裏マザーグース その7

アメリカ史上、最悪の事件・・・

最後に、いちばん重いお話で締めようと思う。

Lizzie Borden took an axe
And gave her mother forty whacks.
And when she saw what she had done
She gave her father forty-one.

リジー・ボーデン斧を取り
母を40回 滅多打ち
自分のしたことに気がついて
父を41回 滅多打ち

これは有名な「なわとび唄」であり、実際に起こった殺人事件を基にしている。

リジー・ボーデン(リジー・アンドリュー・ボーデン)は、アメリカ マサチューセッツ州フォールリバーで発生した実父と継母の斧による惨殺事件の中心人物となった未婚女性である。

1892年8月4日の朝、父のアンドリュー・ボーデンと継母のアビー・ボーデンは自宅で殺害された。当時その家にいたのは、被害者2人とリジーとメイド1人の4人だけだった。


夫妻はどちらも斧で殴られて死亡しており、アンドリューの場合は頭蓋骨が砕かれているだけでなく、左の眼球がきれいに真っ二つになっていた。


メイドの証言によれば、リジーが階下で父の死体を発見して叫んだ時、彼女は3階の自分の部屋で昼寝をしていたらしい。


その直後、上階でメイドが継母の死体を発見した。
リジー・ボーデンの証言には一貫性がなく、彼女の行動は疑わしいところがあった。その後、彼女は殺人罪で起訴された。


アンドリュー・ボーデンの最初の妻が亡くなった後、ボーデン家では争いが絶えなくなり、リジーの犯行動機は存在し得るものであった。


状況証拠は数々あったが、陪審は一時間の議論の末にリジー・ボーデンを無罪とした。


凶器が見つかっていない点、返り血を浴びた布が見つかっていない点が重視された結果であった。


また、裁判の直前にその地域で別の斧による殺人が発生したことが、リジー・ボーデンに有利になった。


現在も真犯人はわかっておらず、リジー・ボーデンが犯人である説が有利である。

この詩は、新聞を売るためにライターが作りあげたものだが、実際に母は19回、父は11回、殴られている。

この様な残虐な歌も、子供たちの口によって歌い継がれているのである。

その7へ・・・つづく