていた。気になるのは折角台風一過の時に福岡から船で来れたというのに、また別の台風が来ることだ。帰国の24日、今週の木曜が気になる。襲来が遅れてくれることや濟州航空搭乗予定だが欠航にならないことを望む。
 そうこうしているうちに、時刻はもう9時15分頃になったためバス乗り場へ向かう。出口で券を提示、黒ペンで印を付けられ、乗り場は最も端、地下鉄沙上驛(사상역・ササンヨク)に近い25番だ。行先の表示はハングル、ローマ字、中国式の漢字(簡体字)。木浦の漢字表記は中国も日本も同じだからすぐわかる。そこには前のバスが停まっている。そのバスが出発した後木浦行のバスが来るとみられる。そしてバスは出発。その直後「묵포」(木浦)と表示されたバスがやってくる。それだ!停車、キャリーは自分で座席下の収納庫に入れる。車内に入り指定の席に着席。右側窓席、走行中は殆ど北側になるから日が当たらず眩しくなから良いだろう。運転手とは別の人が検札、半券を渡してくれる。検札した人が降りていき、バスの扉が閉まり定刻通り9時30分に出発。バスは금호고속(錦湖高速・クムホゴソク)で、一般道路、そして高速道路に入る。釜山の大河・洛東江(낙동강・ナクトンガン)を渡る。昨日登った金井山(금정산・クムジョンサン)らしき山が見える。その川を渡りしばらく走って釜山とお別れ。今度釜山に来るのはいつのことか、まだわからない。チャガルチでの刺身&ニンニクを食したこと、金井山登山、西面(서면・ソミョン)のロッテ百貨店裏の屋台での一杯、ホテルまでは崖を階段で登ったりカーブだらけの道を歩いて行ったことなどを思い出しながら釜山の街は遠ざかっていった。これからは山々と狭い稲刈りしたばかりの田んぼがある平野の繰り返しだ。鉄道線路も見える。泗川(사천・サチョン)でのトイレ休憩1回(便器はR-TOTO、日本企業のTOTOの系列か?)の他、中馬(중마・チュンマ)等4回程ターミナルに停車する。いずれも全員が下車しないため木浦ではないことがわかる。あるターミナルのトイレに行った客一人がバスに乗り遅れたが、出発直後信号待ちがあったため、ドアをたたいて乗ることができた。自分もホッと一安心する。また山地に墓地があるのを目にする。大正天皇陵や昭和天皇陵と同じ円形で丘のように盛
り上がっている。起源は同じなのか?また二基並んでいるのが多い。おそらく夫婦であろう。毎年9月の秋夕(추석・チュソク)は墓参りの親族が正座して頭を下げることを思い浮かべる。墓のことを山所(산소・サンソ)というのは墓が山にあるためだ。山だらけと思ったら平地もある。平地の水田はもう稲を刈り取った後。白い円筒形のものが多数転がっている。名古屋近辺の水田では見かけない。藁を白いシートにくるんであるものであることを後で知った。翌年、テレビ番組「空から日本を見てみよう」を見たことによれば日本の佐賀県内にもあり、同じように機械で円筒
形にしカビが生え腐らないよう白いビニールで覆うという。その藁は牛のエサになるそうだ。そして長い橋を渡る。大河ではなく入り江のようだ。筏橋(벌교・ポルギョ)付近か?半島南部はリアス式海岸だからあって当然だ。バスはまだまだ走り続ける。14時少し前、標識に「묵포시」(木浦市)と書いてあるのが目に入る。木浦市に入ったのだ。釜山から木浦まで高速バスで約4時間半、予想より約1時間早く14時頃木浦総合バスターミナルに到着した。バス座席下からキャリーを取り出し、ターミナルビル内に入る。
