競馬空振り日記。すれすれなるままに・・・ 99年−秋

por斎藤祐司

「競馬が人生の比喩なのではない。人生が競馬の比喩なのだ」−−寺山修司−−


過去の『競馬空振り日記』 すれすれなるままに・・・

98年、毎日王冠から有馬記念 99年、フェブラリー・ステークスから桜花賞

 『競馬空振り日記。すれすれなるままに・・・』をまた書くことにする。99年もまた秋競馬が始まった。新潟から中山に競馬が戻ってきた。そしてG1トライアル、G1へと続く。競馬好きとしては、お金が入って来るか、出て行くか、大問題の時期だ。このタイトルは、いつも最後の所で外してしまう馬券。そう、いつもすれすれで外してしまうのが、俺の馬券だ。野球で言えば、バットがボールにカスリもしないでキャッチャーミットに収まって三振を意味する「ストライク」のコールをされる様なものだ。「あぁ、チィップなら三振じゃなかったのになぁ」
 そんな、予想上手の馬券下手の、自分自身に戒めを込めて付けたものだ。
 ♪馬で銭儲けした奴ぁないよ、分かっちゃいるけど止めたれない♪ 人に向けて書こうと思う。

 (このページは、闘牛とは関係ないと、いう人がいると思うが、闘牛は、牛と人とのもつれ合い。競馬は、馬と人とのもつれ合い。俺の中では同じ肉体表現の1つと考えている。だから、闘牛であり、競馬なのだ。)


 9月18日(土)

 今日から競馬空振り日記を再開する。春は、桜花賞が大ハズレに終わりガッカリしながらスペインへ闘牛を見に行った。闘牛は面白かったが春競馬は見れなかった。おかげで武豊の2年連続ダービー制覇を見なくてすんだのは幸いだった。

 秋競馬までの間に色々あった。嬉しいことはエルコンドルパサー。フランスでG1、G2と重賞を連覇して、いよいよ目標の凱旋門賞に挑戦する。もし、もしの話だが、エルコンドルパサーが凱旋門賞を勝ったらどうしよう。いや、どうなるのだろう。そしたら嬉しすぎるよなぁ。勝敗は兎も角、万全の状態で出走して欲しい。

 嫌なことも書こう。後藤事件。新聞などによれば、8月19日美浦トレーニングセンター内若駒寮で吉田豊に対して後藤浩輝が、木刀で殴るなどの暴行を加えた。後藤騎手は吉田騎手の左大腿部を木刀で叩き付け打撲傷を負わせた。さらに正座して謝る吉田騎手に対して、「この野郎、日頃の言動がなってない」などと言って暴行を加えたと言う。

 両者に詳しい知人の証言では、2人は以前から折り合いが悪く、口論になることがしばしばあったという。最近でも、15日の新潟競馬3R直前、吉田騎乗のマチカネラッパが、後藤騎乗のフェイスフルアクトに乗り上げる一幕があった。その際、吉田が謝らないまま、「そんな馬、隅を走ってりゃいいんだよ」と後藤に対して言ったという。それが今回の伏線になったようだ。とのこと。

 後藤は「大変申し訳ない事をした。吉田君には謝罪しました。関係者やファンには深くお詫びしたい」と反省している。だが、結果を言えば、4ヶ月の騎乗停止。厳しい裁定だった。ある先輩騎手は「札幌に行ったら吉田には意見してやる。あいつに被害者面されたんじゃ、たまったもんじゃないからな。」と、言ったということだ。

 俺は、吉田が好きだ。だがこの件に関しては言っておきたい事がある。

 インを突く命懸けの騎乗をして名前と腕を上げた事は立派だ。そう言う騎乗があってこそ今の君がいるんじゃないか。でも、日本の厩舎社会は今でも閉鎖的だ。人間関係が騎乗数を左右する。生意気は一流騎手や一流になろうとする人間には必要だ。そうじゃなきゃ一流にはなれない。しかし、他人の痛みの判らない奴はそれ以上の成長はないと思った方が良い。

 君は本当の一流になれる騎手なんだからその辺をわきまえないといけない。もっと、周りから好かれるようにとは言わないが、嫌われないようにしないと。

 それから、後藤。騎乗停止前、69勝して良い年になるはずだったのに・・・。嫁さんに子供だっているんだろう。心配かけんなよ。厩舎では好青年で通っているのに・・・。4ヶ月レースに乗らなかったら腕が落ちるぞ。良い馬にも乗せて貰えるようになって来ていたのに。馬鹿野郎。これから期待に応えられるような騎手になれよ。

 JRAへ。今までで一番重い裁定だった。でも、騎乗停止を長くすれば良いってもんじゃないでしょ。新聞の受け売りですが、騎乗停止を1ヶ月とかにして、後はボランティアをさせるとか考えた方が良いんじゃ御座いませんか?これから中央競馬を背負って行く騎手なんだから。

 さて、先週の競馬で見るべきものは、ツルマルツヨシの末脚だった。賞金不足で天皇賞には直行出来なく、残念だ。

 今週は、オールカマー。ダイワテキサスが勝てば天皇賞への希望が出てくる。他の馬が勝ってもG1へは繋がらないだろう。

 神戸新聞杯は、サイレンススズカの半弟、ラスカルスズカ。3連勝で挑んでくる。迎え撃つは、オースミブライト。この2頭かフロンタルアタックが勝っても3強はビクともしないだろう。

 明日は、競馬場に行くか、ウインズに行くか。さあ、何が来る。


 9月23日(木)

 オールカマーはサイレントハンターとグランスクセーが鼻を争ってハイペースで進んだ。離れた集団の先頭にはダイワの2騎。ホッカイルソーはその後ろで待機。3コーナーから4コーナーにかけて後続が鼻を行く2騎を吸収。4コーナーは、サイレントハンター、ダイワ2騎とホッカイルソーの順に廻ったが、1番手応えが良いのがホッカイルソーだった。

