TOPページ > スズメバチによる刺傷被害 > ハチ刺されと死亡事故 > キイロスズメバチ刺傷による死亡事例 | |
キイロススメバチ刺傷による死亡事例 |
|スズメバチ刺傷による死亡事例一覧|キイロスズメバチ刺傷による死亡事例| |
|
”2017年9月11日(月)に,愛媛県大洲市内で,電動車イスに乗った87歳の女性がスズメバチに150ヶ所を刺され,翌日死亡した”というニュースが10月に入ってから報道され,人々に大きな衝撃を与えました. このケースの特異な点は,周りに人がいたにも関わらず50分間刺され続けたという点にあります.さまざまなニュース報道から事故の背景や問題点が明らかになってきましたので,まとめておきたいと思います.ニュースの概要は以下のとおりです.
TV報道の映像からキイロスズメバチによる刺傷被害であることが確認できました.巣は道路脇の民家(空き家)の1階軒下にありました.現場は山の中で,たぶん普段は人通りも少なく,スズメバチとの共存が可能であったと思われます.これが市街地なら,もっと早い段階で刺傷被害が発生していた可能性が高く,危険度から考えると早めの駆除が必要なケースです. 10月に入るとオオスズメバチによる巣の襲撃が活発になり,キイロスズメバチの巣でも臨戦態勢に入り興奮状態が続いています.そのため,思わぬ時に刺傷被害が発生しますから,巣の近くを通行する際はくれぐれも注意が必要です.ちなみに私なら,この場所は危険すぎるので決して近くを通行しなかったでしょう. スズメバチが人を刺すのはあくまで巣を守るためです.巣から速やかに離れればハチの追撃から逃れることができます.追撃距離は種により異なっていますが,攻撃性が強いキイロスズメバチやオオスズメバチ場合は30m程度と考えられています.ハチに襲われた場合は、その場から少しでも遠くに離れることが大切です. スズメバチに多数ヶ所を刺されて死亡するケースは時々見受けられます.刺されたショックなどが原因で逃げることができす,その場所に止まった結果たくさんのハチの攻撃を受けることになります.特に,単独行動中に被害に遭うと,連絡する人もいないないので救出が遅れ,死亡につながるケースが多く見られます. 今回ケースでは,”近くに人がいたにも係わらず,連絡や準備の手違いもあって長時間にわたって救助できなかった”という点で,大変不幸な事例であったと思います.
スズメバチによる刺傷被害を防ぐには、ハチの習性をよく理解し,刺激するような行動をとらないことが第一です.また,万一刺された場合に備えて,刺された際の対処法をよく知っておくことも大切です. こうした危険が考えられ場所では単独行動を避け,複数で行動することも必要です.また,刺傷被害が発生した現場に近寄る際は,興奮状態になっているハチによる二次被害もしばしば発生していますから,十分な装備を整えて出かけることが大切です. 山間部では,そこに住む人たちは普段からハチと上手に共存しながら生活しており,”スズメバチ=危険なハチ”という認識が少ないと思われます.しかしながら,時には今回のような不幸な事例が発生することがありますので,油断は禁物です. |