樽山城跡
所在 静岡県周智郡春野町田河内タシロ
交通
歴史 樽山城は鎌倉時代より戦国時代にかけて北遠地方にに勢力を誇った天野氏によって築かれ
たとされるが、創建年代は不明である。
城は天野氏の勢力地の最東部に位置し、駿河国境を押さえる役割を果たしていたものと考え
られている。
天正四年(1576)、天野氏居城の犬居城は徳川氏により攻め落とされているが、その犬居城
攻城戦に先立ち徳川軍はこの樽山城を攻撃、落城せしめている。
樽山城を入手した徳川氏は今川氏の旧臣、安倍大蔵頭元真・三倉久右衛門定次らを城番に
据えて武田氏の来攻に備えるが、武田氏滅亡によりその危機がなくなると城の役割を終え、
樽山城は廃城になったと考えられる。
樽山城の案内板
急峻な坂道を登って城跡へ
樽山城本曲輪
堀切跡
一言 樽山城跡は熊切川の上流に位置する標高629mの城山の山頂に築かれた山城で、田河内
地区を通る県道より『樽山の滝』を進む脇道(山道)を進むと車でも難なく麓まで進める。
案内板の前に車を止め、急峻な坂を登ること約10分程で虎口の遺構が確認でき、駐車地か
らの比高は40mほどであろうか。
城跡は細長い尾根を階段状に区切った連郭式の縄張りで、本曲輪を含めて思いのほか狭小な
曲輪が続いている。そのほか、腰曲輪の遺構も確認できる。
なお、城の南北は断崖となっており、ここからの侵入は不可能であったであろう。
腰曲輪部
埋もれつつある堀切部(案内板を起こしておきました)
狭小な曲輪が続く城跡
前述の『樽山の滝』は“一部の滝フリーク”の間では知る人ぞ知る名瀑らしい。
私の興味は城跡だけだったので、音だけを聞いて登城してしまいましたが...。