 直線に入ってサイレントがたれて、ダイワオーシュウとルソーの叩き合い。余力のあったルソーが江田の左ムチに応えて優勝した。テキサスはサイレントを抜くのが精一杯。ホッカイルソーは3年半降りの勝ち星だった。競走馬の不治の病、屈腱炎で約3年の休養をした馬。

 「  「今回の勝利は特別。涙が出ました」 「3年休むとさすがに筋肉がダメになりましたが、引き運動とウォーキングマシンは牧場にいるときも毎日休むことなく、朝晩の脚のクーリングは欠かしませんでした。」 オーナーブリーダー(北海牧場)石田勇さん。 ここまで待てたのはホッカイルソーは、「自分の所の血統で作り上げた」、と言う思い入れがあったからこそ。

 「牧場も頑張りましたが、田中調教師のお陰で抹消されずに維持できたし、厩務員さんの力もかなりあります。絶対、勝てると信じてやってくれましたから」  」  オーナーは、厩舎スタッフに対しても感謝を忘れない。だからこそ、馬に愛情を捧げられるのだろう。

 4歳の弥生賞で、サンデーサイレンス初産駒の大物、フジキセキを慌てさせたあの脚が8歳にしてまた、同じ中山で見れたことが嬉しかった。天皇賞に直行する。去年の優勝馬は、同じく屈腱炎を克服した8歳馬、オフサイドトラップだったではないか。ルソー。ちょっとの間だけ夢を見させてくれ。

 神戸新聞杯は、下手な騎乗で勝った、武幸四郎のオースミブライト。トライアルであんな追い込みをしたら、本番に負担を残してしまうだろう。上手く乗った兄貴の武豊は3着。サイレンススズカの様には行かなかった。これからの成長を見守ろう。1番上手く乗ったのは、安藤勝己。本番へ向けて権利取りと疲れを残さない乗り方、レース中の位置取りなどは、上手いと思った。

 ゴール前交わされて、手前を変えた、フロンタルアタック。交わしてから手前を変えた、オースミブライト。どう解釈したら良いんだろう?  2週続けてルドルフ産駒が重賞で連対した。ツルマルツヨシもゴール前で手前を変えていた。

 同じルドルフ産駒でも、ツルマルツヨシはおとなしい馬だ。フロンタルアタックは、テイオーやアイルトンシンボリの様にうるさい。こっちの方が、ルドルフの産駒らしいと思った。


 9月24日(金)

 札幌3歳ステークス。話題は、道営の2騎、エンゼルカロ、キムタツオフェンス。調教を一緒にやってエンゼルカロの方が余裕があった。どちらも調子が良いようだ。競馬新聞には、知人の一馬(かずま)がコメントを書いていた。 エンゼルカロの調教コメント。中間は調教量十分で、最終追いも文句なし。万全だ。 キムタツオフェンスの調教コメント。G3ウィナーにくらいついた渋太さ◎。上がり目ある。 と、なっている。

 迎え撃つ中央の筆頭は、ピサノガルボ。小倉3歳ステークス2着の追い込み馬だ。その他には、浅見厩舎期待の2騎。マチカネホクシン、ダイワミシガンの、マル外。この辺が順当だと思う。97年から1200mから1800mに変わった。それから、穴が明くようになった。去年は10万馬券。競馬には行かないが買うとすれば、道営2騎とピサノガルボの3点。

 後は、中山9R。ヴァーチャスト。中山10R。バプティスタ。勝つと思うんだけどなぁ。

 エルコンドルパサーが出る凱旋門賞は、TV中継がないという。録画放送と言うことだ。放映権がNHKが持っているので他の放送局が手が出せないと言う事だ。今日の新聞に載っていた。NHK何とかしろ。俺はラジオ短波を聞くから良いけど。


 9月25日(土)

 今日の結果はカスリもしなかった。馬券を買ってないので収支はなし。こんだけハズレりゃー気持ちが良い。

 中山9R、芙蓉ステークス。勝ったのは関西馬、トッププロテクター。良いレース運びだった。朝日杯3歳ステークスに行くだろう。2着になったサクラデインヒル。サクラエイコウオーの弟。直線の脚は群を抜いていた。札幌3歳ステークスについてはコメントを控えたい。

 明日の予想。セントライト記念は、人気の実績馬は、休養明けが多い。以外とこのレースは穴が出る。ブラックタキシードもホットシークレットもチョウカイリョウガも蹴ろうと思っている。ローテーションと距離実績から、シンボリモンソー、メジロビクトリア。穴でフサイチビーム。あってシルクガーディアンだろう。本命は牝馬のメジロビクトリア。

 ローズステークスは、誰が考えたってトゥザヴィクトリー、フサイチエアデールの1点。春のトライアル馬、クラシック上位馬が5着までを独占するだろう。ハギノスプレンダー、エイシンルーデンス。他には、アマゾンの妹、ヒシピナクルが何処まで来れるかが見所。


 9月28日(火)

 かすったが当たりはしなった予想。

 セントライト記念は、本命のメジロビクトリアは最下位。やっぱり牝馬じゃダメなのか。勝ったブラックタキシードは上手く乗った。これならと、的場は思っただろう。でも、シンボリモンソーの末脚も際立った。上がり3F34.7は切れ味の良さを感じさせた。距離は伸びた方が良いだろうから、特に重馬場で穴狙いが出来そうな馬だ。

