ニホンミツバチ

働きバチの体長は12mm前後で,体の色はセイヨウミツバチよりも黒っぽくやや小型です.オスは全身が黒く,幅広い体型をしています.我が国の在来種で,従来は山野の樹洞などに営巣していたのが,最近は都市環境にも適応し各地で増加しています.

名古屋市でも年々増加傾向にあり,営巣事例が各区で多数見られるようになりました.営巣場所は墓石の中,屋根裏,壁の隙間,床下,樹洞などの遮閉空間ですが,時には木の枝や軒先など開放空間にも営巣,そのまま無事に越冬する事例も多く見うけられます.育房数は6,000〜20,000で,大きな巣では50,000を越えることがあります.働きバチは3,000〜50,000頭で,5月〜7月に最多となります.


4月から5月にかけての分蜂期には,市内各地から多くの相談が寄せられます.分蜂は晴天の風のない日の午前中が多く,一旦巣の近くにある樹木の太い枝に蜂球を作って集まります.木はカキノキ,マツ,イチョウなどの表面がザラザラして止まりやすい種類の事が多く,毎年同じ場所に飛来するこ少なくありません.

その後営巣場所が決まるとハチは一斉に飛び立ち移動します.早ければ数時間以内に営巣場所へ移動しますが,時には2〜3日もその場に留まる事例や,そのまま営巣してしまうこともあります.


秋口になるとオオスズメバチの襲撃を受けることがありますが,古くから日本の山野に生息してきたニホンミツバチは蜂球を作ってオオスズメバチを熱殺するという対抗手段を持っています.しかしながらオオスズメバチの襲撃に耐えきれず,巣を放棄して逃去する事例も少なからず見られます.冬季は子育てを中止しますが、2月〜3月には活動を再開します.