裏マザーグース その4

言うことを聞かない悪い子は・・・

マザーグースは、親が言うことを聞かない子供に諭すときに
用いられることもあるようだ。


逆に、言うことを聞かない子をお仕置きする歌をご紹介しよう。

My mother has killed me,
My father is eating me,
My brothers and sisters sit under the table,
Picking up bury them
under the cold marble stones

母さんが僕を殺した、
父さんは僕を食べてる、
弟と妹はテーブルの下で僕の骨を拾い、
冷たい大理石の中
 僕はそこに埋められる

イギリスの子供たちには、このようなグロテスクな歌が人気のようで、
もっと「グロく」アレンジされて歌われることもあるようだ。


ちなみに、グリム童話に「ネズの木」というこれとよく似た話があり、
『My mother has killed me』を基にして作られたのではないか、と言われている。

「ネズの木」の話では、義母と仲の悪かった息子が、義母に殺されスープにされてしまう。


知らずに父親は、「美味しい」と言いながらスープを飲み干し、
知っている弟と妹は泣きながらその骨を拾い、ネズの木の下に埋める。


すると少年は鳥になり、「母さんが僕を殺した」と歌い、
義母の頭上に石臼を落として復讐する。


元の姿に戻った少年は、今度は義母をスープにする。
またまた知らずに父親は、「まずい」と言ってスープを捨てる。


我儘だった義母がいつの間にかいなくなり、家族は仲良く幸せに暮らす・・・。

こんなに簡単に人を殺してしまうお話は、日本に住む私たちにはなじみがなく、恐ろしいような、気持ち悪いような、そんな感覚に襲われること間違いない。

その5へ・・・つづく