 ローズステークスは、期待に反してトゥザヴィクトリーは引っかかって持ったままで坂を上って来たのに追い出してさっぱり。たれて4着。久々にしても、ムラッ気を感じさせた。本番だって?の付く馬になった。それに比べて勝ったヒシピナクルは、同じく引っかかったが、末脚を炸裂させた。いくら血統がヒシアマゾンの全妹と言っても物が違うのかと思わせた。距離も同じの本番では人気になるだろう。でも、この引っかかり方はやはり気になる。

 2着になった、フサイチエアデールは1番安定感のあるレース運びだった。これら1着はなくても本番での連絡みが出来そうだ。

 そしていよいよスティンガーが登場するクイーンステークス。多分勝つだろう。いや、勝たなきゃ次ぎに繋がらないぞ。このメンバーで負けたらG1は取れないだろう。

 そして、フランス、ロンシャンでの凱旋門賞が10月3日行われる。NHKも衛星放送で生中継をすることが決まった。日本中の競馬ファンの期待に応えることが出来るのか。兎に角、いい状態で出走して欲しい。そうすれば・・・。

 フランスの競馬専門誌、『パリ・チュルフ』、のジャン・ノエル・ゴンティエ編集長は、「凱旋門賞の歴史上、かつて欧州調教馬以外は勝利を得たことがない。しかし、エルコンドルパサーに関しては別だ。彼はすでにフランスの馬といえる。日本のファンが喜ぶような結果は、十分に考えられるだろう」と、言っているという。

 さぁ、コンドルは飛んでいけるのか?発走は日本時間10月3日22時50分予定。この2分30秒後に結果が判る。


 10月2日(土)

 スティンガーの出ないクイーンステークスなんて・・・。アー考える気がしない。頭を働かせようという気が起きない。今日は中山でようやく岡部が勝った。2勝もした。藤沢厩舎期待の、エアザイオンが権利を取れるかどうか?明日の見所はこの1点。

 セントウルステークスは、リワードニンファが勝つのかな。それとも、ロードアヘッド。まさかのスピードワールド?

 福島民報杯は、クリスザブレイブ、テイエムトッキュー。  今日は気のない予想で・・・。

 それより、凱旋門賞。エルコンドルパサーが内枠を引いてしまった。しかも、当日は不良馬場が予想されている。どう捌く蛯名正義。馬は最高の状態に仕上がって居るようだ。その前の、アグネスワールドも期待できる。でも、不良馬場が・・・。


 10月3日(日)

速報。

 フランス、ロンシャン競馬場のアエイユドロンシャン賞(G1)で日本から行った、アグネスワールドが、インペリアルビューティを押さえて優勝した。凄いことだ。馬場状態は日本でいう不良馬場だった。これから、凱旋門賞だ。エルコンドルパサーはどうかなるか。  10/03/99 22:22:34

 速報。

 フランス、ロンシャン競馬場で行われた、凱旋門賞(G1)は、先行したエルコンドルパサーは、最後の直線ゴール前で、モンジュに差されて2着に終わった。非常に残念だが力を出し切った模様だ。着差は半馬身。  10/03/99 23:03:27


 10月10日(日)

 先週のレースの感想は時間がないので後回しにする。今週の予想。

 毎日王冠。連対馬のデータを調べれば、過去10年、重賞勝ちがあるか、2回以上の連対。また、16頭がG1で5着以内の好走経験がある。距離経験がない馬を除いて1800mの持ちタイムが1分48秒を切っている。ステップ別では宝塚記念が最多。特に5着以内→休養の過程で挑んだ馬が良い結果を出している。これが中心になる。前走重賞以外からは割り引き。前走が芝1600〜2200mであること。5着以内であること。

 本命、グラスワンダー。メジロドーベル、ツクバシンフォニー、ザカリア。 スティンガーは、データが悪いので切った。

 京都大賞典は、本命スペシャルウィークになってしまう。メジロブライト、テイエムオペラオー3頭の三つ巴。それにツルマルツヨシが何処まで食い込むかだ。ブリリアントロード、ペインテドブラックは無理だろう。


 今日10日 東京競馬場に行って来た。パドックでは、スティンガーは、オッポを振っていた。牝馬でオッポを振る馬はまず来ない。これは、パドックでの見方の常識だ。データ的にもないので切り。メジロドーベルは腹が捲れ気味だった。−8kg。体にそれがでていた。パドックで1番良かったのはやはりグラスワンダー。後はツクバシンフォニーはチャカついていた。が、これは買った。ザカリアは腹がボテッとしていた。これは切るべきだった。メイショウオウドウはパドックでは良く見えなかった。

 レースは、アンブラスモアの逃げにザカリアとスティンガーが続く、キングヘイローは外側で折り合いに専念、典の苦労の騎乗。グラスは手応え充分で4コーナーを回った。ゴール前はメイショウとの一騎打ち。スタンドで観ていたのでグラスが負けたように見えた。ターフビジョンのスローでもダメだろうと思っていたが、ハナ差で辛勝。あーあ、東京はグラス向きじゃないのかな。メイショウにあんな僅差だなんて納得できない。

 京都大賞典は、嬉しい結果だった。馬券はどうでも良い。ツルマルツヨシが末脚を炸裂させてG1馬3頭を後に従えてのゴールだった。河内は4コーナーでインを突いてブライトを導いた。それがなかったら2着はテイエムの方だった。和田の騎乗は悪くなかった。河内が上手く乗りすぎた。菊化賞へは良い感覚で行けるだろう。ブライトは馬体重が−6kg。休み明けで−体重はあまり良い気がしない。もっとダメなのが1番人気で惨敗のスペシャルウィーク。武や厩舎のコメントが判らないので断定は出来ないが、天皇賞は買う気が起きないな。

 勝ったツルマルツヨシはこれで堂々と秋の天皇賞に胸を張っていける。血だ!血だ!ルドルフの偉大な血が5歳秋のツルマルツヨシに大金星を取らせた。もう気分は、秋の天皇賞の本命はツルマルツヨシだ。頼むぞ伸二!また、思い切った騎乗をやってくれよ。