 とにかく腹ペコ、何か食いたい。しかし食堂は地下、エスカレーターもエレベーターもない。ターミナルでの昼食は断念。ホテルに着いてから食うこととし、タクシーに乗車。「샹그리아비치호텔(シャングリアビーチホテル)」と告げる。「말  몰읍니다.(マルモルムニダ=言葉わかりません)」と言っても運転手は一方的にベチャベチャ話す。もういや、このタクシーは。しかも初めての地、ちゃんとホテルに向かっているのだろうか、不安が増してきてしまう。しかし、目的のホテルが見えてきた。ホテル東口前に止めてくれ、トランクに収納したキャリーを取り出してくれ、「감사합니다.안녕히겨세요.(カムサハムニダ、アンニョンギガセヨ).」。ホテル内に入り、フロントで予約した時に印刷した予約票を見せる。禁煙と喫煙の部屋があるようで、「NO SMOKING」と言い、カード型のキーを渡され、エレベーターで3Fに上がり、部屋に入る。きれいなホテルだ。真正面が海(榮山湖・영산호=ヨンサンホ)であるリゾートっぽいホテル、夏は賑わいそう。窓からミニストップが見えたのでそこで何かを買うこととし、ホテル外に出る。ホテルのそばの交差点は黄色の点滅信号、歩行者用信号はついていない。他の交通に注意し安全確認をしてから横
左から、シャングリアビーチホテル、同室内、同室入口・荷物庫付近
断をする。ミニストップは6階建てビルの1Fにある。缶ビールとチャミスル、おにぎり二つのセットを購入。時刻は14時半頃だから夕食がちゃんと入るように軽食としておにぎりにした。ホテルに戻って、釜山から4時間半もバスに揺られたこと、タクシーで一歩的にベチャベチャ話されたことを思い出しながら、またテレビは日本の衛星放送が入らずKBSなどを見ながらのお疲れの一杯。
 日が暮れかけた17時すぎ、再度外に出て、ホテル裏にある飲食店を見つけ(店名は忘れた)、入店。靴は脱いであがる。入口右の部屋のテーブル席に案内され、ピビムバプを注文。すぐに運ばれて来る。白菜キムチ、イカ塩辛(コチュジャン和え)、コンナムル、青菜のナムル等の副菜付。またピビムバプはユッケピビムバだった。ちょっと贅沢。勘定は7千ウォン(約700円)、日本の焼肉屋などで食べるユッケピビムバプと比べれば、また副菜があることも考えれば安いといえるだろう。店を出た後、今度はコンビニ・CUでまたチャミスルとつまみにする栗を買った。ホテル部屋に戻ってまた飲む。すると、窓の真正面は平和廣場(평화광장・ピョンファグァンジャン)という公園、その向こうは榮山湖(영산호・ヨンサンホ)、その湖で20時頃に噴水のイベントが行われていた。목포춤추는바다분수(モッポチュムチュヌンバダブンス=木浦踊る海の噴水)という名称で、月曜以外は毎晩やっているという。またガイドブックなどに出ていない出来事と出会った。旅の
ホテル窓から見る光景:左から、平和廣場と榮山湖、東方の飲食店ビル、木浦踊る海の噴水2回分{左側・青く映し出されているのは목포시(木浦市)}
楽しさの一つである。チャミスルは余計にうまい!

 床についた後、蚊がいるようだ。右人差し指を刺されてかゆい。蚊を見つけねば。いたいた、風呂場照明のスイッチそばの壁に止まっている。パンと叩き潰そうとしたが逃げられた。韓国の蚊も大量のニンニクを食べた人の血を吸うためか、動くのは素早い。蚊のニンニクパワーだ。が、あきらめない。また刺されたくないからだ。今度は上部梁の角にいるのを見つけた。もう逃げられてたまるもんか!と思い再び叩き潰す。今度はうまくいった。潰された蚊から吹き出た赤い血が壁面に付着していた。蚊のことは「모기(モギ)」という。蚊に刺された=모기에게 찔렸다(モギエゲッチルリョッタ)。
 
歩行距離:300m 就寝前の血圧:H108 L58 沢山飲んだので低め。またバスやタクシーでの移動が多かったため、そう多くは歩いていない。 TOP 10/19 釜山 10/21 木浦・珍島