甲子園での原辰徳監督の引退セレモニーは、巨人ファンならずとも感動を呼んだようだ。原辰徳のスピーチはこんなものだった。
「本当にありがとうございます。
思い起こせば、昨年のこの時期、阪神甲子園球場で宙を舞うことができました。その時の巨人ファンの歓声、そして最後まで温かく見守ってくださった、そして祝福をおくってくださった阪神ファンの姿、忘れることはできません。そしてまた本日、私ごときのために、阪神球団のご厚意、そしてみなさまのおかげをもちまして、このような時間を作っていただきましたことを大変感謝申し上げます。
なにより、尊敬する指揮官星野監督から、最後、労いの言葉まで頂いて、どう自分の気持ちを説明していいかわからないくらい感動しております。大変ありがとうございました。
タイガースはこれから日本シリーズという大きな舞台がまっております。必ず日本一を勝ち取ってください。願っております。
最後になりますが、ファンのみなさま! プロ野球はファンのみなさまそしてみなさまのおかげがあってプロ野球は成り立っております。プロ野球、タイガース、そしてジャイアンツ。これからもあたたかい声援、よろしくお願いします。
私は夢の続きというものを胸の中にしっかりしまいこんであたため、宝物にして明日から生きてまいります。本当にありがとうございました」
このスピーチの中で最もニュース価値が高いのは、どう考えても「プロ野球はファンのもの」というフレーズだ。監督更迭を「讀賣グループ内の人事異動」と抜かしたバカオーナーを皮肉ったのかどうだか知らないが、一連の流れからして最も注目されるべきフレーズだ。だが、直接確認したわけではないが、その日のテレビニュースでフジテレビ以外は、その発言部分をカットしたそうである。意図的なのかセンスが無いだけなのか知らないが、阿呆極まりない。
いい加減、もう企業が前面に出たプロスポーツは終わりだろう。監督更迭が親会社の「人事異動」なら、試合はさしずめ企業の運動会か? どうしてそんなもんを観て喜ばなくてはならない? 親会社から左遷まがいで出向してきた奴が球団経営をし、時期が来たら喜び勇んで帰っていく。面白いわけがない。
Jリーグも同じだ。地域密着とはいえ、どこもある程度企業の援助は受けている。だが、企業名がチーム名に入っているのチームが(たぶん)1チームだけある。
ジェフユナイテッド市原。
JEFは親会社JR東日本(East)と古河電工(Furukawa)の略。合同チームだから、「ユナイテッド」。こんなバカな発想をするチームがJリーグにもいるのだ。そんなんで人気が出るわけがない。
弱いわけではない。歴史もある名門だ。監督も3代続けて超一流。阿部勇樹というスター候補も抱えている。今年は優勝争いもした。だが、観客動員数は最下位をひた走っている。
http://park15.wakwak.com/ ̄gya-suka/j/jdata/douin.htm
Jリーグ最低のスタジアムも、チェアマンから「サッカーを観るスタジアムじゃない」と酷評された。さすがにヤバイと思ったのか、千葉市と合同で広域フランチャイズに変更した。そして、新チーム名の公募に踏み切った。
http://www.nikkansports.com/ns/soccer/p-sc-tp0-031003-0010.html
どんなんが出てくるのか楽しみである。また企業名残しやがったら、今度こそ終わりである。ジャイアンツも、東京ジャイアンツに改名してほしい。だけど、あそこなら、企業名外せと言われたら、「日本ジャイアンツ」にしかねない。
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