 今日の馬券は惨敗。でもお金を沢山突っ込んだ分けじゃないのでそれはどうでも良い。ツルマルツヨシが勝ってくれたことの方がどんなに嬉しかったか。自分の気持ちに素直に馬券を買っていれば単勝も馬連も取れただろう。でも、良いじゃないか。天皇賞が楽しみになったのだから。


 10月23日(土)

 今週は何が来るのかサンスポを見ながらずーと考えていた。調教や厩舎サイドのコメントなどを比較検討した。金曜日に枠順が確定して頭の中に入れたデータをもう一度引っぱり出して競馬新聞とにらめっこ。当日の馬体重を確認して買うことにするが、結論が出た。

 色々な角度から検討した結果、本命、エアザイオン。対向、ヒシピナクル。単穴、フサイチエアデール。この3頭のボックス買いになる。武のトゥザヴィクトリーは切る。オークス馬、ウメノファイバーもいらない。それ以外考えられない。発走15時40分。その約2分後どうなるか?予想通りになるのか、ならないか。


 10月24日(日)

 競馬場に着いたらカブトヤマ記念が始まった。これは1番人気が1着だった。アイルランドT人気薄のニッポーアトラスが来て波乱。秋華賞の馬体重は嫌な予感を感じさせた。トゥザヴィクトリーが休み明けの前走が+12kgで今回がまた増えて+4kg。フサイチエアデールも休み明けの前走が+6kgで今回がまた増えて+8kg。エアザイオンも輸送があってまた馬体減の−8kg。ヒシピナクルは前走−4kgで今回は+6kg。これは良いのだが他の人気場は厩舎のコメントとは裏腹に馬体重は良くない。

 ウメノファイバーはオークス以来なので+16kg。これは、リンデンリリーが勝ったエリザベス女王杯のイソノルーブルを思い出してしまった。あの時もオークス以来でボテッとした腹でパドックを歩いていた。ウメノも当然切り。

 昨日予想した通りの馬券を予定より金額を控えて買った。

 レースは、ご存じの通り、“大波乱”。こんなのどうやって予想しろと言うのだろう。出来ない。競馬は難しい。と言うより、牝馬は判らない。タケノベルベット勝ったとき明石家さんまが言っていた言葉を思い出す。  「女のやることは判らん」

 ホント女の肉体は男には理解の限界を超えたところにある様だ。こんな結果になるから牝馬同士のレースや3歳戦はお金はつぎ込まない方が良い。教訓は生きている。14着に敗れた武豊騎乗のトゥザヴィクトリーは何故1番人気になったんだろうか?このレース、初めから何かがずれていた。

 それにしてもトライアル3着馬同士の決着でも、連対率0.214のブゼンキャンドルが1着。連対率0.286のクロックワークが2着。データなら1番始めに切れなきゃならない2頭が1.2着。レース直後、隣にいた人達の反応を書いておく。

 「ブゼンキャンドル買ってたんだよなぁ。でも、クロックワークはなぁ。買えないよ」 「俺、12番も16番も買ってた。でも、縦目」 「何」言ってんだよ、クロックワークはスティンガーの3着があるから買えるんだよ。ブゼンキャンドルなんかどうやったら買えるんだよ」 こんな事を言ってた。

 おっさんに、「サンスポの佐藤は取ってるでしょ」と言うと、「いや確かに、ブゼンキャンドルが本命だけどクロックワークには印がない」 「馬鹿じゃねぇの。そこまでやるんだったら印打つよなぁ」と、言うとおっさん笑っていた。あそこまでみんな大ハズレだとみんなニコニコしていた。笑うしかない結果だ。

 帰りの電車でサンスポの佐藤の記事を読んでいたら、北原白秋の「薔薇の木に 薔薇の花咲く なにごとの不思議なけれど」 などと引用していたが、最後はブゼンキャンドルから総流しと書いていた。佐藤洋一郎はどうやら取ったようだ。彼向きの競馬だった。唖然呆然の、第4回秋華賞だった。

 良馬場の秋華賞。ハイペースで上がり4F 48.9秒、3F 37.0秒。後方待機の2頭がごぼう抜きで1着2着。うーん。天皇賞もどうなるか判らない。ただし、俺の予想通り今年のG1は、“逆転”がテーマになりそうだ。さぁ、天皇賞。


 10月30日(土)

 さぁ、天皇賞。 まずデータから。

 勝ち星は4勝以上。連対率5割以上。2000m以上のG1で5着以内かマイルのG1で3着以内。G1かG2勝ちか、G3、2勝以上。2000mで2勝以上か、2000mの重賞3着以内。2000mの持ち時計は2分01秒未満。ステップは、毎日王冠上位組が断然。芝1800m〜2200mの中距離。ローテーションは中5週以内、秋シーズン1戦以下。連対馬の年齢は、5歳6歳馬が中心。1番人気は11連敗中。

 2回目の還暦を向かえる天皇賞。84年から距離3200mから2000mに変更になった。この事により、初めのコーナーが2コーナーになり、スタートから2コーナーまでが200mに満たないのでこのコーナーでのアクシデントが発生することが多い。91年のメジロマックイーンの1着で進路妨害で18着降着になったのは記憶に新しい。

