葛山城跡

所在  静岡県裾野市葛山

交通  JR御殿場線裾野駅よりバス中村下車

歴史  葛山氏は平安時代からの駿東の名族大森氏の一族で、大森氏が小田

     原へ移った応永二十五年(1418)年以降、この地を治める土豪であった。

     この前後、葛山氏は当時駿河に勢力を張っていた今川氏と同盟関係に

     あり、今川軍ととも上杉禅秀の乱・永亨の乱に参戦している。

     戦国期になって葛山氏は氏尭・氏広と続き、支配維持に努める.。

     今川義元死後は今川氏より離反、その後甲斐武田氏に隷属。これ以降

     葛山氏は没落し、葛山氏元を最後に史上から消える。

     葛山氏の名は信玄の六男が名称を継承、信貞と名乗って統治を続ける。

     信貞は武田氏滅亡時、甲府にて自刃。

     なお、葛山氏元一族は一説に『武田氏により信濃でことごとく討たれた』と

     あるが、異を唱える人も多い。

       葛山城跡石碑

       葛山城跡遠望

       葛山氏の菩提寺仙年寺

 

一言   葛山城近辺に平時の居館跡、菩提寺が1箇所に現存しており、この点は

      全国でも珍しいとされる。

      城は菩提寺仙年寺の裏山にあたり、標高265mに位置する本丸を中心に

      二の丸・三の丸・帯曲輪・虎口・堀切・土塁が非常に良好な状態で残っている。

      城跡へは仙年寺裏側の葛山氏代々の墓所を通り、約15分の登り道で本丸

      に到着する。

      仙年寺の前方約200mのところに位置する居館跡は方形で、一辺約100m

      ・約3mの土塁を四方に残す。この居館跡の保存状態も非常に良く、中世豪

      族の典型的な遺構として一見の価値がある。

       葛山城本丸跡

       葛山城帯曲輪跡

       仙年寺より居館跡を望む

       居館土塁跡に奉ってある祠

     静岡のページに戻る   トップに戻る