 さて今回は展開予想もしよう。内から逃げ馬が、2番アンブラスモア、3番サクラナミキオー、10番サイレントハンター、13番クリスザブレイブの4頭もいる。 アンブラスモアは全3走とも逃げている。初めの3Fのタイムは前走から書くと、35.6、35.3、35.2。平均ペースの逃げ馬という事になるだろう。 サクラナミキオーは、前走が強引な逃げを打って勝った。陣営はアンブラスの後ろに着けてと、言っている。 サイレントは、1000m59秒くらいで行ければと言っている。が、この馬は今回ブリンカーを着用する。行くだけ行くしかこの馬の良さはでない。 クリスは秋山調教師が言うように、「逃げ馬が全部内に入れて、それらを見ながら行ければ最高」と言っていたとおりになった。クリスのペースで行けそうだ。

 アンブラスはまあまあだが、サクラは良い状態だし、サイレントもかなりの上澄みがありそうだ。そして、クリスは最高の状態。これで展開はどうなるのだろう。お互いに突っつき合うのか牽制し合うのか?この4頭の中では1番有利なのはクリスだろう。前半1000m58秒台になる公算が大きいように思われる。

 そう言う展開予想をもとにレースを予想する。雨で重馬場ならツルマルツヨシとメジロブライトの1点で済むが、明日は良馬場で出来そうなのでそうはいかない。当然差し馬狙いだ。スペシャルが完調なら主役だろうが、前走、前前走楽に勝って来たツルマルツヨシが本命。息の長い末脚で父、シンボリルドルフもトウカイテイオーも出来なかった東京2000mの天皇賞を制するだろう。

 対向は、スティンガー。今回は引っかからないだろうしレースはしやすいだろう。斤量差と岡部の騎乗で逆転まであるかも知れない。単穴、セイウンスカイ。逃げだけじゃない面を前走で見せて今回は中段から後ろ当たりでレースを進めればG1馬のそこ力を見せて勝てるかの知れない。この3頭のボックスと、メジロブライトを絡めて馬券を買いたい。

 ただ、あくまで当日パドックでじっくり馬を見てから馬券は買う。馬体重は、メジロはプラマイ0か、プラスが条件。セイウンはマイナス体重が良い。スティンガーも絞れた方が良い。ツルマルは万全の状態で出走出来るだろう。

 最後に清水成駿のコメントを書いておく。

 「天遠く伏兵犇めく混戦の秋を演出したのは、春の天皇賞馬スペシャルW。夏負けによる調整の狂いから京都大賞は7着、かなり厳しい着順だ。仮に一変があるとすれば次のJCが正解かも・・・。

 さらに逃げ馬先行馬の大挙出走も混戦に拍車をかける。ここ2年ペースを握ったのは故サイレンスS、一昨年が5ハロン58秒5で昨年が57秒4、ただし単騎だ。が今年は3頭4頭が縺れあい、最終的にセイウンSが4コーナーでこれを一掃する流れ。超のつくハイペースと追い込み有利は火を見るより明らか。まして坂を上りきってからが勝負の東京では、まくりをかけたセイウンS自身さえ濁流に呑み込まれかねない。

 ◎は迷わず追い込み馬ツルマルT。・・・・・・。」 ーー『一馬』よりーー

 清水が自信を持ってツルマルS。サンスポの佐藤もツルマルS。これから酒飲んで寝よう。明日、東京競馬場で『皇帝』のシンフォニーを聴けるようだと最高だ。


 11月2日(火)

 パドックで−16kgの馬体を見たとき絞れているなと思った。が、それだけだった。スタートして後方に着けたスペシャルを見たとき、「やばい、来るぞ」と、直感的に思った。結果はそう思った通りにゴール手前で差しきった。参ったなぁ、武豊。帰ってきたら、TVで秘策があると言っていたのは、ハイペースを予想しての後方待機作だった。お見事。脱帽だ。

 だが、相変わらずお前が大嫌いだ。これはどうしようもない。「武豊だけじゃ、つまんないでしょう」と、言う典(横山典弘)の方が好きだ。スティンガーは良くやった。着差が着差だけに4歳牝馬としては充分だろう。セイウンはゲート入りに手間取ってあれで終わった。タヤスツヨシはハイペースの2000mと、東京の馬場経験がなかったのが響いたみたいだ。


 11月7日(日)

 テーマは逆転


囲碁や将棋じゃあるまいに今回は長考してしまった。

結論が出たのは東京競馬場で各馬の馬体重が発表されてパドックでの歩様を確認してから。

今年の秋のG1のテーマは、“逆転”。

第1弾が9万馬券。天皇賞が、来ないと思われていた、スペシャルが来た。

だから今回は、渡辺のトップロードじゃないかなと思っていたが、新聞読めば読むほどオペラオーやベガの方が良く見えてくる。が、しかしベガを買いたくない。武が乗るからだ。俺と武の馬券の相性が悪いからとか言う言い方じゃない、ハッキリ言って嫌いだからだ。俺の自慢は去年、今年とスペインに行ってて、ダービーを見てないこ と。

ベガのマイナスデータは京都新聞杯を勝った馬は菊花賞を勝てない。強者から聞こえて来るコメントは最高の状 態。と、言うもの。でも、外枠。トップロードがスタートさえ失敗なければ番手で勝負できる。オペラオーは後ろから来るだろうからダービーでの涙が渡辺のクラシックラストチャンスをものにするだろうと、思った。と言うより、勝たせてやりたいと思った。武だけじゃ面白くないし、一生懸命やってる奴は報われるべきだ。

ゴールの時俺は右手を突き上げていた。ついでに言えば、ダービーでは渡辺は失敗してないと思っている。でも、本人は失敗したと思って本番での逆転を思って努力してきた。そう言う気持ちが人間を成長させる。

今回、三強と新興勢力と考えてなかなか結論が出なかったが、レースは最高の結果になった。途中岡部の負傷があったのも長考の原因の一つ。岡部も50を過ぎて年取ったなぁーと思うこともある。ゴール過ぎてから膝が笑っているときが多くなったもの・・・。

でも、何とか今年も100勝とG1を取って欲しいと思ってます。

渡辺騎手、本当におめでとう。俺も感動した。

さて、来週は、何の“逆転”なのだろうか?


 11月14日(日)

 データを見ても、調教を見ても、枠順が決まっても、どうも判らない。それがエリザベス女王杯だ。

 何も考えなけれは、4歳馬ではなく古馬が狙いであり、そうすれば、エリモエクセル、ファレノプシス、メジロドーベルの3頭しかないのだ。ところがである。京都の外回り2200mは外枠が不利だ。これは、先週の菊花賞でも証明されている。特にスローペースではまず来ない。このレース逃げ馬不在。ペースが上がるという想像が出来ない。エリモエクセルは消えるかも知れない。

 ファレノプシスも、問題がある。距離適性。やはりマイルが1番合っている。2000mまでなら何とか来そうだが2200mじゃどうしても疑問が残る。それに乗るのは武豊。11番もこの秋は来ていない。内枠に入った、メジロドーベルは調子が上がっているし、調教タイムも上々だ。しかし、その調教で舌を出して走っていたんじゃ本番で走るわけがないじゃないか。

 と言うことは、何か違う馬を考えなきゃならない。が、それではと考えてみても何がいるというのだろう。エガオヲミセテ、ナリタルナパークも2000mを越えると脚がパッタリと止まってしまう。と言うことは、4歳馬になってしまう。でもなぁ。買う気が起きないエリザベス女王杯。3歳戦と牝馬戦は判らないときは買わないのが正解。


 11月15日(月)

 日曜12:41発東京競馬場正門前行きに乗った。7Rに間に合うかは判らなかったが何とか間に合って、岡部のモンテカルロから人気馬へ2点と人気薄に1点。そしたら来ましたインから岡部のモンテカルロが。2着争いはエイキューガッツ追い込みを頭差押さえたティエッチリボーが入って1670円。後から見ると配当はエイキューガッツが来た方が良かったが会心の馬券だった。

 が、後はダメだった。エリザベス女王杯は、勝たれてみるとやはりメジロドーベルしかいないなと思った。向正面で掛かりきみに首を上下に振っているドーベルを見たら父ライアンを思い出してしまった。あの首の振り方は本当にライアンそっくりだ。ライアンは良い娘を持ったものだ。父親にはない根性まで持っている。これで引退らしい。

 その方が良い。ドーベルは3歳からずっと好きだった。最後のレースの馬券は買わなかったけど充分満足だ。3歳から6歳まで毎年G1を勝つなんて今後あるかなぁ。多分出てこないだろう。最近は5歳引退が多いからだ。

 武のファレノプシスは直線で前が詰まったと言っているが、先週だってそんなこと言ってなかったけ。つまり突き抜けるだけの脚がなかったって事だよ。それと、何処が開くか分からない騎手が乗ってたって事。武は最近、ヘグッテばかりじゃないか。それで一流ジョッキーかよ!下手なジョッキーが上手くなるのは言い訳だけだ。そんなもんは聞きたくないよ。今度はちゃんと乗ってくれ。


 11月20日(土)

 マイル・・チャンピオン・シップの予想の考え方。

 初めはデータから。勝ち星は4勝以上。連対率4割以上。ただし、記憶が確かなら1600mの連帯率が高ければOKだ。重賞ウイナーであること。G1経験馬が有利である。連対経験があればなお良い。近走不振馬は敬遠した方が良い。前3走3着以内がないと厳しい。例年ハイペースになることが多い。

 以上のデータから残るのは、エアジハード1頭である。だが、レースで連対する馬は2頭いる。それを捜そう。

 今年は逃げ馬がキョウエイマーチ1頭。だが、過去2年連続でこのレースで逃げている。97年は3F 33.2、5F 56.5。98年は3F 32.9、5F 57.1 である。

 当然今年もハイペースだろう。ブラックホークは、京王杯オータムハンデで3着に負けているが、関屋記念では対応が出来ているので鞍上が蛯名ではなく善臣のせいだろう。後はダイワテキサス、キングヘイロー。そして逃げ残りとG1実績からキョウエイマーチ。勿論当日の馬体重とパドックでの気配で最終的に馬券を買うことにする。これは、現時点の予想だ。


 11月27日(土)

 マイル・チャンピオン・シップの結果には満足している。強いのもが勝つ、この当たり前の結果が重要なのだ。

 今度は、ジャパン・カップ。検討の難しいレースだ。詳しいデータは省くが、例年データから残るのは、3頭しかいない。それは、モンジュー、タイガーヒル、スペシャルウィーク。ただ、スペシャルは買わないつもりだ。

 理由は、前走馬体重が−16kgだった馬が、次走のG1で好走できるとは思えないからだ。また、得意の東京と言っても、展開を考えると、逃げ馬はアンブラスモア1頭。しかも距離に不安を抱えた馬だ。そんな馬がハナを切るのが見え見えなのに天皇賞の時のようにハイペースにはならないだろう。平均ペースが良いところ。

 武豊は2匹目のドジョウを狙っているのだろうがそうは問屋が卸さない。実力、実績から言ってモンジューとタイガーヒル。そして、僅かな可能性から、スティンガーを買う予定だ。これがパドックを見てどう変わるか?他に良い馬がいれば勿論買いたい。


 12月12日(日)

 ジャパン・カップは結果から言えばそう言うことか。と、納得だ。あの馬場で1番強いのはスペシャルウィークなのだ。前走−16kgでも関係なかった。これで有馬記念まで勝ったら大変なことだ。年度代表馬はスペシャルだろう。ただし、2着は理解できない。

 今日は、来年のクラシックを占う大事なレース。1番人気が勝つ確率が1番高いレースでもある。ただし、今年は、大本命の馬が怪我で回避して混戦模様。押し出された1番人気がレジェンドハンター。

 今回はダメだと分かっていても心情馬券。安藤勝己にG1を勝たせてやりたい。今のように地方馬にクラシックやトライアルが解放される以前、地方競馬の笠松で、あのオグリキャップに乗っていたのが安藤勝己だ。あのまま安藤が乗ってもオグリはG1を勝っていただろう。だから今回はそんな安藤に勝たせてやりたい。

 安藤が勝つなら当然オグリに乗ってG1を勝った騎手が2着に来るのが筋だろう。オグリが初めてG1、有馬記念を勝ったとき乗ってたのが、岡部幸雄。最後のG1、有馬記念を勝ったのが、武豊。心情馬券は安藤から、岡部と武に流す。


 12月19日(日)

 朝日3歳Sは、安勝が勝てなかった。残念だ。でも、祐一が勝とは全然思わなかった。自厩舎の馬でG1を勝ったのは北橋調教師にしても祐一にしても思わぬ事だったのだろう。素直におめでとうと言いたい。父親の福永洋一さんがとても喜んでいるような気がして・・・。母親の由美子さんが泣いているような気がする。

 スプリンターズ・ステークスは最後まで予想が出来なかった。後楽園のウィンズで馬体重をチャックして馬体を見てようやく決まった。

 展開的に危惧されていた逃げ馬では勝てないと言うのもアグネスワールドに乗る武豊なら何とか2着までには持ってこれると思った。キョウエイマーチにいかせて3番手位に着けてレースを進めれば後はスピードで押し切れるような気がした。

 馬券は、アグネスからマサラッキ、ブラックホーク、レッドチリペッパー。

 結果は、キョウエイマーチが出遅れて、岡部のトキオパーフェクトが逃げる展開。毎年3F32秒台で進むレースも今年は、33秒台。直線では好位に着けたアグネスとマイネルラブが叩き合い。坂を上ってからブラックホークが外から強襲。アグネスを差したところがゴールだった。3着は最後方から追い込んだキングヘイロー。

 武豊は上手く乗った。誤算があるとすれば坂下からマイネルラブとの叩き合いになったことだろう。あれがなかったら・・・。しかし、典はよく展開を読んで好位に着けて差しきった。完璧には完璧で対向するしかない。典よくやった。国枝調教師初めてのG1、おめでとう御座います。

 口の悪いあなたの友人が初めて重賞勝った時、「これで2流調教師になったな」と、言ったそうですが、これでその人は、「これで1流調教師になったな」と、言うことでしょう。ようやく勝ってくれました。典にも感謝しなきゃ!


 12月20日(月)

 いよいよ有馬記念。「クリスマスと有馬記念。どっちが大事だと思ってんだよ」 「決まってんだろそんなもん」 声を合わせて言う「有馬記念だろー

 1年の総決算がやってくる。ムードは、グラスかスペシャルかだ。だが本当にこの2頭で決まるのだろうか?今週はこの事を考えていきたい。

 先ずはデータから。勝ち数は、4歳で4勝。古馬は5勝以上。年内2勝。もしくはG1入着。連対率50%以上。重賞2勝以上。G1経験は絶対条件。2400m以上での勝ち鞍があること。前走はJC組が最多。G1出走が結果を出している。前走6着以下、1秒以上離されていると非常に厳しい。

 ローテーションは終期2〜4戦。G1は1戦だけ。

 全ての項目をクリアできたのは、グラスでもスペシャルでもない。グラスは、前走のクラスと秋期のレース数で引っかかる。スペシャルは、G1出走数が2回が引っかかる。データでは、ナリタトップロードだ。


 12月21日(火)

 入院していた大川慶次郎が死亡した。フジTVの「スーパー競馬」パドック解説などで活躍していた。良い解説もしたが理解できない事も結構言っていた。たとえは、牝馬の場合は尻尾を振っているときは来ない。意味不明なのは、風格がない。と、言うものだった。肉体的な現象を具体的に言うのは理解できるが、風格とか抽象的なことは理解できなかった。

 美浦トレーニングセンターで調教を見た後、厩舎関係者と食事中に口から泡を出した倒れた。大脳と小脳の間から出血していたそうだ。意識がなくなったままだった。

 死ぬだろうなと思っていたが・・・。あれだけ有名で競馬関係者並びに一般ファンに知られた人はいなかった。競馬予想でも1日全レースの1着、2着を的中させたり、5冠馬シンザンに1度も本命を打たなかったことでも有名だ。ある意味で競馬予想の基準になっていた。ご冥福を祈りたい。

 さて、今日はもう一つのデータから考えてみたい。

 前3走G1出走歴なし。前走が2ヶ月ぶりで、かつ、負けている馬。G1で5着以内ゼロの馬。連対率100%を割る牝馬。4、5歳馬で前走、7着以下に負けている馬。前走6着以下に負けているG1未勝利馬。前3走に連対していない馬。

 残ったのは5頭。グラスワンダー、スペシャルウィーク、テイエムオペラオー、ナリタトップロード、メジロブライト。


 12月22日(水)

 今日のスポーツ新聞に、大川慶次郎の死亡記事が載っていた。その中で印象的なことを書き留めておきたい。

 死の間際、何度も脳波が途絶えた。が、ファンから贈られたファンファーレのCDが耳元で流れると、その度に反応し、生への、レースへの執着を見せた。次女の聖絵(みえ)さんは、「ファンファーレが聞こえて、次のゲートが開いたと思ったのでしょう」

 条件反射と言えばそれまでだが、この状況の中で脳波が反応するのは、もう無意識の世界の話だ。競馬を心から楽しみ愛していたからに違いないと思った。

 競馬の世界に展開という考え方を導入したのは大川慶次郎さんだった。今では当たり前になった逃げ馬が人気になっているから差し馬を買え、と、言うのは大川さんが初めだ。

 JC前に大川氏が武豊に会ったときのコメントを書いておこう。「長年競馬を見てきたけど、スペシャルウィークほど素晴らしくて、しかも、(状態などが)読めない馬も珍しい。そんな馬を見ることが出来て嬉しいよ」と、言ったそうだ。

 さて今日は、展開について考えてみたい。月曜日に東京フォーラムでJRA主催で行われた有馬記念フェスティバルでの事から考えよう。他の騎手に触発されて、ダイワオーシュウに乗る柴田善臣が、「せめて1周目のゴールくらいは先頭で切りたい。」と、言い。事実上の逃げ宣言をした。

 ダイワが逃げるとしても平均以上のペースにはならないだろう。そう言う展開で番手にはナリタトップロード、ツルマルツヨシ、辺りが着け、その後方にグラスがスペシャルをマークしながら着けるだろう。その後ろに、メジロ、テイエム、シンボリなどになるのではないかと思っている。

 後は、仕掛け所と、馬の反応だろう。本当の勝負は坂を上がってから。


 12月23日(木)

 昨日のサンスポに、「ユタカのG1ストーリー」−−有馬記念−−の最後の部分はこうなっていた。  「ただでさえ勝ったら凄い有馬で、また、名馬の引退の花道を飾ることが出来たら・・・。締めくくりの日にスペシャルと一緒に感動の輪の中にいることが出来たら幸せですね。」

 さて、追い切り。栗東から。スペシャルは、「JCと変わらない手応え。昔ほど良い動きではないけど、それで答えが出ているんだからいい。前走まで抜群の動きで、今日がこの動きだったらショックだけど、JCと同じなんだから心配ない。」 「勝たせたいんです。グラスワンダーには宝塚記念で乾杯したけど、1度だけの対戦ですから、それが全てではありません。必ず良いレースになります。」と、言う武豊のコメントが載っている。6F 80.7 5F 65.7 3F 37.8 1F 12.3

 ナリタトップロードは、「恥ずかしくない競馬が出来ると思います。今回も自信を持って乗りたいです。」と、渡辺騎手。6F 79.4 5F 64.4 3F 37.5 1F 11.9  テイエムオペラオーは、「朝一番で馬場が凍った様な固い状態だったので、目一杯やりませんでした。元気は良いし、いい具合です。」 「スローの瞬発力勝負ならヒケは取らない。今回も前々で流れに乗って、アッと言わせたい。」と、和田騎手。6F 79.4 5F 64.9 3F 39.0 1F 12.6  メジロブライトは、「去年と同じくらいまで状態が上がってきた。先週はまだ太かったけど、もう心配ないよ。ブライトとしては“フツー”の状態だね。」 「荒れた来た中山の2500mで逃げ馬がいない今回は、流れは合いそう。その辺に期待やな。」と、河内騎手。6F 80.8 5F 65.8 3F 37.8 1F 12.3

美浦は、グラスワンダー。「体が重かった先週より、動きに軽さがでてきた。100点? 全然。ただ、去年は出来が悪くても勝てたからね。それに比べれば今回は状態が良い。その馬が絶好調の時なんてほとんどないし、もしそうなったら凄い。底知れない面がまだある馬なんだ。」と、的場騎手。 尾形調教師は、「動きが良ければゴール前気合いを入れるだけで良いと指示したが、その通りに追ってくれた。久々でも馬に力みがないし、状態に関しては文句ない。とにかく、白井さん(スペシャルの調教師)の脳裏に刻み込ませるような競馬をしたい。」6F 77.5 5F 62.5 3F 36.2 1F 12.3

 シンボリインディは、「以前は強い稽古をすると腰や背中に疲れが残ったが、今は馬がへこたれない。本当に成長しているし、仕上がりも申し分ない。」 「稽古でも掛からないので、心配していない。前半はゆっくり、後半はたくましく。マイルCの様にね。」と、藤沢調教師。6F 80.1 5F 64.6 3F 37.0 1F 12.4

 栗東から美浦に来て調整をしている、ツルマルツヨシは、「いつも動く馬だし、ちょっとハードに追ったけど、良い動きだった。栗東にいるときと変わらない雰囲気で安心した。」と、藤田騎手。6F 76.0 5F 62.3 3F 36.2 1F 12.3

 これらの有力馬のコメントとタイムを見てどう思うか?ツルマルは1番時計。グラスも良いようだ。トップロードなかなかだ。

 それから屈腱炎を発症したエアジハードは引退を発表した。


 12月25日(土)

 枠順は昨日確定した。1枠にナリタトップロードが入った。うーん。渡辺は逃げるのだろうか?今の中山は内が荒れてきたいる。菊花賞のように内に入ってじっくりとは行かないはずだ。G1取ったからと言って守りに入らず積極的なレースをするなら逃げるのが面白いと思うのだが。

 今日は後楽園に行って来たが惨敗だった。明日は中山に行って来る。最終的にはパドックを見てから決めるが、現時点での予想を書き留めておこうと思う。

 今週一週間有馬について書いてきたが、本命はグラスワンダー。対向、ナリタトップロード。単穴、メジロブライト。連下は、ツルマルツヨシ。これらのボックスになるのか馬連になるのかワイドになるのかはあくまでパドックを見てから。

 清水成駿のコメントでは、スペシャルWは要らないのではなく危ないのだ。と、なっている。確かにその通りだと思う。が、俺は買わない。買うつもりがない。この秋のG1シリーズでスペシャルを1度も買うことがなかった。つまり無印だった。今回もその事は貫くつもりだ。もし来たら、アー素晴らしい馬だったんだなと、思うだけだ。


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